目をうっすらと開けると眩しかった

朝？任務はあったっけ？


ぼんやりとする意識がから、徐々に記憶が蘇ってきた

そうだ、思い出した

私は自分の暴走を止められなかったんだ



だいぶ頭がはっきりしてきたところで、今、自分が置かれている状況を確認した

眩しいと感じたのは太陽光ではなく照明で、部屋は全体的に白く、何度か見たことのある光景だった

そして私はベッドで寝ていて、腕には点滴が繋がっていた


私、生き…てる……？


ポタ、ポタ、と点滴が落ちる音しかしない中、スーッと静かに一筋の涙が零れた


私、生きてる


年に一度、数日間かけて訪れる、暴走する原因であるあの黒い影の気配もない

むしろ、今までより心は清々しい

目が覚めてからどのくらい経ったか分からない

ほんの数分かもしれないし、もう何十分も経ってるかもしれない

だけど、私は１人この部屋で生の喜びを噛み締めていた


ふいに誰かが入ってきた




「あら、エルザちゃん？まぁ～よかったわ！目が覚めたのね！」

「ルッ、ス……げほごほっ」

「無理して喋らなくていいわよ、大人しくしてなさい。あなた１週間近く昏睡状態で、体もボロボロなんだから」




……１週間も眠っていたのか

そういえば、お腹空いてるかも




「きっと喉も渇いてるし、お腹もすいてるでしょう？何か胃に優しいものでも持ってくるわ。ついでにみんなにエルザちゃんが起きたことも伝えとくわね」




ルッスーリアが出ていき、再び１人になった

そのとき、頭の中でかすかに聞こえた


お前は愛されている、と