Another Story
name change
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相変わらず依頼が舞い込んでこない万事屋はその日の食べ物にも困るほど生活が困窮しているらしい。食べ盛りの神楽ちゃんが何も口に出来ないのはさすがに可哀想なので、私は食材を買い込んで作り置きをしてあげることにした。特に銀ちゃんには何も伝えてないけど多分居るよね!スーパーの買い物袋を抱えてチャイムを押すと、気怠げな銀ちゃんがおへそを掻きながら引き戸を開けて「要らねーつってんだろしつけーなコノヤロー!」と顔の目の前で叫んで来て、思わず目を見開く。
「………ご飯作りに来たんだけど、必要なかった?」
「あああ違う違う!!待ってそんな悲しい顔しないで、さっきまでしつけェセールスマン来てたんだよ。名前なら用がなくても鼻クソ飛ばしに来たとかトイレ借りに来たとかでも上げちゃうから、なんならずっとここに居ていいから、つかいつ真選組辞めんの?俺他の男のとこに預けておけるほど寛容じゃねェんだけど?」
「ふふ…じゃあ、お邪魔します。」
「あ、名前待って。その前に」
抱えていたレジ袋を銀ちゃんはいつの間にやら私から取り上げて床に置き、下駄を脱いで上がろうとする私の体に腕を回した。そのまま顔を首筋に埋められ、ふわふわの髪の毛が擦れて擽ったい。されるがままに行き場を失った手を銀ちゃんの髪に遠慮がちに触れさせてみると、にっと笑った彼は唇と唇が触れそうな距離で不敵に呟くのであった。
「……会いたかったね」
「………っ、!うん、……」
「ダーーーッもーほんっとに可愛いなあ銀さんの名前チャンは!!!今日もウルトラプリティキュートスペシャルプリンセスガールゥッ!!」
「も、もう……声大っきいし恥ずかしいってば…」
わざとやってるのは分かってるのに、そんな顔で見られたらそりゃ心臓も騒がしくなる。俯き加減で小さくひとつ頷いてみせると、銀ちゃんは私の頭を大袈裟なくらいに強く抱き寄せて頬擦りをしてきた。出会った初日から変わらぬ熱量で私にダダ漏れの『好き』を伝えてくれる銀ちゃんには一生叶わない。だけど私なりにそれを返したいとも思ってる。時折その圧に圧倒されることもあるけど、今日はちゃんと私も同じ気持ちなんだよってことを、改めて伝えられたらいいな。
「うはー!やっぱり台所に立ってる彼女を眺めるってのは男の至福だよなあ…醍醐味はエプロン付けた後ろ姿っつーか、ミニ丈の着物から透けるケツのラインが堪んないねまたこりゃ」
「…………あのさ、銀ちゃん。変なことばっかり言って気散らさせたいだけなら居間に行っててくれる…!?」
「ヤダ!無理!名前の料理してるとこ見たいもん!大人しくケツのラインとくびれ見て黙ってるから許してェ!」
「なんか増えてるし……!!」
あまりに生々し過ぎる発言に耐え切れずに振り返ると、指でカメラみたいに四角を作って、私のおしりを捉えるようにじっと見ている銀ちゃんを怒鳴りつけるも全く聞く耳を持ってくれない。包丁使ってるから危ないよって散々注意してるのに、バックハグしてみたり耳にふーって息かけてきたり、流石に参ってきた。…嫌なわけじゃないけど、私だってなんか…そういう変な気分になってくるじゃん!まだ昼なのに!
