驟雨
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――任務後――…
ミオリとネジ、そしてガイは、木ノ葉の里へと続く道を、いつもより早く走っていた。
まだ夕前だと言うのに、辺りは少し暗い。
空を見上げて見れば、空はどんよりと曇り、今にも雨が降り出しそうだった。
こういう重たい雲が広がっている時は、大雨になる事が多い。
任務でいい加減疲れている体を、雨で冷やしてしまうのは、何とか避けたいところだ。
ミオリは、木々生い茂る森の中を駆け抜けながら、そう思う。
すると、二人の前を爆走していたガイが、顔だけをこちらに向けて大声で言った。
「お前達!今にも雨が降りそうだ!もう少しスピードを上げるぞ、付いて来い!うおおおおっ!!」
ガイはそう叫ぶやいなや、先程よりも更に早く走り始める。
ミオリはその姿にぎょっとしながら、思わず声を上げた。
「…っちょっと、待ってください、ガイ先生…!」
――が、既に小さくなっていく彼の背に、ミオリの疲れ交じりの声など届くはずもなく――…
やがてガイの背中は肉眼では見えない程、遠くに行ってしまった。
「はあ…もう…」
ガイの任務に同行すると大抵こうなるので、もう慣れてはいるのだが、それでもミオリは毎度溜息をついてしまう。
もし隣にいたのがリーだったならば、ミオリは今完全に、一人で森を走る事になっていただろう。
そう思いながら、ミオリは隣を走るネジへと視線を移す。
「…ごめんね、ネジ…。私に合わせてもらっちゃって…」
ミオリがそう言うと、ネジはこちらを振り返り、小さく首を振った。
「気にするな。任務帰りに、オレもあんなに走りたくはない」
ネジが呆れたように前方に視線をやって、ミオリは苦笑する。
きっとそれもネジの本音ではあるのだろうが……。
そうは言っても、ネジならばやろうと思えば、ガイのあのスピードにも付いて行く事は出来るはずだ。
それをしないのは、やはり余り体力のないミオリを気遣ってくれての事だろう。
ミオリは医療忍者であり、勉強やチャクラコントロールは得意であるが、体術や体力面には昔から自信がない。
そのことを、幼馴染のネジはよく知っている。
「…ありがとう、ネジ」
ミオリはネジの横顔を見ながら、目を細める。
そしてそのまま、彼の左肩に視線を留めた。
刃物で破かれた白い服に、僅かに血痕が付いている。
「………」
先程の戦闘で、ネジが回天をする直前に受けたクナイの傷だ。
図らずも、絶妙なタイミングで飛んで来ていたため、避けられなかったのだろう。
戦闘が終わり、任務も終わって、直ぐに治療を申し出たのだが、ネジには必要ない、と断られてしまった。
ネジは、ぶっきらぼうな言い方をする時があるが、決して悪気があるわけではない。
今回も、ミオリの治療を受ける程酷くはないから大丈夫だと、そういう意味で言ったのだ。
その意図をすんなり汲み取れる程には、ミオリも彼の事をよく知っていた。
――…応急手当はしていたし、ネジの顔色も悪くはない。
でも、雨に濡れると体温が下がるし…、やっぱり早く帰った方が良さそう。
ミオリはそう思いながら、里への道を急ぐ。
その時だった。
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