短編置き場
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・・・ん?なんだ、もう朝か・・・。今日は確か道場やってねえし、軽くランニングでもしてくるか・・・。
______?なんか視界に黒い毛みてェなのが見えるが・・・。気のせいか・・・?
猫の尻尾みてェだな・・・。てかあれ。部屋がいつもより広いな・・・・。
ン~~~・・・?背伸びして周り見ても俺の部屋だよな・・・。
まだ寝ぼけてンのかも。とりあえず顔洗って・・・・
顔・・・。・・・・あれ?この猫みてェな肉球は・・・・・・。
ふとその時。ガラス窓に反射して俺の姿が見えた。
・・・・が、そこに居たのは紛れもなく黒猫になった俺だった。
「んにゃああああ!!??」(猫ぉおおオオ!!!??)
待て待てッッ。流石に夢だろこれッッ!!?なんで俺猫になってンだよッッ!!?
この時々目に映る尻尾は俺のかッ!?んでこの柔らけえ手足も俺かッッ!!?
・・・・いや。ねェな。んな非現実的な事起こる訳がねェ。
地下闘技場が現実にあンのはまだ納得出来るけどよ、俺が朝起きたら猫だなんてそんな訳あるかって・・・。
もっかい寝るぞ。んで起きたら流石に夢から覚めてるはずだ。
そうして俺は、もう一度ベッドに戻って身体を丸めて寝た。
・・・・・・が。起きても視界は変わんねェし、相変わらず俺は猫のままだし。どうやら夢じゃねえって事らしい・・・。
「にゃおら・・・。」(マジかよ・・・。)
落ち着け。こうなった原因を考えるんだ。なんで猫になってんだ?変なもんでも食ったか俺?
いやいやいや・・・。仮に変なもん食ってもそもそも猫になんてならねェだろ・・・。
腹減ったァ。朝飯・・・ッあ゛ーーー!!!冷蔵庫が開けられねえ!!冷蔵庫に飛び乗る事は出来ても全ッッ然開かねえじゃねえかッ!!
携帯触ろうにもこの手じゃ上手く反応しねェし・・・。つーか誰に連絡すんだ・・・?どこにかけりゃあ良いんだよ・・・。
ここに居ても始まらねえ。てか餓死しちまいそうだからとにかく部屋から出ようとなんとか窓の鍵をジャンプして開けた。
ベランダから伝って外に出る。どうすっかなァ・・・。食いもん調達して・・・俺がこうなった原因を探さねえと・・・。
「あ、ねこさんだ!可愛い~!」
「おいでおいで~!!」
あーもうくそっ!!ガキが鬱陶しいッ!!路上を歩くのは止めだ止め。
この姿で視線を向けられンのは耐えらんねェからひとまず塀の上にのぼる。
猫ってのはこういう人間との関わりが嫌で塀の上にいるのかも知れねえ。
てかこの方が進路も邪魔されねえし楽だからよ。
「・・・・んにゃ~?」
お。こいつ・・・この辺の野良じゃねえか。旨そうな魚持ってんな。
まぁたどこからかっぱらってきたか知らねえが、いっちょ俺が頂いてやるか。
「に゛ゃー!!」
「にゃおらーッ!!」
いつもと違って猫だから体制が上手く取れねえッ!!
でも流石は俺。戦ってるうちに感覚が慣れてきて魚の半分を横取り出来た。
ちょっと腕怪我はしちまったけどまあ舐めてりゃ治るだろ。猫だし。
とりあえず想定外の朝飯でなんとか食い繋いだが・・・。俺がこうなった原因っつったってどこ行きゃいいんだ・・・。
一回家に戻って原因がねェか部屋を荒らしまくったがなんにも見当たらねえ。
散らかった部屋に一人居てもしょうがねえし・・・。どの道このままだとまたさっきみてえに飯にも困る。
あーもうどうしたら良いんだよッ・・・。行く当てもねえしふらふらと歩く。
この姿で神心会に行ってもどうしようもねえよな・・・空手出来ねえし・・・。
_______お?あの後ろ姿・・・・もしかして、ななしじゃねえか・・・!?
「にゃおらァ~ん!」(ななしー!!)
「・・・?わっ・・・可愛い~!!猫ちゃん、どうしたの?」
「にゃおらん!!にゃおらん!!」(ななし、大変だ!!俺猫になっちまった!!)
「なんか話しかけてるみたいだけど・・・お腹すいてるのかな?」
駄目だ、猫の言葉で全然通じてねえッ!!俺がただの黒猫にしか見えてねえ!!
