Main Story
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《其ノ捌》One Night Carnival〜俺んとこ来ないか〜
❀
「銀ちゃーーーん!!!」
「名前ーーー!!!」
感動の!!!約1ヶ月半ぶりの!!!再会。お互い全速力で駆け寄り熱い抱擁を交わす銀魂の主人公と私。勢い良すぎて銀ちゃんが私を抱っこ→ぐるんと一回転する形になっちゃったけど、銀ちゃんはアハハハ、と声のデカイ快援隊商事の社長のグラサンみたいに笑ってご満悦そうだからいっか。え待って私のウエイト重くねぇかな!?
「銀ちゃん久しぶり!会いたかったぁ」
「だーーッ!!!何でそう簡単に銀さんキラーしちゃうかねこの子はァ!!俺もね?この1ヶ月ね?名前に会えない間名前を思い浮かべながら毎晩銀さんは銀さんのチューパットを」
「おいおいちょっと待て日本はまだ昼だぜ銀ちゃん」
私の腰をしかと抱きかかえながら上目遣いで、いつになく輝いた瞳を私に向け、ドギツい下ネタをかましてくる我らが銀ちゃん。何故だかトリップ初日初対面の日から懐かれてしまった私は、仕事の合間に毎日送られてくる彼からの大層長いメンヘラメールや電話のやりとりで絆を深め、お互いを「銀ちゃん」「名前」と呼ぶまでの仲に。そりゃあだって気に入られる努力もろくにせずここまで好かれるならだいぶ俺得すぎる。
「俺の全てを知ってる名前には今更隠し事なんて出来ねーって思っちゃってるからね、変に取り繕った天パ主人公なんて存在意義ないでしょ?あーっこの角度可愛ッッッ!」
「声デカ!!!銀ちゃんは何しててもかっこいいから大丈夫だよ」
「労働で草臥れた体に名前のスケルトンボイスが染みるぜ…まあ先月あんま働いてねぇけど」
相変わらずの懐事情みたいだけど、今日は満を持して銀ちゃんとかぶき町デートの約束をした日。ずっと誘ってくれてはいたんだけど、中々休みが合わず(非番の日は大体総悟にこき使われるか虐められるかで最早非番ではない)ようやく総悟の目を掻い潜って実現できた。ナチュラルに大きな右手で私の左手を包み込みながら、今日は一段と有象無象どもが湧いてんなー(人混み)アレ?あ、土曜だからかと呟く銀ちゃんのなんだか嬉しそうな横顔を見て、私まで心が浄化される気がした。
「ねえ銀ちゃん、今日は夜まで一緒に居れる?」
「エッ!?そりゃあ…仕事はガキ二人に任したし、名前がお望みとあらば一夜明かすコトも可能だけどねうん!」
「えへへ、ほんと?じゃあ今日は銀ちゃんに頂かれちゃおっかなあ」
「…………からかわれてる筈なのに名前チャンだとなんでこんなに気分良いんだろうね!!!」
返ってくる反応が面白過ぎて銀ちゃんとはもうずっとこんな会話ばっかりだ。最近ターミナル付近に出来た大型ショッピングモールでアクセや服のウインドウショッピングを付き合ってもらったり、フードコートでパフェをシェアしてあーんのさせ合いっこしたり、ゲーセンでプリ撮ったり…まるであの頃の青春のデートを終えた後、もちろん大人の男と女が行く先は。
・ ・ ・
「「かんぱーい!!!」」
ゴチン、とジョッキグラスのぶつかる心地良い音の後、お互い吸い込むように喉を越して行った麦芽アルコールドリンク。私たちは大衆焼肉屋で今日一日を〆ることといたしました。お腹がすきすぎて、最早この肉を焼いたダクトの匂いで酒が飲める。私ゃオー○リー春日か。ショッピングモールを出たのち、適当に行きたいお店を見繕っていたら同じタイミング、同じお店の前で私と銀ちゃんはピタッと止まった。それがこの焼肉屋である。
「銀ちゃん、私外食も焼肉もすっごい久しぶりだよー!元いた世界の頃だから…2、3ヶ月ぶりかも!」
「いーじゃんかよ1シーズン1回ならよー。俺ら万事屋にとっての焼肉は半年に1回のご馳走だぞ、つかこれ帰っても匂いで神楽にぶん殴られそう…」
とは言いつつも食べないでここを出るという選択肢は勿論あるはずなく、銀ちゃんは食べたすぎて待ちきれないのか網の上のタン塩をさっきから不必要にひっくり返している。そんな子供みたいな銀ちゃんを見ながら、注文して1分くらいでソッコー出てきたもやしのナムルを咀嚼しビールで流し込んだ。あっ、もやしってこんなウマいんだ。
