Main Story
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《其ノ拾漆》一番の理解者が牙を剥くと一番おっかない
❀
「いちちちちち…」
「っ……」
色々あり過ぎた私の一日ホステス事件。銀ちゃんは客に襲われそうになった私を庇ってナイフを握り、手に大怪我を負ってしまった。かなりの血の量を見てしまったので、そりゃあ治すのは一筋縄じゃいかないと思っていたけど。___3日経った今でも、良くなる兆候はあまりない。私のせいで負った怪我だから、私が手当したいとこうして毎日万事屋に通って消毒して、包帯を変えているけれど。…傷を見れば見るほど、この手じゃ何をするにも不便だと思う。何度謝っても謝りきれない。
「……銀ちゃんっ、痛い…?ごめんね私のせいで…」
「名前さ、そうやっていつも謝っけど、俺ァ一つも後悔してねェよ?こうやって毎日お前に会う口実もできたし」
されるがまま、私に包帯を巻かれながらもう謝んのは禁止ねーと大人のお兄さん特有の柔らかい微笑みを私に向ける。銀ちゃんは本当に優しい。…私に気負わないようにそうやって気遣ってくれてるんだ。歯医者があんなに嫌いな彼のことだから、本当はこういう傷は痛くてたまらない筈なのに。すん…と俯きながらそんな事を考えていると、包帯を巻き終えた手で優しく顎を持ち上げられ、表情を覗き込まれた。
「あーもう銀さんの前でそーいう顔禁止!!俺は名前の笑った顔が見てェんだよ。…折角こうやって会えてんだからさ、もっと楽しいことしよーぜ」
「銀ちゃん…」
「ほら、いつまでも床に座ってないでこっち来なさい」
「わわ、っ…!!」
ひょい、と軽く脇の下に手が入り持ち上げられた私の体は、銀ちゃんの膝の上に跨るように。そして彼と向かい合うようにセットされた。……は、恥ずかし過ぎるなこの格好。背中に強く回された腕のおかげで鼻と鼻がくっつきそうなくらいお互いの顔の距離はゼロに近い。銀ちゃんはそのまま私の髪や首の匂いを猫みたいにすんすん嗅ぎながら、たまにキスを落としてきたりして。……こんな恋人にするみたいなイチャイチャ、心臓持たない…。
「…っん……ぎん、ちゃん、…」
「……んー?」
「ちょっと……くすぐったいよー…」
「くすぐってェの?」
「……っ!」
ぱっと顔を離して、上目で私を見詰めたイタズラっ子のような破壊力抜群の表情に思わず心臓がどくんと鳴る。…銀ちゃんはいつも私に優しくて、初めて会った時から可愛がってくれて、…増してやウチに来いとまで言ってくれるような、そんな面倒見の良いお兄ちゃんみたいな存在。だけど襲われた時の『俺の女』発言とか、今のこの戯れてくる感じとか…時折見せる「男の人」の顔にドキドキしてしまっているのも事実で。
「……どーしたの名前チャン。そんな真っ赤な顔しちゃってさ」
「…だ、だって…銀ちゃんが急に、 」
「急じゃねーよ。
………手当てして貰ってる時、ずっとこうやって名前にくっつきてぇなって思ってた」
「っ、銀ちゃ」
「…なあ。風呂があーだこーだ言ってたけど、あの奥手の多串くんはいいとしてさ。総一郎クンとちゅーしたってマジ?」
銀ちゃんの私を見る瞳が一気に鋭くなる。…多分彼が言ってるのは、総悟の奴が酔って暴露したあの話のことだと思う。あの時銀ちゃんは総悟の妄想だって言ってたけど…まさか、本当は疑ってたなんて思ってもみなかった。ここはなんて言うのが正解なんだろう。…実際そういう関係にあることは事実だし、私が上手く丸め込まれているせいでずるずる、総悟も私には「二人きりになったらキスしてもいい」みたいなルールを勝手に適用してる気がする。逆にやましい事がないなら、うんしたよ、って答えるのも良いとも思うけど…何かが引っかかる。
「……そ、総悟っていつも突拍子もないこと言うでしょ、?銀ちゃんもあいつの言うことまともに信じてるなんて…」
「……いや。事実なのかどうかが知りてェだけよ俺は。
もし事実なら……俺がもたもたしてる間、沖田クンに先越されたってことになるからね」
「え……?」
