19話 あなたのもの
【名前変換】
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守護者になる、と宣言した三日後――…
音羽はツナが修行しているという並盛山を歩いていた。
「う…坂、結構きつい…」
普段運動不足な事が顕著に分かる。一人苦し気に呟きながら、音羽は山道に沿って山を登った。
なぜ音羽がこんな所に居るかと言うと、今朝家庭教師のディーノに、並盛山に行ってツナに会うよう言われたからである。
三日間、雲雀やディーノの軽い怪我を治そうと、気を集中させてみたが、力が使える気配はない。
本当に自分に出来るのだろうか?という不安が、増々募っていた。そんな折にツナの所に行ってみろ、と言われて向かっているのだが…。
一体彼が何を考えているのかは分からないが、取り敢えず行くしかない。
そう言うわけで、音羽は学校を休んで、只今ツナを探して登山中だ。
ちなみに、雲雀には今日学校を休むことを伝えていない。雲雀の携帯の番号もメールも教えてもらっているので、今朝、連絡しようか迷った。
しかし、自分が学校を休むくらいで雲雀にいちいち連絡しては、忙しい彼を煩わせてしまうかもしれない。
面倒くさい、と思われるのが怖くて、音羽は雲雀に連絡せずに学校を休んだ。
――私って臆病だなぁ…。でも、雲雀さんの迷惑になりたくないし…。
そう思いつつ、じわりと汗が滲み始めた時、
「うおおおお!!」
前方の林の向こうから、雄たけびのような声が聞こえて来た。その声にぴんと来て、音羽は思わず駆け出す。
林を抜けると崖よりも少し広々とした所で、パンツ一枚のツナと、ツナのように炎を――けれど、青い炎を灯した少年が激しい戦いを繰り広げていた。
「来たな」
「……え…?」
リボーンが呟き、ツナの炎がシュウッと消える。
「沢田君、リボーン君!!」
音羽は彼らの元に駆け寄って、荒く息をついた。
「片桐!?どうしてここに!?」
「片桐……?……!もしや、あなたが…!」
驚いて音羽を見る二人に、リボーンはニッと笑みを浮かべる。
「ああ、片桐音羽……天の守護者に選ばれた、ツナのファミリーだ」
「あ…あの…初めまして、片桐音羽です」
天の守護者、という慣れない肩書に戸惑いながらも、音羽はひとまず見知らぬ少年を見ながら、ぺこりと頭を下げる。
少年は青い瞳を細めて、柔らかく微笑んだ。
「初めまして、バジルと申します。拙者、沢田殿の修行の相手を務めさせて頂いています」
「あ…!あなたが…!」
ディーノの話でちらっと登場した名前だと、音羽は記憶を呼び戻す。確か、ボンゴレリングをツナの元に運んで来たという少年だ。
「拙者の事を知っているのですか?」
「ディーノさんから、少しだけお聞きしました!あの、よろしくお願いします」
「そうでしたか。こちらこそ、よろしくお願いします」
丁寧に挨拶を交わす二人を見守っていたツナは、首を傾げる。
――あれ…?バジル君、片桐の傾国の力が効いていないのかな…?
そんな人間、今まで見た事がなかったが、ついに例外が現れたのだろうか。
そんな事を考えたが、ツナはふと守護者の事を思い出して、音羽に声を掛けた。
「あ…そう言えば片桐。ありがとう、守護者引き受けてくれて」
「ううん、私に出来るか不安だけど…。でも、雲雀さんの為に、私も何かしたくって…」
「そっか…。片桐のカテキョーは、ディーノさんだっけ?修行はないの?」
ツナの質問に答えたのは、それまで静かに佇んでいた、小さな彼だった。
「音羽は天の守護者だからな。他の守護者みてえに戦闘スキルを磨くより、安定した力を使えるようになるのが修行だな。ディーノにここに来いって言われたのか?」
リボーンに尋ねられて、音羽はこくりと頷きを返す。
「ずっと、あの力を使おうと頑張ってるんだけど、全然上手く出来なくて……。どうして沢田君やリボーン君の所に行くよう言われたのか、私も分からないんだけど…」
俯いて表情を暗くした音羽を見て、リボーンは少し考え込み、やがてぴょんっとツナの肩に飛び乗った。
「おいツナ、バジル、少し休憩するぞ」
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