Main Story
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《其ノ参拾壱》尽くすタイプは飽きられる
❀
時刻は夜の9時過ぎ。
夕食の片付けを終え仕事が一段落したところ。お風呂にも入ってスッキリしたので、今日は土方さんの丸一日の事務仕事の疲れを癒そうと、こっそり作っておいたお夜食を届けに副長室の前に来ました。朝から食堂にも姿が見えなかったので、恐らく部屋と厠の往復だったのだろう。まともに食事も取らずに没頭するなんて流石仕事の鬼と言ったところだけど、息抜きさせてあげるのも恋人の役目だよね…?
白米とお味噌汁、ほうれん草のお浸しの小鉢に、余っていた豚ロースを生姜焼きにした。もちろんマヨネーズは抜かりなく大容量タイプを丸々一本添えて。大好物との相性ピッタリのメニューを考えるなんて出来た彼女…!いや、自画自賛している場合じゃない。きっとお腹はペコペコで疲れているだろうし、沢山食べさせて癒してあげよう…!
「…土方さーん、 」
「………………」
「………入りますよー?」
襖を軽く三度叩いて、暫く待ってみても応答がない。勝手に入るのも如何なものかと思ったけど、倒れてたりとか何かあったら困るので失礼します。恐る恐る中を開けると、机の上に高く積まれた書類の山。その隣に顔だけを置いて、すやすやと規則正しい寝息を立てて眠る愛おしい姿があった。起こさないようにそっと夜食の乗ったお盆を畳に置いて、土方さんの目の前に腰掛けた。
「……お仕事お疲れ様、土方さん。」
鬼の副長なんて呼ばれてビビり散らかされて、(本人のせいでもあるっちゃあるけど)攘夷浪士からは血も涙もない、冷酷、なんて噂を立てられてるのに。私の目の前と眠っている時はこんなに無防備で、子供みたいな表情を晒しているなんてきっと夢にも思わないだろう。閉じられた目から綺麗に伸びる睫毛、すらっと通ったきれいな鼻。少し開いた薄くて形のいい色っぽい唇を見ていたら、土方さんとのキスを思い出して……っあーダメだ、私ったらまるで変態みたいに煩悩だらけ。そんな考えを打ち消すように首を振り、『起きたら食べてくださいね』と書き置きを残して腰を上げた。
「………っ」
……けど。こんな顔見せられてしまったら、ちょっとやそっと出来心は生まれる訳でして。どきどき鳴る胸を治めるように手を当てて、サラサラストレートな髪の毛に指を通す。土方さんって意外に猫っ毛なんだなあ。ヴィダルハスーンの良い香りがふわっと鼻を抜けると共に、喉奥からん…と静かに声を漏らした彼に余計に心臓が跳ねる。な……何今の声、ちょっとエロいぞ。っていうか私今頃だけどめっちゃオッサンみたいになってない!?みるみる真っ赤に染まる顔、だけど触れたいという欲求はこんなものじゃ満たされる筈もない。ゆっくりゆっくりと頬に近付き震える唇を寄せていく。ほっぺにチューくらいは許されますよね寝てるけど……!