彼の膝の上に乗りっぱなしだった私の体は、ソファの上にすとんと下ろされる。代わりに今度は私が銀ちゃんを見上げる形になるように、両手首をソファの背もたれに縫い付けられて、彼の顔がぐっと近付いてくる。……まるで総悟みたいな強引さに身動きが取れなくて。…いつも私に優しくて甘い銀ちゃんのことだから、総悟と同じSの血が流れていることを忘れていた。眉根を寄せて少し怒っているようにも見える銀ちゃんの顔から、まるで引っ張られているように目が離せない
「…なあ名前。沖田クンとはなんでキスできたの?」
「……っ何、で」
「いーやホントだって分かるでしょあの焦りよう見てたら。俺は土方クンのことが好きだって思ってたけど。そうじゃねーの?」
「………!!」
「………ねえ、何で、沖田クンとキスできたと思う?」
銀ちゃんには全て悟られていた。…私の本当の気持ちまで。…冷静に考えてみれば何でだろう。好きな人以外にされたのに嫌じゃなかった…?まさかそんな自分が軽い女みたいな貞操観念があったことに衝撃を隠せない。あの時は土方さんとの冷戦期間で、ちょうどそのタイミングで総悟が私に思いを打ち明けてきて…。拒めなかった。きっと総悟にも心が揺れ動いていたし、きっと今でもそうなんだと思う。…だけどこんな中途半端な気持ち、銀ちゃんには言えるわけない…
「……っ。」
「………そんな顔させる為に聞いたわけじゃねーんだけど」
銀ちゃんの唇が私の右瞼に触れて。…その瞬間に温かい粒がつう…と流れて自身の太ももを濡らした。
目の奥がじんわり熱くなるほど切ないキス。銀ちゃんの気持ちが唇から全身に伝染していくようだった。
唇が離れて彼の力強い腕に強く引き寄せられ、私は銀ちゃんの胸の中で何も考えられずにいた。
「……言っとくけど、いつもの軽いやつじゃねェから。
名前が好きだ。
……もう初めて会った時から惚れちまってる。
お前の隣に居られんなら何番目でもいい。
…誰の身代わりにでもなってやるから、俺を選んで」
喉奥から絞り出すような銀ちゃんの叫び。
私は黙って貴方の背に、腕を回すことしか出来なかった。
この甘い誘惑たちから逃げる術を、誰か教えて。
完。
(…いやんもう俺の意気地無し!!!!口にちゅー出来なかった!!!)
❀
「いちちちちち…」
「っ……」
色々あり過ぎた私の一日ホステス事件。銀ちゃんは客に襲われそうになった私を庇ってナイフを握り、手に大怪我を負ってしまった。かなりの血の量を見てしまったので、そりゃあ治すのは一筋縄じゃいかないと思っていたけど。___3日経った今でも、良くなる兆候はあまりない。私のせいで負った怪我だから、私が手当したいとこうして毎日万事屋に通って消毒して、包帯を変えているけれど。…傷を見れば見るほど、この手じゃ何をするにも不便だと思う。何度謝っても謝りきれない。
「……銀ちゃんっ、痛い…?ごめんね私のせいで…」
「名前さ、そうやっていつも謝っけど、俺ァ一つも後悔してねェよ?こうやって毎日お前に会う口実もできたし」
されるがまま、私に包帯を巻かれながらもう謝んのは禁止ねーと大人のお兄さん特有の柔らかい微笑みを私に向ける。銀ちゃんは本当に優しい。…私に気負わないようにそうやって気遣ってくれてるんだ。歯医者があんなに嫌いな彼のことだから、本当はこういう傷は痛くてたまらない筈なのに。すん…と俯きながらそんな事を考えていると、包帯を巻き終えた手で優しく顎を持ち上げられ、表情を覗き込まれた。
「あーもう銀さんの前でそーいう顔禁止!!俺は名前の笑った顔が見てェんだよ。…折角こうやって会えてんだからさ、もっと楽しいことしよーぜ」
「銀ちゃん…」
「ほら、いつまでも床に座ってないでこっち来なさい」
「わわ、っ…!!」
ひょい、と軽く脇の下に手が入り持ち上げられた私の体は、銀ちゃんの膝の上に跨るように。そして彼と向かい合うようにセットされた。……は、恥ずかし過ぎるなこの格好。背中に強く回された腕のおかげで鼻と鼻がくっつきそうなくらいお互いの顔の距離はゼロに近い。銀ちゃんはそのまま私の髪や首の匂いを猫みたいにすんすん嗅ぎながら、たまにキスを落としてきたりして。……こんな恋人にするみたいなイチャイチャ、心臓持たない…。
