26話 紅の思惑
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――――並中、グラウンド―――…
様変わりした並中の校庭に移動した一同は、唖然として立ち尽くした。
音羽の口から、驚きのあまり声が漏れ出る。
「……うそ……」
「こ……ここが……」
「そう、これが雲の守護者の戦闘フィールド、クラウドグラウンドです」
対照的に、淡々としたチェルベッロの声が告げる。
グラウンドには、円形に有刺鉄線が張られており、その中が今晩のフィールドとなっていた。
鋭利な鉄線は中からも外からも、容易に干渉できなくなっている。
しかも鉄線の切れ目の等間隔に、大きな自動機銃が設置されていて、銃口は全てフィールド内に向けられていた。
「何という事だ、運動場が…!」
「あ、あれは…ガトリング砲!」
了平と獄寺が驚きに声を上げると、チェルベッロが静かに口を開いた。
「雲の守護者の使命とは、何者にもとらわれることなく、独自の立場からファミリーを守護する孤高の浮雲」
「故に、最も過酷なフィールドを用意しました。四方は有刺鉄線で囲まれ、8門の自動砲台が30メートル以内の動く物体に反応し、攻撃します」
チェルベッロの一人は言い終えると、ジャケットに手を入れ、布きれを取り出す。
そして、それをフィールド内に投げ込むと―――…
ズガガガガガッ!!
ガトリングがすぐ様反応して、烈しい銃声を響かせながら、その布きれを何十回も撃ち抜いた。
布切れは木っ端微塵になって、ゆらゆらと地面に落ちる。
「………」
恐怖に顔を引きつらせた音羽に追い打ちをかけるように、チェルベッロは言葉を続けた。
「また、地中には重量感知式のトラップが無数に設置され、警報音の直後、爆発します」
「!!」
地雷だ。幾らリング争奪戦が重要な戦いだからと言って、そんなものを持ち出しても良いのだろうか。
ガトリング、地雷を交わしながら、雲雀はヴァリアーのボス補佐官ゴーラ・モスカと戦わなければならないのだ。
幾ら雲雀と云えども、流石に厳しい戦いになるのではないだろうか…。
雲雀が怪我をする可能性も、必然的に高くなる。
音羽が眉を寄せると、了平も堪りかねたように声を上げた。
「まるで戦場ではないか…!」
「怖けりゃ逃げろ。てめーらのボスのようにな」
「ししし」
音羽たちとは少し離れた所にいたレヴィがそう言い、ベルが笑う。
するとそれを聞いていた獄寺が怒鳴った。
「ふざけんな!!十代目は逃げたんじゃねぇ!!」
「ツナは来る必要ねえのさ。雲雀は、うちのエースだからな。あいつは負けねえって」
獄寺の隣にいた山本も、珍しく目を据えて強い口調で言う。
「…エース……」
その言葉に反応したのは、それまで黙して椅子に座っていたザンザスだった。
ザンザスは山本の言葉を繰り返すと、嘲るように笑い声を上げた。
「ぶはーはっはっ!!そいつぁ楽しみだ!!」
「………」
「…!」
「あの野郎!」
雲雀を侮るその態度に、音羽は眉を顰める。
隣にいた雲雀を盗み見れば、無表情ではあるものの、厳しい眼差しでザンザスを見据えていた。
と、その時。
ベルがにんまりしながら、レヴィの影から顔を覗かせ、音羽を見た。
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