きっかけ
【名前変換】
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ある晴れた日の昼下がり…―
犬夜叉一行は、清らかな水の流れる川辺でしばしの休息をとっていた。
いつものように、かごめが現代から持ってくる様々な食べ物や飲み物を囲み、仲間たちで和気あいあいと談笑する。
しかし―…
「!!この匂いは…!」
犬夜叉がはっと目を見開きそう言うと、一行は談笑することをやめ、犬夜叉に目を移した。
鼻をしきりにひくひくさせ、大気の匂いを嗅ぐ犬夜叉に、弥勒が不思議そうな顔をして尋ねる。
「どうしたのです、犬夜叉」
「…間違いねえ、殺生丸の匂いだ。近くにいやがる」
犬夜叉は確信ある声音で弥勒に答えると、素早く立ち上がった。それを見て、珊瑚が怪訝そうに眉を寄せる。
「ちょっと犬夜叉、また行くの?少しはかごめちゃんの気持ちを考えなよ」
「っ…!!」
珊瑚に白い目で見られながら指摘され、犬夜叉は言葉に詰まった。しかし、それも一瞬のことで、すぐに開き直ったように声をあげる。
「お、おれは別に、やましい事なんてしてねえ!」
犬夜叉は強気に言いながらも、やはりかごめが気になるのか、恐る恐るといった様子でかごめを盗み見た。
かごめは犬夜叉と目が合うと、はあっと溜息を吐きながら言う。
「いいわよ、行って来たら?」
「えっ…」
かごめの言葉に、そこにいた全員がぽかんとした。かごめが案外あっさりと許したのが意外だったのである。
「い、いいのか…?かごめ…」
犬夜叉がかごめの顔色を窺うようにそう尋ねると、かごめは怒ることもなく呆れた表情で答えた。
「いいって言ってるでしょ。…でも、迷惑はかけちゃダメよ」
「お、おう…。じゃあ、行ってくる」
かごめが何も言わないのを不思議に思い戸惑いつつも、犬夜叉は殺生丸の匂いのする森へと駆けて行った。
「いいの、かごめちゃん?犬夜叉が他の女の所に入り浸っても…」
森の方へと遠ざかっていく犬夜叉の背を見ながら、珊瑚が理解できない、といった調子で言う。
「そりゃあ嫌だけど……犬夜叉がそうしたいなら、仕方ないかなって…」
かごめは、珊瑚の言葉に半ば諦めに近い苦笑いを浮かべて答えた。すると、七宝がぴょんっとかごめの傍に寄ってきて、感心したように頷く。
「かごめは心が広いのう。でも、何でいつもいつも犬夜叉の勝手にさせてやるのじゃ?」
七宝にそう尋ねられて、かごめは首を傾げて少し考えた後口を開いた。
「うーん…なんかもう、二股も三股も変わんない気がしてくるのよね。
それに、犬夜叉は必ず帰ってきてくれるし…。それにね―」
そこまで言うと、かごめは嬉しそうに微笑んで七宝の耳元に口を寄せるのだった。
・
1/5ページ