「…この間真選組の皆に歓迎会開いてもらったんだけど、なんか色々あってそんなにお酒飲めなかったから…銀ちゃんとこうやって楽しい飲み会できて嬉しい。ありがと」
「…いやそんなん、銀さんだってこんな可愛い子とお酒飲めてるわけだしむしろ俺が礼を言うべきではあるけど?つか、なんか色々って何だよその、含みのある言い方。」
「色々っていうのは、……まあ、いろいろだよ!」
「早速あのチンピラ共からなんかされた訳ェ!?だから言ったんだよ俺ぁ!そんな加齢臭とカ○パーの匂いがこもったデッドプレイスに身寄せるよりかは!銀さんのところの方がまだマシだって!」
肉、米の順に口の中でマリアージュしながら、銀ちゃんの叫びを素直に聞き入れる。…そう、初対面の日だけでなく、メールでさえも私はずっと銀ちゃんちに住むことを提案され続けていたのである。そんな風に心配してもらえているのは素直に嬉しいし小気味がいい。立ち込める煙の中ずっと考えていたのは、あの日の総悟にされたこと。そして土方さんに間一髪で止めてもらったこと。総悟は相変わらずだけど、土方さんとはあれからギクシャクしているし、妙に避けられている気がする。単に気まずいだけだとしても、気づいてたくせにすぐ止めてくれなかったのは彼自身だし。なんでそんな態度取られてんのか意味がわかんねんですけど。
「……銀ちゃんありがとね、心配してくれて」
「…なあ、やっぱり本当に多串クンと何かあったんじゃねーの?嘘つかれて安心したようなムカついたような!銀さんあれからほんとに毎晩泣き腫らして枕カバー毎日取り替えてたんだから!」
「なにもないよ、……土方さんとなんて一番なにもない」
銀ちゃんに恋人のフリをしていたことも、罪悪感に苛まれて後日弁解した。そう、なにもないんだよ、と。…そう口にした瞬間、言いようのない虚しさが私の心臓を蝕んだ。この世界に来られて、ずっと好きだった土方さんと同じ屋根の下で暮らして、憧れの気持ちはみるみる膨らむばかり。それだけじゃ飽き足らずもっとお近付きになりたいと図々しい願望ばかりが独り歩きしているから、避けられてこんなにダメージを負ってるんだ。いや?むしろ避けられてると思っていること自体が自意識過剰なのかも。
「……長ェこと万事屋やってると、人の何か言いたげな顔くらい嫌でも分かるようになってくんだよな」
「え?ごめん、なん……」
土曜の焼肉屋の賑わいは、向かい合って座る些細な距離の言葉ですらかき消してしまう。銀ちゃんのやけに真剣な顔だけが私の目に映る。せっかく大事に育てていた野菜焼きは端っこで黒い塊になりかけているけど、でもそれよりもはるかに気になること。
どうして銀ちゃんの右手は、私の右手を包んでいるのか。
するする間を銀ちゃんの節くれた指が絡んできて、擽ったさに思わず肩が揺れる。
「……なあ、銀さんさ。今日こうやってまた会って…やっぱりおめーさんのこと野郎共から奪ってやりてェって思っちまったんだけど」
「ぎ、銀ちゃん…?」
「俺なら名前にそんな顔絶対させたりしねーよ。
…マジで来る気ない?ウチに」
ぎゅっと握られる手に力が込められる。…銀ちゃんてずるい。原作でもそうだけど、どうしてこういうシリアスモードの時は100割増でかっこよく見えちゃうのか。いつもの死んだ目もキリッと切れ長に、気怠げな声だって今は低くくぐもり私の脳天に突き刺さる。
銀ちゃんの言う通り。…万事屋にいたら、近藤さんの脱ぎ癖に辟易したり、総悟に悪戯されることもない。土方さんの言動や行動に一喜一憂することもない。平穏で楽しい日々が送れるはず。
___だけどやっぱり
「………私ね、銀ちゃんには本当に感謝してるんだ。
こんな得体の知れない女を快く受け入れてくれて。
今日のデートでもまるで彼女みたいに優しくしてくれて…
真選組の人達には本当に、…困らせられることのほうが多いけど。
私を置いてくれている恩を返す方法は、やっぱり女中として支えるのが一番だと思ってる。