信じてもらうにはどうしたら良いんだ・・・。
「・・・!!猫ちゃん、怪我してるじゃんッ!!痛そう・・・大丈夫?」
んなことよりお前に信じてもらう方が先なんだが。
・・・・・あーっと待てよ・・・?でもこの状況を利用するって手もあんな・・・。
「にゃおらん・・・・。」(いてーよー。)
「ああ、傷口舐めちゃ駄目だって・・・。でも猫ちゃんには分かんないか・・・。
首輪も付いてないし野良猫かな・・・?・・・・ちょっとの間だけ、うち来る・・・?」
「にゃおらん。」(よし、その意気だ。)
「しょうがないなぁ・・・おいで、猫ちゃん。」
よっしゃ。同情作戦は大成功だなッ!!
ななしに抱き抱えられるのは妙な感覚だが、何はともあれこれで飯には困らなさそうだ。
ななしの家に転がり込んだ俺は、早速腕・・・てか前足?に包帯を巻かれる。
んでもってななしが途中買ってきたキャットフードをしょうがなく食う。猫だから味がなんとも言えねえが悪くねえな。
ななしの部屋はちょくちょく泊まってるからあいかわらずで落ち着くぜ・・・。
俺の散らかり放題の部屋よか居心地が良い。あとは元に戻る手がかりだけだな・・・。
「猫ちゃん調子良くなったみたいで良かったぁ・・・。ふふっ、可愛いね♪」
ななしに撫でられると妙な気分になる・・・。なんつーかむず痒い・・・。
普段はお前が寝てる時俺がそれやってんのに、こうして撫でられまくると調子狂うぜ・・・。
「にゃおら。にゃおらーん?」(なあななし。猫になる現象に心当たりってねェか?)
「ん?なぁに?この猫ちゃんよく話しかけてくるけどなんて言ってんだろう・・・。
猫の翻訳機とか売ってないかなー?ある訳ないかー。」
それ!!それで良いんだよ翻訳機!!少しでも俺の言葉が通じりゃあ元に戻れるかも知れねえ!!
・・・・まさかななしは拾った黒猫が俺だとは夢にも思ってねえだろうけどよ。
よく考えてみろ。そうそう話しかけてくる猫なんざいねえっての。
必死になって俺はななしの携帯を取り上げようと身体によじのぼる。
「わぁっ!?何、ふはははっ!!くすぐったいよ~も~!!
触っちゃだ~めっ!!あとで遊んであげるから、いい子しててね?」
くそっ、猫相手では喧嘩で勝てても流石に人間には敵わねえか・・・。
ななしの事引っかく訳にもいかねェし、大人しく抱っこされちまった。
だがななしの携帯には猫の言葉を理解るようになりたいだのなんだのってちゃんと調べてあった。
お前・・・・俺の事理解ってんじゃねえか・・・。ななしの胸で良いように撫でられながら携帯の画面を見つめる。
「・・・あ。猫語無料で翻訳出来るアプリあるじゃん!!猫ちゃん、なんか喋ってみて?」
「にゃおら~ッ!」(ななし、俺だッ!加藤だよッ!猫じゃねえってェッ!!)
「なになに・・・?『貴方の名前を呼んでいます。自分の名前を呼んでほしいそうです。』・・・・だって!
でもまだ飼えるって決まった訳じゃないしー・・・うーん・・・・・。あ、そうだ。
あたしの名前は苗字名無!猫ちゃんはまだ名前決めらんないから・・・・当分猫ちゃんでいっか!!」
良くねええェェ!!!全ッッッ然良くねえよこのポンコツ翻訳ッッ!!
俺はこいつの同期で彼氏の加藤清澄だっつーのー!!!猫じゃねェエエ工!!!
「に゛ゃ~!!!」
「・・・・・・『遊んでくれないから拗ねてます』?そっかァ。野良だから構ってくれる人いなかったんだね・・・。
おいで猫ちゃ~ん!道端で拾ったねこじゃらしだよ~!」
ああもう身体が勝手に動きやがるッッ!!なんか良い運動なって楽しくなってきた気がするッ!!
くそっ、猫の本能に逆らえねえー!!どうしてこんな事になってンだっつーのォー!!!