___すると、突然ぱちりと目を覚ました土方さんが、私の手首をいとも簡単に掴み、自らの吐息を吹き掛けるように、私の耳元でいつもより数倍も甘ったるい寝起き特有の声で囁いた。
「………おい。なに人の寝込み襲おうとしてんだ」
「っ……ひ…土方さん…」
「…俺が気付かないでずっと寝たままだとでも思ってんのか……?あ…?」
「ゃ……っ」
まさか寝たフリをしていたとは到底思わず、耳に当たる生暖かい吐息と重低音の掠れた声に嫌でも体が反応してしまう。土方さんは私が耳が弱いのを知っててわざとやっているんだろうけど。まさかこんな所で眠っていた彼のS心に火をつけてしまうなんて思ってもみなくて、でもこのまま組み敷かれてもいいなんて考えちゃう自分も居て。ゾクゾクと背中に走る戦慄に身を捩っていると、土方さんが空いた方の手で反対側の耳も擽るように擦ってくるものだから。……っうう、腹ペコのくせに、起き抜けなのに、どうしてこんな意地悪してくるのっ……
気付けば土方さんの顔は私の首筋にすっぽり埋められていて、香りを嗅ぐようにすん、とそこを鼻先でなぞられた。寝る時用の着流しを肩まではだけさせられ、顕になった肌に唇を寄せられる。っ待って待って、心の準備が!お風呂はたしかに入ったけれども…!そんな内心焦ってる私の事なんてまるで無視するかのように、髪をアップにしていたせいで剥き出しの項を厭らしく彼の指が伝う。ぴくぴくと体を小刻みに跳ねさせる私の真っ赤な頬を包み込むように手のひらが触れ、ぐっと覗き込まれたその青く鋭い瞳に、私は言葉を奪われてしまう。
「………飯作ってくれたのに悪ィな」
「っ…、……ん、 」
「でも今は、………お前が食いてェ」
包み込まれた頬、その親指で私の唇を形に沿って触れる土方さん。そう呟きながら上目遣いで強請るような視線、堪らなく愛おしい。かた、とお盆の上の食器が動く音がしたと同時に、私は覆いかぶさろうとしてくる土方さんの動きに合わせるようにそっと押し倒された。両手は簡単に頭の上でひとつに纏められて、もう片方の手がくいっ…と顎を掴み、彼の唇から妖艶に吐き出された息が私の唇に降り掛かってくる。___キスされる。そう頭で理解するコンマ何秒か前に、ふにっと触れるだけの短い口付けが何度も何度も繰り返された。
「んん……っ、ひじ、 」
「…………ン……っ」
片膝が足の間に割り入れられて、もう身動きなんて取れない状態なのに、そんな拘束が心底嬉しいと思ってしまうのは惚れた弱み以外の何物でもないんだろう。壊れ物に触れるかのように静かに手を押さえつけられているのに。キスが終わると、顎にかかっていた親指は強引に私の唇を割って舌の上に侵入してくる。
「っ…んあ、……ッ……」
「…指突っ込まれて、んな嬉しそうな顔出来るかよ普通」
「……は、……ん……っ」
「……ほら。その小せェ舌でちゃんとしゃぶってみろ」
大好きな恋人に求められたら、そりゃ嬉しい顔も出来るに決まっている。弧を描く土方さんの唇が発した言葉の通り、命令されるがまま、ぐっと押さえつけられていた指を跳ね返すように舌を押し上げて、ぺろりと舐めた。時折逃げ回るように頬の粘膜や、上顎に触れそうになるそれを必死に舌で捕まえようとする。その様子をただ見詰める土方さんの喉もごく、と上下したのがわかって、じわりと胸に熱いものが広がった感覚がした。
「……ふ。堪んねェな……その顔」
「っはぁ……っ」
「……他の隊士共が見たらどう思うだろうな?まあ、万一にも見せるような真似、……俺は絶対にしねェけどよ」
ちゅぽ、と優しく引き抜かれた、私の唾液まみれの土方さんの指。躊躇うことなくそれに自分の舌を伸ばし舐め取った後、満足そうに口角を上げる土方さんの姿。決して弱くない独占欲が見え隠れするような発言に、私の理性は限界を迎えていた。___もう我慢の限界。早く、このまま土方さんにめちゃくちゃにされたい。布団に行く時間すらも惜しいほど、あなたを求めてキリがないの___土方さんの首筋に両腕を回して、蕩けた目で見詰める。声にならない呻き声を喉奥から絞り出した土方さんが、私の下着のフロントホックを外すようにはだけた着物の胸元に手を入れた。
「………名前、 」
スパーン!!!
