4話 揺らいだ結界
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「せ、殺生丸さま、よろしいのですか!?」
闘鬼神に手をかけた殺生丸に、邪見は驚いたように問う。しかし、殺生丸はそれには答えぬまま、女に問うた。
「最後に一つ聞く。何故、死を望んだ?」
初めてみる僅かな喜びの色さえ浮かべて、女は答えた。ほんの少しだけ、憂えを帯びた声音で。
「もう疲れたんです、生きることが。…それでは駄目でしょうか?」
「…ふん、下らんな」
本心を語っているのか否か、よくわからない口ぶりで女が言ったが、殺生丸は心底下らないと思う。自ら命を絶ちたいということが、殺生丸にはひどく愚かに思えた。
殺生丸が無駄のない動きで闘鬼神を抜くと、刃がきらりと日の光を浴びて、鈍く輝やいた。スッとその先端を、女に静かに向ける。
「…あなたに逢えて、よかった…」
女は柔らかな微笑で殺生丸を見上げた。その言葉の真意は分からない。
単に自分を殺せる相手が現れたという喜びなのか、それとも…。
初めてこの女が自分に向けた笑顔…。それは穏やかで喜びの色さえあるのに、寂しさと、言い知れぬ孤独があった。
女が静かに目を閉じる。殺生丸は何の躊躇いもなく刀を振り下ろした。
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