「…っん……ぎん、ちゃん、…」
「……んー?」
「ちょっと……くすぐったいよー…」
「くすぐってェの?」
「……っ!」
ぱっと顔を離して、上目で私を見詰めたイタズラっ子のような破壊力抜群の表情に思わず心臓がどくんと鳴る。…銀ちゃんはいつも私に優しくて、初めて会った時から可愛がってくれて、…増してやウチに来いとまで言ってくれるような、そんな面倒見の良いお兄ちゃんみたいな存在。だけど襲われた時の『俺の女』発言とか、今のこの戯れてくる感じとか…時折見せる「男の人」の顔にドキドキしてしまっているのも事実で。
「……どーしたの名前チャン。そんな真っ赤な顔しちゃってさ」
「…だ、だって…銀ちゃんが急に、 」
「急じゃねーよ。
………手当てして貰ってる時、ずっとこうやって名前にくっつきてぇなって思ってた」
「っ、銀ちゃ」
「…なあ。風呂があーだこーだ言ってたけど、あの奥手の多串くんはいいとしてさ。総一郎クンとちゅーしたってマジ?」
銀ちゃんの私を見る瞳が一気に鋭くなる。…多分彼が言ってるのは、総悟の奴が酔って暴露したあの話のことだと思う。あの時銀ちゃんは総悟の妄想だって言ってたけど…まさか、本当は疑ってたなんて思ってもみなかった。ここはなんて言うのが正解なんだろう。…実際そういう関係にあることは事実だし、私が上手く丸め込まれているせいでずるずる、総悟も私には「二人きりになったらキスしてもいい」みたいなルールを勝手に適用してる気がする。逆にやましい事がないなら、うんしたよ、って答えるのも良いとも思うけど…何かが引っかかる。
「……そ、総悟っていつも突拍子もないこと言うでしょ、?銀ちゃんもあいつの言うことまともに信じてるなんて…」
「……いや。事実なのかどうかが知りてェだけよ俺は。
もし事実なら……俺がもたもたしてる間、沖田クンに先越されたってことになるからね」
「え……?」
彼の膝の上に乗りっぱなしだった私の体は、ソファの上にすとんと下ろされる。代わりに今度は私が銀ちゃんを見上げる形になるように、両手首をソファの背もたれに縫い付けられて、彼の顔がぐっと近付いてくる。……まるで総悟みたいな強引さに身動きが取れなくて。…いつも私に優しくて甘い銀ちゃんのことだから、総悟と同じSの血が流れていることを忘れていた。眉根を寄せて少し怒っているようにも見える銀ちゃんの顔から、まるで引っ張られているように目が離せない
「…なあ名前。沖田クンとはなんでキスできたの?」
「……っ何、で」
「いーやホントだって分かるでしょあの焦りよう見てたら。俺は土方クンのことが好きだって思ってたけど。そうじゃねーの?」
「………!!」
「………ねえ、何で、沖田クンとキスできたと思う?」
銀ちゃんには全て悟られていた。…私の本当の気持ちまで。…冷静に考えてみれば何でだろう。好きな人以外にされたのに嫌じゃなかった…?まさかそんな自分が軽い女みたいな貞操観念があったことに衝撃を隠せない。あの時は土方さんとの冷戦期間で、ちょうどそのタイミングで総悟が私に思いを打ち明けてきて…。拒めなかった。きっと総悟にも心が揺れ動いていたし、きっと今でもそうなんだと思う。…だけどこんな中途半端な気持ち、銀ちゃんには言えるわけない…
「……っ。」
「………そんな顔させる為に聞いたわけじゃねーんだけど」
銀ちゃんの唇が私の右瞼に触れて。…その瞬間に温かい粒がつう…と流れて自身の太ももを濡らした。
目の奥がじんわり熱くなるほど切ないキス。銀ちゃんの気持ちが唇から全身に伝染していくようだった。
唇が離れて彼の力強い腕に強く引き寄せられ、私は銀ちゃんの胸の中で何も考えられずにいた。
「……言っとくけど、いつもの軽いやつじゃねェから。
名前が好きだ。
……もう初めて会った時から惚れちまってる。
お前の隣に居られんなら何番目でもいい。
…誰の身代わりにでもなってやるから、俺を選んで」
喉奥から絞り出すような銀ちゃんの叫び。
私は黙って貴方の背に、腕を回すことしか出来なかった。
この甘い誘惑たちから逃げる術を、誰か教えて。
完。
(…いやんもう俺の意気地無し!!!!口にちゅー出来なかった!!!)