18話 陽だまりのあなたは、心の中
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「紗夜ちゃん!!!」
「紗夜ーー!!!」
りんと邪見の、悲鳴に近い大きな叫び声が、花畑を震わせた。
その声に、紗夜はびくりと反応したが、足が動くことはない。
否、動かせないのだろう。
彼女は怯えた瞳で要だけを見つめ、竦んだ足を恐怖でガタガタと震わせている。
そんな紗夜を見て、要は心の中が何だか満たされるのを感じた。
例え向けられるのが負の感情でも、今紗夜は、要だけを見ている。
要の事だけを考えている。
今彼女の顔を恐怖に染め上げているのは自分で、それは、自分が彼女の心を支配しているという事。
確かな支配の感覚と、優越感。
要は思わず零れる笑みを押さえられなかった。
自然と、短刀の柄を握る手に力が籠もる。
この刀身が彼女の体にずぶりと埋まり、彼女の命をじわじわと奪う瞬間…
その一瞬、刹那が、待ち遠しくて堪らない。
やっと、永遠に出来る。
永遠に、紗夜を自分だけのものに出来る。
幼い時から焦がれて焦がれて、狂おしい程に愛おしさを感じていた紗夜が、やっとこの手に。
要の動悸が、これまで感じた事がない程早まる。
興奮と期待と焦燥と、悦び。
さあ、早く!!と、何かがひっきりなしに要を追い立てる。
段々と体が浮くように、自分のもので無くなるように、感覚が麻痺していく。
足は勝手に動き、腕は目の前の愛しい女を殺そうと、短刀を前に突き出す。
刃が、紗夜の心臓目がけて突っ込んで行った
その瞬間――――
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