特別な月夜
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夏の暑さが和らいで、秋の気配を感じさせる、今日この頃。
日中はまだ日差しの強いときもあるが、だいぶ涼しくなったように感じる。
音羽は携帯の天気予報を見て、にっこりと微笑んだ。
“今晩は雲のない空。キレイな満月が見えそう”
その一文に安堵し、音羽は携帯をしまって立ち上がった。
音羽は気分が高揚するのを感じながら雲雀の屋敷を出ると、並盛のスーパーマーケットに向かう。
雲雀は今日は仕事で、家を留守にしている。
夜には帰って来る予定なので、それまでに作らなければいけない。
「急がなきゃ。京子ちゃんやハルちゃんも待ってくれてるし…」
材料を買ったら、ボンゴレの地下アジトに向かって、そこで京子やハル達と“それ”を作る事になっている。
今晩は、中秋の名月。
美しい満月の出る、絶好の月見日和だ。
そして、お月見といえば、月見団子!
音羽は楽しみを隠し切れず、浮かれた足取りでスーパーに向かって行った。
―――――――……
買い出しを終えた音羽は、ボンゴレ地下アジトの厨房に向かった。
ドアは開きっぱなしで、音羽が中を覗くと……
「あ!音羽ちゃん!」
「あ~!!待ってましたよ!!」
京子とハルが音羽に気付き、口々に笑顔で出迎えてくれる。
音羽もにっこりと微笑んで、中に入った。
「ごめんね、お待たせしちゃって」
「ううん!私たちも今来て、準備してたとこなの!」
大人になってすっかり髪が長くなった京子は、今は髪を後ろで一つに結び、ピンクのエプロンを持ちながらそう言った。
「はい!ナイスタイミングです!」
ハルもそう言いながら、薄いグリーンのエプロンを付けている。
「ありがとう」
二人は全然変わらないなあ、と嬉しくて微笑みながら、音羽も髪を後ろで結って、水色のストライプ柄のお気に入りのエプロンをつけた。
「今日はお天気もよさそうで、良かったですよね!まさに、お月見日和です!!」
「うん、本当だね。満月、すごく綺麗に見られそう」
「ツナさんとお月見……ロマンティックですっ!!」
「うふふ、ハルちゃんったら!」
ハルの言葉に京子が笑い、音羽もつい雲雀とお月見をする所を思い浮かべてしまう。
着流しを着て月見をする雲雀の姿は、さぞかし様になる事だろう。
思わずぼうっとしていると、ハルが音羽の顔を覗き込んできた。
「音羽ちゃん?どうしたんですか、ぼーっとして。…あ!もしかして、雲雀さんの事考えてましたか?」
「えっ…!ううん!!」
ハルに悪戯っぽく尋ねられ、音羽はぽっと頬を赤くしながらぶんぶんと首を振った。
その様子を見て、京子もハルも温かい笑いを零す。
「音羽ちゃんは全然変わらないね!」
「はい、相変わらずラブラブで羨ましいです!」
京子に、先ほど自分が二人に対して思っていた事を言われて、音羽ははにかんで微笑んだ。
「じゃあ、そろそろ作り始めよっか!」
「はい!忙しいツナさんたちにゆっくりお月様を観てもらって、ちょっとでも癒されてもらいましょう!」
「うん!」
京子とハルの掛け声に頷きながら、三人は作業に取り掛かった。
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