「トシィィィ!!!!!俺さあ!!!今髪洗おうとしたらテモテ切れちゃったんだよ!!!悪いんだけど何プッシュか恵んでくんない!?!?」
…シャンプーハットを付けた全身びしょ濡れのほぼ全裸の(よかったちゃんとタオル巻いてきてくれました)近藤さんと、嫌でも目が合ってしまう。……組み敷き組み敷かれている私たちの体勢、ちらりと露出した私の肌、そこに手を突っ込む土方さん。全ての状況を理解した近藤さんは、数秒間の沈黙を突き破るよう、お風呂上がりよりも激しい湯気を全身から放ちながら叫んだ。
「きっ……キャァアァァ!!!!ごめんッごべんなざぃっ!!!ごめんマジごめん、ホントノックなしにごめん、邪魔する気はマジでなかったと言うかいやマジでお取り込み中とか夢にも思わなくて、本気だって、ちょっ…トシィ!?!?そんな目を90度近く釣り上げないでッ、待って待ってワザとじゃな……ギャアァァァ!!!」
「……シャンプーは切れる前にストックしておくのが常識だ、オメーは排水溝の泡でも掻き集めて毛繕いでもしとけェ……!!!!」
「あふぅ!!!!イダダダッ、イヤだからゴメンってェェ!!!!」
いやキャアはこっちのセリフ!!!!
ゆらりと立ち上がった土方さんは押し入れの中にしまっていたお風呂セットからヴィラルハスーンのボトルを取り出し、シャンプーとコンディショナーの両方のボトルを近藤さんの急所目掛けてぶん投げていた。見事に狙い通り股間にクリティカルヒットした近藤さんは何とも滑稽にそこを押さえ、身悶えながら号泣している。その様子を唖然と見詰めながら、私は頭の片隅でちょっとだけゴリラを呪った。
でも……ま、いっか。夜は長いし。歩いてきた廊下もビショビショに濡らしたことまでもガミガミ怒られる様子にくすっとこぼれた笑み。はだけた着物を直してギャースギャースと言い合い中の二人の横を通り過ぎるように、もうすっかり冷めてしまった夜食を温めに食堂に向かった。これ食べたら、……ちゃんとさっきの続きしようね土方さん。
完。
((クソ、折角良い雰囲気だったのによ……))
(土方さん!生姜焼きお口にあいましたか?)
(……美味かったよ)
(良かったあ!今後もお部屋に籠る時は私がお作りしますので、何なりとリクエストしてください!)
(じゃあお前で)
(え?)
(惚けてねェで続きだ。…思わぬ邪魔が入ったからな)
(…………っはい♡)
❀
時刻は夜の9時過ぎ。
夕食の片付けを終え仕事が一段落したところ。お風呂にも入ってスッキリしたので、今日は土方さんの丸一日の事務仕事の疲れを癒そうと、こっそり作っておいたお夜食を届けに副長室の前に来ました。朝から食堂にも姿が見えなかったので、恐らく部屋と厠の往復だったのだろう。まともに食事も取らずに没頭するなんて流石仕事の鬼と言ったところだけど、息抜きさせてあげるのも恋人の役目だよね…?
白米とお味噌汁、ほうれん草のお浸しの小鉢に、余っていた豚ロースを生姜焼きにした。もちろんマヨネーズは抜かりなく大容量タイプを丸々一本添えて。大好物との相性ピッタリのメニューを考えるなんて出来た彼女…!いや、自画自賛している場合じゃない。きっとお腹はペコペコで疲れているだろうし、沢山食べさせて癒してあげよう…!
「…土方さーん、 」
「………………」
「………入りますよー?」
襖を軽く三度叩いて、暫く待ってみても応答がない。勝手に入るのも如何なものかと思ったけど、倒れてたりとか何かあったら困るので失礼します。恐る恐る中を開けると、机の上に高く積まれた書類の山。その隣に顔だけを置いて、すやすやと規則正しい寝息を立てて眠る愛おしい姿があった。起こさないようにそっと夜食の乗ったお盆を畳に置いて、土方さんの目の前に腰掛けた。
「……お仕事お疲れ様、土方さん。」
鬼の副長なんて呼ばれてビビり散らかされて、(本人のせいでもあるっちゃあるけど)攘夷浪士からは血も涙もない、冷酷、なんて噂を立てられてるのに。私の目の前と眠っている時はこんなに無防備で、子供みたいな表情を晒しているなんてきっと夢にも思わないだろう。閉じられた目から綺麗に伸びる睫毛、すらっと通ったきれいな鼻。少し開いた薄くて形のいい色っぽい唇を見ていたら、土方さんとのキスを思い出して……っあーダメだ、私ったらまるで変態みたいに煩悩だらけ。そんな考えを打ち消すように首を振り、『起きたら食べてくださいね』と書き置きを残して腰を上げた。
「………っ」
……けど。こんな顔見せられてしまったら、ちょっとやそっと出来心は生まれる訳でして。どきどき鳴る胸を治めるように手を当てて、サラサラストレートな髪の毛に指を通す。土方さんって意外に猫っ毛なんだなあ。ヴィダルハスーンの良い香りがふわっと鼻を抜けると共に、喉奥からん…と静かに声を漏らした彼に余計に心臓が跳ねる。な……何今の声、ちょっとエロいぞ。っていうか私今頃だけどめっちゃオッサンみたいになってない!?みるみる真っ赤に染まる顔、だけど触れたいという欲求はこんなものじゃ満たされる筈もない。ゆっくりゆっくりと頬に近付き震える唇を寄せていく。ほっぺにチューくらいは許されますよね寝てるけど……!