だから…きっと私のかぶき町での居場所は、真選組だけなんだ。
今までもこれからも。」
銀ちゃんは私の発言に目をまん丸くした後、バツが悪そうにガシガシと頭をかいた。あっ、ハゲちゃう…
私よりもずっと大きな、繋がれていた温もりもその拍子にぱっと離されてしまう。それがちょっと寂しくなったなんて口が裂けても言えるわけないけど。…銀ちゃんのそう言ってくれる、私に対する気持ちって、一体どういう意味なんだろう…
「あ゙ーー…今日の様子見てたらイケんじゃねコレとか思ってた自分が恥ずかしーわ。一世一代レベルで勇気出したんだけどね!?もうイイ歳こいてるけど嫁に来いとか言ったことねーし!!銀さんの初プロポーズは今年の紅葉の如く呆気なく散りましたとさァ!!」
「ちょっ……あれプロポーズなの!?わっかりにくいよ、男たるもの回りくどくなくハッキリ言って欲しいもんだね!!!」
「ウチで暮らせは嫁に来い以外イコールで繋げるモンねーから!!奪っちゃおうかなとかも言っちゃってるから!!つか二度も言わせんな小っ恥ずかしい!!」
気付けばいつもみたいにくだらないやり取りで笑い合って、銀ちゃんはトングをカチカチ鳴らしながらカルビを七輪の上に並べ始めた。ちょっと口をとんがらせて拗ねてる感じ、めっちゃ可愛い。…こんなふうに冗談交えながら気まずくならないようにしてくれてあるのは、彼のとてつもない配慮のおかげだと思う。結局その真意は分からずじまいだけど、この世界で私の一番の理解者は、きっと銀ちゃんになるんじゃないか…そんな気がしてならなかった。
完。
(あー…やっぱり今日だけ泊まってかねー?)
(………ぎ、銀ちゃん)
(違う違う断じて!!下心等ではござらん!!神楽いるし!!いやちょっとはあるけど確かに煩悩はミジンコ程度あるけど!!あわよくばナニをソレにインアウトする関係にはそりゃなりたいけど!!)
(よ、酔いすぎだよバカっ!近藤さんに迎えに来てもらうからいいもん、万事屋でちょっと休ませて!)
(休憩2hコースね!!了解!!HOTEL Silver Soul 入りまぁす!!)
(…だ、だから違うってばぁぁ!!)
❀
「銀ちゃーーーん!!!」
「名前ーーー!!!」
感動の!!!約1ヶ月半ぶりの!!!再会。お互い全速力で駆け寄り熱い抱擁を交わす銀魂の主人公と私。勢い良すぎて銀ちゃんが私を抱っこ→ぐるんと一回転する形になっちゃったけど、銀ちゃんはアハハハ、と声のデカイ快援隊商事の社長のグラサンみたいに笑ってご満悦そうだからいっか。え待って私のウエイト重くねぇかな!?
「銀ちゃん久しぶり!会いたかったぁ」
「だーーッ!!!何でそう簡単に銀さんキラーしちゃうかねこの子はァ!!俺もね?この1ヶ月ね?名前に会えない間名前を思い浮かべながら毎晩銀さんは銀さんのチューパットを」
「おいおいちょっと待て日本はまだ昼だぜ銀ちゃん」
私の腰をしかと抱きかかえながら上目遣いで、いつになく輝いた瞳を私に向け、ドギツい下ネタをかましてくる我らが銀ちゃん。何故だかトリップ初日初対面の日から懐かれてしまった私は、仕事の合間に毎日送られてくる彼からの大層長いメンヘラメールや電話のやりとりで絆を深め、お互いを「銀ちゃん」「名前」と呼ぶまでの仲に。そりゃあだって気に入られる努力もろくにせずここまで好かれるならだいぶ俺得すぎる。
「俺の全てを知ってる名前には今更隠し事なんて出来ねーって思っちゃってるからね、変に取り繕った天パ主人公なんて存在意義ないでしょ?あーっこの角度可愛ッッッ!」
「声デカ!!!銀ちゃんは何しててもかっこいいから大丈夫だよ」
「労働で草臥れた体に名前のスケルトンボイスが染みるぜ…まあ先月あんま働いてねぇけど」
相変わらずの懐事情みたいだけど、今日は満を持して銀ちゃんとかぶき町デートの約束をした日。ずっと誘ってくれてはいたんだけど、中々休みが合わず(非番の日は大体総悟にこき使われるか虐められるかで最早非番ではない)ようやく総悟の目を掻い潜って実現できた。ナチュラルに大きな右手で私の左手を包み込みながら、今日は一段と有象無象どもが湧いてんなー(人混み)アレ?あ、土曜だからかと呟く銀ちゃんのなんだか嬉しそうな横顔を見て、私まで心が浄化される気がした。
