9話 居心地
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翌日――――…
音羽はいつも通り学校に向かいながら、憂鬱な気持ちを抱えていた。
――また女の子たちに敵視されるのかぁ…、やだなあ…。
せっかく並中に来て平和な生活が出来ると思ったのに…。
これから、獄寺や山本ともどう関わっていけばいいのだろう。
悶々と考えるが、結局人の事はどうする事も出来ない。
音羽は音羽で、今まで通り自分の生活を続けていくしかないのだ。
――…頑張ろう、今日も!誰になんて言われても、私には、雲雀さんっていう好きな人がいるんだし…。
音羽は雲雀の姿を思い浮かべながら、手に持っていた紙袋を見つめた。
昨日のお礼に、雲雀に渡そうと思って、昨夜遅くまでかかったがクッキーを焼いてきた。
――いつ渡そうかな……、っていうか、雲雀さんっていつもどこにいるの…?
昨日応接室まで運んでくれたし…あそこにいるのかな…。
音羽がそんな事を考えているうちに、校門の前に辿り着いた。
今日もいつも通り、風紀委員が整列している。
が、今日はその様子がいつもと違った。
「………」
「………?」
どの風紀委員も、音羽をちらと見やっては、目が合いそうになるとすぐさま逸らす。
その挙動不審な態度に、音羽は疑問を抱いた。
まさか、昨日の怖いバスケ部たちが言っていた、噂の件が広まったのだろうか。
――風紀委員まで広がるって…もう相当広まってるってことだよね…
はあ…と溜息を付きながら、音羽はとぼとぼと教室に向かった。
すれ違う生徒が、音羽を見ては、ひそひそと囁き合う。
もう、腹をくくって、ほとぼりが冷めるのを待とう。
そう決意したとき、教室の途中にある廊下の掲示板に、人だかりが出来ていた。
――なんだろう…?
音羽がそう思った瞬間、人だかりにいた人物の一人が、音羽の存在に気付き、あっと声を上げた。
「!!」
それは、昨日のバスケ部で、音羽の噂を知っていた同級生の少年だった。
音羽は彼の存在に目を開いたが、驚いたのはそれだけではなかった。
彼は体中あちこち怪我しており、松葉づえをついている。
昨日はぴんぴんして走っていたし、あの後この姿になったのは間違いない。
「き、昨日はすみませんでした!!!」
彼は、音羽に向けて大声でそう言うと、松葉づえを器用に使いながら、すごいスピードで向こうに歩いて行った。
状況が理解できず、呆然としていると、掲示板に群がっていた他の生徒たちも、音羽を訝しむように見ている。
彼等の瞳には、“獄寺と山本をたぶらかした”という噂に基づくような、嫉妬や怒り、興味は宿しておらず、むしろ、恐怖や畏怖から来る興味を感じる。
「…………」
どういう事か分からず、音羽はその答えを掲示板に求めた。
音羽が一歩踏み出すと、生徒たちがざっと音を立てて、道を開ける。
音羽は掲示板を見て、目を見開いた。
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