そっから暫く猫として遊ばれた。楽しかったけど屈辱だぜ・・・元に戻ったらただじゃおかねえからなななし・・・・。
結局俺の言う事も通じねえから今はななしのお気に入りのクッションの上でゆっくりしてる。
「猫ちゃん人懐っこいんだね。あんまり野良って人に近寄らないイメージあったけど、猫ちゃんは人間好きなのかな?」
どこの馬の骨とも知らねェ奴についていかねえよ。お前だから一緒にいんだっつーの。
素性が知れてるといつ俺が人間に戻っても問題ねえし、ななしなら信じそうだしな。猫が人間でも。
どっかで俺だと気付いてくれりゃあ良いんだがな・・・。
とりあえず寝床と飯には困らねえから、ここを拠点に俺は手がかりを探す事にした。
朝から昼はななしが神心会に出かけてる。そのうち俺は自宅に戻ったり近所の猫の様子を伺ったりする。
記憶を辿ってもなんも思い当たらねえし、俺は猫になっても猫の言葉分からねェから喧嘩して帰ってくる日も多いが。
気ままな生活だが所詮猫だ。だんだん四本脚での戦い方を覚えてきたがななしに抱っこされると猫である自覚が湧いてきやがる・・・。
どうにかしねェと・・・。歯がゆい毎日が続いたが、ある日からななしが浮かない顔で帰ってきた。
「・・・・にゃおらん?」(どしたよななし?んな暗い顔して?)
「・・・・・ああ、猫ちゃん?お腹すいたの?ごめんね・・・今ご飯あげるから・・・。」
飯もそうだがどしたんだよ。んな沈んだ顔しやがって。気になんだろ。
「にゃおら」(大丈夫かお前)
「・・・・あたしの事心配してくれてるの?・・・・優しいね。
・・・ちょっと気にかかる事があってさ。猫ちゃんに話しても仕方がないけど・・・。」
そう言って俺の飯を準備したら携帯触ってため息をつく。
お前飯食わねえのかよ?いつもは帰ったら真っ先に飯食うのに。
「・・・・あたしの彼氏。清澄って言うんだけど・・・そいつと最近連絡が取れなくて・・・。」
ギクッッ
「・・・しかもそいつの部屋行ったらさ。スマホも何も置きっぱなしなのに部屋が妙に荒れてて・・・。
ふらっと帰ってくるとは思うけど・・・。やっぱ心配でさ・・・・。」
思わず飯食うの止まっちまったじゃねえか・・・。いや・・・別にやましい事がある訳でもねえし俺のせいでもねえんだが・・・。
部屋が荒れてんのは俺がたま~に証拠探しで漁ってるだけだし。てか今日ななし家行ったのかよ!!窓鍵かけたらもう入れねえんじゃねえか!?
でも俺は今猫だからどうしようも・・・・
「・・・・・・・・。」
おいおいめっちゃしょぼくれてんじゃねえかよ。すげえ罪悪感。俺目の前で飯食ってんのに。
猫になったって説明さえ出来りゃあ良いんだが・・・翻訳機は約に立たねえし・・・。
「・・・・にゃおらん。」(・・・・元気出せよ。俺はここにいるぜ。)
「・・・猫ちゃん・・・。」
ななしの膝によじ登ってじっと見つめる。・・・やっぱり、お前の目にはただの猫にしか見えねえだろうけど・・・。
でも放っておける訳もねェ。俺はお前の彼氏なんだぞ・・・ななし・・・。
「落ち込んでてもしょうがないよね。・・・・ご飯食べよっ。
ほら猫ちゃんも食べて?あとでちゅ~るもあげるから。」
なんとか機嫌は直ったみてェだが、それでもどこか浮かない顔をしてた。
俺の携帯確認してェけど・・・。・・・明日窓が開いてたらの話だな・・・。
んでもって翌日。やっぱり窓に鍵かけられててご丁寧にカーテンも閉められてる。
これじゃあ中に入れねえ・・・。俺の部屋で手がかりを探る手立てがなくなっちまった。
こんな事なら携帯触らねえけどくわえて持ってくるんだったぜ・・・。いつまでも入れるもんと思ってたらこれか・・・。
・・・つーか俺の部屋のもんななしに見せれば俺だと理解ってくれたんじゃ・・・。って今になってんな事考えてどーすんだ俺ッ!!!ああああ!!!!
狭いベランダになんかそれらしいもん落ちてねェかと探したが何もなかった。・・・やっちまった。
俺・・・・このまま猫としてななしと暮らすのか?んなの嫌だが。
空手も出来ねえし。ななしとは飼い主とペットの関係だとォ?冗談じゃねえッッ!!
俺は神心会の加藤だッッ!!こんな理不尽な状況如きじゃ挫けねえからなッッ!!?