「ねえ銀ちゃん、今日は夜まで一緒に居れる?」
「エッ!?そりゃあ…仕事はガキ二人に任したし、名前がお望みとあらば一夜明かすコトも可能だけどねうん!」
「えへへ、ほんと?じゃあ今日は銀ちゃんに頂かれちゃおっかなあ」
「…………からかわれてる筈なのに名前チャンだとなんでこんなに気分良いんだろうね!!!」
返ってくる反応が面白過ぎて銀ちゃんとはもうずっとこんな会話ばっかりだ。最近ターミナル付近に出来た大型ショッピングモールでアクセや服のウインドウショッピングを付き合ってもらったり、フードコートでパフェをシェアしてあーんのさせ合いっこしたり、ゲーセンでプリ撮ったり…まるであの頃の青春のデートを終えた後、もちろん大人の男と女が行く先は。
・ ・ ・
「「かんぱーい!!!」」
ゴチン、とジョッキグラスのぶつかる心地良い音の後、お互い吸い込むように喉を越して行った麦芽アルコールドリンク。私たちは大衆焼肉屋で今日一日を〆ることといたしました。お腹がすきすぎて、最早この肉を焼いたダクトの匂いで酒が飲める。私ゃオー○リー春日か。ショッピングモールを出たのち、適当に行きたいお店を見繕っていたら同じタイミング、同じお店の前で私と銀ちゃんはピタッと止まった。それがこの焼肉屋である。
「銀ちゃん、私外食も焼肉もすっごい久しぶりだよー!元いた世界の頃だから…2、3ヶ月ぶりかも!」
「いーじゃんかよ1シーズン1回ならよー。俺ら万事屋にとっての焼肉は半年に1回のご馳走だぞ、つかこれ帰っても匂いで神楽にぶん殴られそう…」
とは言いつつも食べないでここを出るという選択肢は勿論あるはずなく、銀ちゃんは食べたすぎて待ちきれないのか網の上のタン塩をさっきから不必要にひっくり返している。そんな子供みたいな銀ちゃんを見ながら、注文して1分くらいでソッコー出てきたもやしのナムルを咀嚼しビールで流し込んだ。あっ、もやしってこんなウマいんだ。
「…この間真選組の皆に歓迎会開いてもらったんだけど、なんか色々あってそんなにお酒飲めなかったから…銀ちゃんとこうやって楽しい飲み会できて嬉しい。ありがと」
「…いやそんなん、銀さんだってこんな可愛い子とお酒飲めてるわけだしむしろ俺が礼を言うべきではあるけど?つか、なんか色々って何だよその、含みのある言い方。」
「色々っていうのは、……まあ、いろいろだよ!」
「早速あのチンピラ共からなんかされた訳ェ!?だから言ったんだよ俺ぁ!そんな加齢臭とカ○パーの匂いがこもったデッドプレイスに身寄せるよりかは!銀さんのところの方がまだマシだって!」
肉、米の順に口の中でマリアージュしながら、銀ちゃんの叫びを素直に聞き入れる。…そう、初対面の日だけでなく、メールでさえも私はずっと銀ちゃんちに住むことを提案され続けていたのである。そんな風に心配してもらえているのは素直に嬉しいし小気味がいい。立ち込める煙の中ずっと考えていたのは、あの日の総悟にされたこと。そして土方さんに間一髪で止めてもらったこと。総悟は相変わらずだけど、土方さんとはあれからギクシャクしているし、妙に避けられている気がする。単に気まずいだけだとしても、気づいてたくせにすぐ止めてくれなかったのは彼自身だし。なんでそんな態度取られてんのか意味がわかんねんですけど。
「……銀ちゃんありがとね、心配してくれて」
「…なあ、やっぱり本当に多串クンと何かあったんじゃねーの?嘘つかれて安心したようなムカついたような!銀さんあれからほんとに毎晩泣き腫らして枕カバー毎日取り替えてたんだから!」
「なにもないよ、……土方さんとなんて一番なにもない」
銀ちゃんに恋人のフリをしていたことも、罪悪感に苛まれて後日弁解した。そう、なにもないんだよ、と。…そう口にした瞬間、言いようのない虚しさが私の心臓を蝕んだ。この世界に来られて、ずっと好きだった土方さんと同じ屋根の下で暮らして、憧れの気持ちはみるみる膨らむばかり。それだけじゃ飽き足らずもっとお近付きになりたいと図々しい願望ばかりが独り歩きしているから、避けられてこんなにダメージを負ってるんだ。いや?むしろ避けられてると思っていること自体が自意識過剰なのかも。
