4話 四人の来訪
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千歳が新選組の屯所を訪れてから、早二週間が過ぎていた。
屯所から帰って来たとき、伊織は不満そうにぶつぶつ文句を言っていたが、千歳が言った通りちゃんと帰って来られたので、直接は何も言えないらしかった。
甚一郎とマツは、千歳が恩人と会えた事を喜んでくれた。
いつも通りの日常が、藤屋に戻っていた。
相変わらず藤屋は人気で、毎日忙しい。
日々があっという間に過ぎてしまうので、先々週彼に会いに新選組の屯所に行った時のことが、随分前のような気がしてくる。
去り際、彼に「是非店に来てくれ」と言ったのだが、あれから斎藤の姿を見ない。
彼も忙しいだろうし、あまりうろうろ外を出歩いて食事をする暇などないのだろう。
千歳としては、彼の元気そうな姿を偶には見たかったし、新選組は危険な仕事も多い。
もし店に来てくれた時には、落ち着いてご飯を食べられるように心尽くししてあげたい…と思っていたのだが…。
もしかしたら、迷惑な事を言ってしまっただろうか…。
千歳は少しだけ落ち込みながら、客の去った席から膳を下げる。
すると、店の奥側にいた客が、こちらに声を掛けた。
「千歳ちゃん、こっちにお茶貰えるかい?」
「!あ、はい、ただいま!」
千歳はハッと我に返って急いで勝手場に戻り、下げた膳と入れ替えで茶瓶を持って、客の元に行くのだった―――――……
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