「よし!これで一週間は持つかなあ」
「それにしても手際良いよなー。もしかして俺のために花嫁修業でもしてくれた?美味そー」
「あっこら、ダメだよつまみ食いしちゃ。神楽ちゃん帰ってきたらちゃんと食べさせてあげてね?」
「わーってるって。世話焼いてくれんのは嬉しいけど、母ちゃんになんのはちと早いんじゃねェの。
……まだ、銀さんだけのもので居てよ」
出来上がった料理の粗熱が取れ、タッパーの蓋を閉めていた手に、すっと大きくてゴツゴツした手が添えられて、そのまま私を閉じ込めるように銀ちゃんはシンクの縁に手をついた。思わずどくりと高鳴る胸、もう逃げられないことを悟った私は恐る恐る振り返る。赤茶色の瞳が私を射抜くように捉えていて、強引に頬を引き寄せられ、そのまま唇が重なる。
「………!っん、ぁ……ぎん、ちゃ……」
「は……っやべェってマジで……何その顔」
恥ずかしさから頑なに噤んでいた唇を割るように、銀ちゃんの舌が入り込んでくる。ぬるりと絡み合った瞬間から甘ったるいいちご牛乳の味がする、頭からつま先まで溶けてしまうような蕩けるキス。段々と互いの混じり合う息が荒くなってきたところで、銀ちゃんが私の体に正面を向かせて、また奪うように深いキスが仕掛けられた。逃がすまいと腰元をがっちりホールドした右手の温度が、布越しでも伝わる。酸素が足りなくなり、潤んだ瞳で銀ちゃんから唇を離すと、後頭部をぐっと押さえつけられるようにまた銀ちゃんの唇が押し当てられる。
「銀ちゃん待っ……、んんっ……!」
「…ダーメ。……何で逃げんの」
「っ!ンっ………ん、んむ……っ……」
「……っは……、名前かわい…もっとちゅーさせて」
いちいち私を甘やかす言葉ばかり、あまりにも愛おしそうに見つめて言うものだから。noなんて言えるはずもないし、端から言うつもりもさらさらない。まるでキスで生気を吸い取られたのかと思うほど弱々しくなった力で銀ちゃんの袖を掴んだら、私の頭をすっぽりと抱きかかえるように自身の胸に収めたあと、さらりと髪の毛を耳に掛けられて、そこに口元を寄せられる。
「………布団行く?」
「………っ…、! 」
「悪ィけど、俺のオオカミさんスイッチ押したのは名前だからね、……ほら、もうこんなんなっちった」
「ばっ、ばか…!変態っ!」
「好きな女とエロいちゅーして不能なのは耄碌ジジイぐらいだから、キーボ=成人男性の至って正常な生理現象だからねアンダスタン?」
「〜っだからってそんなダイレクトに触らせることないでしょ!!!」
「デッカー!!とか言ってくれると思っただけですぅー」
無理矢理銀ちゃんの銀ちゃんを握るように手を押し付けられて、ムードは台無し。…なはずなのに、楽しそうに、でもどこか照れ臭そうに笑う彼に抱えられて寝室まで向かう数十歩の距離の間。その向けられた表情が全て私のものだなんて、なんて幸せ者なんだろう。募り積もった気持ちはもう喉まで出かかっていて、我慢出来ずに言いたいと心が叫んでる。
「………銀ちゃん、大好き」
「………………………っえ、ちょそれさ、布団の中でも言ってくれたりする?」
「……ふふ。どーだろ?」
「ッッ頼むマジでッッ!それで銀さんの一週間の仕事のモチベっつーか…そもそもの寿命が決まってくるから!」
「しょーがないなあ、もう」
「っしきたァァァ!!!いっぱい気持ちよくしてあげちゃう!!!つか俺は愛してっかんなコノヤロー!!!」
今までありったけの愛をくれたぶん、私も少しずつ追いつけるようにお返ししていくからね。
ふわふわ天然パーマの甘党、そして溺愛系の銀ちゃんとの恋はきっと、一生退屈しないんだろうな。
(ん……っ、あれ?なんか鍵の音しなかった?)
(…………いや知らねー、気の所為、ウン、もう脱いじまったしここで終わるとか無r)
(キャッホーイ!!!銀ちゃーん帰ったアルヨー!!!)
(…………いっけね、目覚まし切り忘れてたァ。あーうるせー)
(…………お預けだね)
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