___すると、突然ぱちりと目を覚ました土方さんが、私の手首をいとも簡単に掴み、自らの吐息を吹き掛けるように、私の耳元でいつもより数倍も甘ったるい寝起き特有の声で囁いた。
「………おい。なに人の寝込み襲おうとしてんだ」
「っ……ひ…土方さん…」
「…俺が気付かないでずっと寝たままだとでも思ってんのか……?あ…?」
「ゃ……っ」
まさか寝たフリをしていたとは到底思わず、耳に当たる生暖かい吐息と重低音の掠れた声に嫌でも体が反応してしまう。土方さんは私が耳が弱いのを知っててわざとやっているんだろうけど。まさかこんな所で眠っていた彼のS心に火をつけてしまうなんて思ってもみなくて、でもこのまま組み敷かれてもいいなんて考えちゃう自分も居て。ゾクゾクと背中に走る戦慄に身を捩っていると、土方さんが空いた方の手で反対側の耳も擽るように擦ってくるものだから。……っうう、腹ペコのくせに、起き抜けなのに、どうしてこんな意地悪してくるのっ……
気付けば土方さんの顔は私の首筋にすっぽり埋められていて、香りを嗅ぐようにすん、とそこを鼻先でなぞられた。寝る時用の着流しを肩まではだけさせられ、顕になった肌に唇を寄せられる。っ待って待って、心の準備が!お風呂はたしかに入ったけれども…!そんな内心焦ってる私の事なんてまるで無視するかのように、髪をアップにしていたせいで剥き出しの項を厭らしく彼の指が伝う。ぴくぴくと体を小刻みに跳ねさせる私の真っ赤な頬を包み込むように手のひらが触れ、ぐっと覗き込まれたその青く鋭い瞳に、私は言葉を奪われてしまう。
「………飯作ってくれたのに悪ィな」
「っ…、……ん、 」
「でも今は、………お前が食いてェ」
包み込まれた頬、その親指で私の唇を形に沿って触れる土方さん。そう呟きながら上目遣いで強請るような視線、堪らなく愛おしい。かた、とお盆の上の食器が動く音がしたと同時に、私は覆いかぶさろうとしてくる土方さんの動きに合わせるようにそっと押し倒された。両手は簡単に頭の上でひとつに纏められて、もう片方の手がくいっ…と顎を掴み、彼の唇から妖艶に吐き出された息が私の唇に降り掛かってくる。___キスされる。そう頭で理解するコンマ何秒か前に、ふにっと触れるだけの短い口付けが何度も何度も繰り返された。
「んん……っ、ひじ、 」
「…………ン……っ」
片膝が足の間に割り入れられて、もう身動きなんて取れない状態なのに、そんな拘束が心底嬉しいと思ってしまうのは惚れた弱み以外の何物でもないんだろう。壊れ物に触れるかのように静かに手を押さえつけられているのに。キスが終わると、顎にかかっていた親指は強引に私の唇を割って舌の上に侵入してくる。
「っ…んあ、……ッ……」
「…指突っ込まれて、んな嬉しそうな顔出来るかよ普通」
「……は、……ん……っ」
「……ほら。その小せェ舌でちゃんとしゃぶってみろ」
大好きな恋人に求められたら、そりゃ嬉しい顔も出来るに決まっている。弧を描く土方さんの唇が発した言葉の通り、命令されるがまま、ぐっと押さえつけられていた指を跳ね返すように舌を押し上げて、ぺろりと舐めた。時折逃げ回るように頬の粘膜や、上顎に触れそうになるそれを必死に舌で捕まえようとする。その様子をただ見詰める土方さんの喉もごく、と上下したのがわかって、じわりと胸に熱いものが広がった感覚がした。