「・・・・・・・・。」
・・・・とは言ったものの。俺の決意とは裏腹にななしの表情は日に日に暗くなってった。
励ましてやろうとしてはいるんだがどうにも猫の状態じゃ限界があるらしい。
最近じゃ撫でさせてやる、って寝転がっても反応すらしやがらねえ。
・・・ななしも嫌だろうよ。俺がずっと猫だと。俺も・・・早く人間に戻りてえよ・・・。
寝る前。ななしに呼ばれてベッドに潜りこむと、俺を撫でながらぽつぽつと寂しそうに呟いた。
「・・・・・清澄がさ。少し前に、あたしの前から姿を消した事があったの・・・。
その時は裏社会に行ってて・・・そこで腕を磨いてるようだったけど・・・。三年ぐらい帰ってこなくてさ・・・。
それでもあたしはあいつの事待ってたし。あいつの事信じてた。でも・・・・居なくなるのはやっぱ、寂しかったな・・・。」
ああ・・・あん時な。待たせちまったのは悪ィと思ってる。帰ってきたらこっぴどく泣かれたし大変だったな・・・。
でも俺はななしだから待っててくれると思ったのもあるんだぜ?他の男とくっついてる可能性も無ェ訳じゃなかったが・・・それでも信じてたからよ・・・。
同期がそんな簡単に離れるなんざ俺には考えられなかった。俺は・・・だからななしの傍に帰ってきたんだ。
「だからね・・・・今回もまたふらっとどっか行ってるだけだよきっと・・・。
・・・・そう思いたいけど・・・・。・・・・何か厄介事に巻き込まれたんじゃないかとか・・・また暫く、会えなくなるのかな・・・とか・・・。」
本当俺だって困ってんだ。傍にいるのに。触れんのに。こんなに近くで泣きそうなお前を見てるだけしか出来ねえなんて。
俺はここだって。気付いてくれ。そう言いてえけど言えねえから、頬に手をやる。
「猫ちゃん・・・・っ・・・・。あたし、逢いたいよっ・・・・。清澄に、猫ちゃんの事話したいよっ・・・・。
清澄ッ・・・帰ってきて・・・・。お願いっ・・・!!」
いよいよ俺を抱きしめてすんすん泣きだしちまった。何も出来ねえって、辛ェ。こんなに・・・惚れた奴が泣いてんのによ・・・。
いたたまれねェ俺は、抱き締める腕の隙間を縫って泣いてるななしの顔を見る。
ごめんな。ななし。寂しい思いさせて。俺はもうどこにも行かねえからよ。
約束すっから・・・今は泣くのやめてくれねえか・・・?
そう思いながら、ぺろっとななしの唇を舐めた。
『 ぼんっ 』
「・・・・?」
「・・・・へ?」
なんだ?急に視界がでかく・・・・。
人間の手・・・・俺、人間に戻って・・・。
気がついたら全裸でななしを押し倒した形だった。
「清・・・澄・・・・?
・・・・・・・・ええぇええ!!???何その耳ッッ!!??てか尻尾!!??」
「は・・・?尻尾・・・?
Σはあぁああ!!??なんでまた尻尾あんだよッッ!!?てかなんだこの猫耳ッッ!!??
俺人間に戻ったんじゃねェのかよォォオオーーーーー!!!!」
_______・・・・・。
・・・天井・・・・。・・・・俺の部屋だ。
・・・・手・・・ちゃんとあんな。頭触っても耳ついてねえ。
・・・・・・・・・夢かッッ。ようやく長ェ夢から覚めたんだなッッ!?
「はぁ・・・・・・・ったく。とんでもねえ夢だったな・・・・・。」
「うう・・・・変な夢見たァ・・・。」
隣りのななしを見ると、こいつも妙な夢みてたらしく俺の反対方向向いて頭抱えてやがる。
俺の部屋も漁られてねえ。当たり前だがケツに尻尾も付いてねえ。
良かったッ・・・・夢で本ッッッ当に良かった・・・!!!
確か今日は道場休みだ。ゆっくりしてられっから悪夢から醒めた事にもう少し安心するぜ・・・。
「なんか・・・清澄に似た猫飼おうとしてて・・・。でもその猫がマジで清澄で・・・。
う~んなんだったっけ・・・?黒猫の・・・・耳生えたあいつが・・・えーっと・・・・。」
「・・・お前・・・・。」
オイオイオイ。まさか、同じ夢見てたとか?んな事実際あんのかよ?
・・・・・・まあ。俺が突然猫になる確率よか、ある気がするけどな。
「にゃ~おッ」
「うわッ!?びっくりした、何ッ!?」
「・・・面白え夢見てたみたいだな?俺にも聞かせてくれよ?」
蹲ってるななしを後ろから抱き寄せる。こいつが本当に同じ夢の中だったか確かめねえとな。
・・・・俺はもう、どこにも行かねえよ。だからお前の気持ちを・・・・その口から聞かせろよ?ななし?
Fin