「……長ェこと万事屋やってると、人の何か言いたげな顔くらい嫌でも分かるようになってくんだよな」
「え?ごめん、なん……」
土曜の焼肉屋の賑わいは、向かい合って座る些細な距離の言葉ですらかき消してしまう。銀ちゃんのやけに真剣な顔だけが私の目に映る。せっかく大事に育てていた野菜焼きは端っこで黒い塊になりかけているけど、でもそれよりもはるかに気になること。
どうして銀ちゃんの右手は、私の右手を包んでいるのか。
するする間を銀ちゃんの節くれた指が絡んできて、擽ったさに思わず肩が揺れる。
「……なあ、銀さんさ。今日こうやってまた会って…やっぱりおめーさんのこと野郎共から奪ってやりてェって思っちまったんだけど」
「ぎ、銀ちゃん…?」
「俺なら名前にそんな顔絶対させたりしねーよ。
…マジで来る気ない?ウチに」
ぎゅっと握られる手に力が込められる。…銀ちゃんてずるい。原作でもそうだけど、どうしてこういうシリアスモードの時は100割増でかっこよく見えちゃうのか。いつもの死んだ目もキリッと切れ長に、気怠げな声だって今は低くくぐもり私の脳天に突き刺さる。
銀ちゃんの言う通り。…万事屋にいたら、近藤さんの脱ぎ癖に辟易したり、総悟に悪戯されることもない。土方さんの言動や行動に一喜一憂することもない。平穏で楽しい日々が送れるはず。
___だけどやっぱり
「………私ね、銀ちゃんには本当に感謝してるんだ。
こんな得体の知れない女を快く受け入れてくれて。
今日のデートでもまるで彼女みたいに優しくしてくれて…
真選組の人達には本当に、…困らせられることのほうが多いけど。
私を置いてくれている恩を返す方法は、やっぱり女中として支えるのが一番だと思ってる。
だから…きっと私のかぶき町での居場所は、真選組だけなんだ。
今までもこれからも。」
銀ちゃんは私の発言に目をまん丸くした後、バツが悪そうにガシガシと頭をかいた。あっ、ハゲちゃう…
私よりもずっと大きな、繋がれていた温もりもその拍子にぱっと離されてしまう。それがちょっと寂しくなったなんて口が裂けても言えるわけないけど。…銀ちゃんのそう言ってくれる、私に対する気持ちって、一体どういう意味なんだろう…
「あ゙ーー…今日の様子見てたらイケんじゃねコレとか思ってた自分が恥ずかしーわ。一世一代レベルで勇気出したんだけどね!?もうイイ歳こいてるけど嫁に来いとか言ったことねーし!!銀さんの初プロポーズは今年の紅葉の如く呆気なく散りましたとさァ!!」
「ちょっ……あれプロポーズなの!?わっかりにくいよ、男たるもの回りくどくなくハッキリ言って欲しいもんだね!!!」
「ウチで暮らせは嫁に来い以外イコールで繋げるモンねーから!!奪っちゃおうかなとかも言っちゃってるから!!つか二度も言わせんな小っ恥ずかしい!!」
気付けばいつもみたいにくだらないやり取りで笑い合って、銀ちゃんはトングをカチカチ鳴らしながらカルビを七輪の上に並べ始めた。ちょっと口をとんがらせて拗ねてる感じ、めっちゃ可愛い。…こんなふうに冗談交えながら気まずくならないようにしてくれてあるのは、彼のとてつもない配慮のおかげだと思う。結局その真意は分からずじまいだけど、この世界で私の一番の理解者は、きっと銀ちゃんになるんじゃないか…そんな気がしてならなかった。
完。
(あー…やっぱり今日だけ泊まってかねー?)
(………ぎ、銀ちゃん)
(違う違う断じて!!下心等ではござらん!!神楽いるし!!いやちょっとはあるけど確かに煩悩はミジンコ程度あるけど!!あわよくばナニをソレにインアウトする関係にはそりゃなりたいけど!!)
(よ、酔いすぎだよバカっ!近藤さんに迎えに来てもらうからいいもん、万事屋でちょっと休ませて!)
(休憩2hコースね!!了解!!HOTEL Silver Soul 入りまぁす!!)
(…だ、だから違うってばぁぁ!!)