「……ふ。堪んねェな……その顔」
「っはぁ……っ」
「……他の隊士共が見たらどう思うだろうな?まあ、万一にも見せるような真似、……俺は絶対にしねェけどよ」
ちゅぽ、と優しく引き抜かれた、私の唾液まみれの土方さんの指。躊躇うことなくそれに自分の舌を伸ばし舐め取った後、満足そうに口角を上げる土方さんの姿。決して弱くない独占欲が見え隠れするような発言に、私の理性は限界を迎えていた。___もう我慢の限界。早く、このまま土方さんにめちゃくちゃにされたい。布団に行く時間すらも惜しいほど、あなたを求めてキリがないの___土方さんの首筋に両腕を回して、蕩けた目で見詰める。声にならない呻き声を喉奥から絞り出した土方さんが、私の下着のフロントホックを外すようにはだけた着物の胸元に手を入れた。
「………名前、 」
スパーン!!!
「トシィィィ!!!!!俺さあ!!!今髪洗おうとしたらテモテ切れちゃったんだよ!!!悪いんだけど何プッシュか恵んでくんない!?!?」
…シャンプーハットを付けた全身びしょ濡れのほぼ全裸の(よかったちゃんとタオル巻いてきてくれました)近藤さんと、嫌でも目が合ってしまう。……組み敷き組み敷かれている私たちの体勢、ちらりと露出した私の肌、そこに手を突っ込む土方さん。全ての状況を理解した近藤さんは、数秒間の沈黙を突き破るよう、お風呂上がりよりも激しい湯気を全身から放ちながら叫んだ。
「きっ……キャァアァァ!!!!ごめんッごべんなざぃっ!!!ごめんマジごめん、ホントノックなしにごめん、邪魔する気はマジでなかったと言うかいやマジでお取り込み中とか夢にも思わなくて、本気だって、ちょっ…トシィ!?!?そんな目を90度近く釣り上げないでッ、待って待ってワザとじゃな……ギャアァァァ!!!」
「……シャンプーは切れる前にストックしておくのが常識だ、オメーは排水溝の泡でも掻き集めて毛繕いでもしとけェ……!!!!」
「あふぅ!!!!イダダダッ、イヤだからゴメンってェェ!!!!」
いやキャアはこっちのセリフ!!!!
ゆらりと立ち上がった土方さんは押し入れの中にしまっていたお風呂セットからヴィラルハスーンのボトルを取り出し、シャンプーとコンディショナーの両方のボトルを近藤さんの急所目掛けてぶん投げていた。見事に狙い通り股間にクリティカルヒットした近藤さんは何とも滑稽にそこを押さえ、身悶えながら号泣している。その様子を唖然と見詰めながら、私は頭の片隅でちょっとだけゴリラを呪った。
でも……ま、いっか。夜は長いし。歩いてきた廊下もビショビショに濡らしたことまでもガミガミ怒られる様子にくすっとこぼれた笑み。はだけた着物を直してギャースギャースと言い合い中の二人の横を通り過ぎるように、もうすっかり冷めてしまった夜食を温めに食堂に向かった。これ食べたら、……ちゃんとさっきの続きしようね土方さん。
完。
((クソ、折角良い雰囲気だったのによ……))
(土方さん!生姜焼きお口にあいましたか?)
(……美味かったよ)
(良かったあ!今後もお部屋に籠る時は私がお作りしますので、何なりとリクエストしてください!)
(じゃあお前で)
(え?)
(惚けてねェで続きだ。…思わぬ邪魔が入ったからな)
(…………っはい♡)