闇の中の光 まとめ読み
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
車内ではひたすら無言だった
ベルは起きているのか寝ているのかよく分からなかった
(前髪で目が隠れているから尚更だ)
とりあえず、静かで何よりだ
ほどなくして車が山道を入る手前で止まった
「ベルフェゴール様、エルザ様、到着いたしました。ここからはご自身の足でお願い致します」
「ん」
あ、起きてたんだ
それとも今起きたのかな?
「帰りはどういたしましょう」
「終わったら連絡すっから、そんときは全速力で屋敷の前に来い」
「了解いたしました。それではお気をつけて」
私たちが降りたら、車は来た道を折り返していった
こんな山の前に車が停めてあったら不自然だろうし、当たり前の行動だ
街の中でドライブでもして時間を潰すのかな?
どうであれ、こっちの任務が終わったらすぐに来ないといけないからあまり遠くには行けないだろう
遅かったらベルに何されるか分からないしね
さて、と
人の行動を観察している場合じゃない
標的の本拠地に奇襲をかけないと
でもこの山道、雨が降ったらしくひどくぬかるんでいる
跡を残すわけにもいかないから、屋敷に行くにはあの方法しかないか
私は助走をつけて近くの木に跳び移った
踏み切ったのはコンクリートから土に変わるギリギリのところ
「じゃ、お先に」
ベルをちらりと見て、私は坂道の先にある屋敷を目指した
どうせ後から追って来て、軽く私を追い抜かして行くんだろう
……ほら、来た来た
物音を立てさせないのは流石ね
きちんと気配も消している
それは私もだけど
気が付いたら隣に並んでいた
先々行っちゃうのかと思ったのに
再びさっきの車内のような沈黙が走った
しばらくして沈黙を破ったのはベルだった
「お、あれじゃね?」
森の奥を見ると立派な屋敷があった
おそらく、立派なのは屋敷だけで、人材はそれほどでもないんだろう
もう少し進んだところでベルが止まった
それに合わせて私も一時停止した
「人数だけのカスばっか、ってボスが言ってた」
「私も言われた。人数はゴミみたいに多いけど実力はカスばかり、ってね」
「2人で協力することもねーか」
「うん、そっちの方がかえって危険だと思う」
「そんじゃあ別々に暴れようぜ。あの屋敷見た感じシンメトリーだし、オレが向かって左、エルザが向かって右のぴったり半分ずつでどーよ?」
「決まりね」
役割分担が決まったのとほぼ同時にベルが動き始めた
つられて私も動く
再び止まったのは屋敷の門の前
任務開始時間の予定は0時ジャスト
まだ時間がある
ピンと張った空気の中、やはり沈黙を壊したのはまたベルだった
「そろそろカウントとるぜ。10、9、8……」
ていうかベル、腕時計とかしてないよね?
……あれ?何でカウントできるの?
もしかしたらでたらめ?
それとも王子だから?
いや、でも王子関係ないし
「4、3、2……」
任務開始2秒前にしてある映像が頭で再生された
真っ暗で、どこかから並々ならぬ気配が漂ってくる
そんな映像だった
「0」
しまった、「1」を聞き逃した
私は一瞬遅れてベルと共に奇襲をかけた
2人の分岐点は、庭の真ん中にあるあの噴水になるだろうな
こんな立派な屋敷を建てる金、を作る暇があるくらいなら、弱小からせめて中小くらいに格上げできるようにすればよかったのに
ここのボスはどうやら頭が弱いらしい
セキュリティを掻い潜り、噴水に到達した
屋敷に無事侵入できた後は生き延びるのみ
屋敷はというと、電気が所々着いている
起きている人がまだ少しいる証拠
でも裏を返せば、寝ているもしくは任務でここにいない人が多いということだ
「じゃあまた後で」
「報告書書くのめんどいから死ぬなよ」
「私に押し付ける気?」
私はベルの返事を聞けないまま別れた
絶対押し付ける気だ!
……いつものことだし、まいっか
私の担当は向かって右側、方角的には東側か
まず先に侵入口を見つけないと
防犯カメラに見つからないように侵入できそうな所を探した
屋敷を半周して、しばらく考える
あの1階の窓を蹴破って、下から攻めていこうかな
そう思ったとき、警報器が鳴り響いた
たくさんの足音が向こうへ向かっていく
ベルの仕業かな?
よし、私も仕事しますか
私は例の窓を蹴破った
ベルは起きているのか寝ているのかよく分からなかった
(前髪で目が隠れているから尚更だ)
とりあえず、静かで何よりだ
ほどなくして車が山道を入る手前で止まった
「ベルフェゴール様、エルザ様、到着いたしました。ここからはご自身の足でお願い致します」
「ん」
あ、起きてたんだ
それとも今起きたのかな?
「帰りはどういたしましょう」
「終わったら連絡すっから、そんときは全速力で屋敷の前に来い」
「了解いたしました。それではお気をつけて」
私たちが降りたら、車は来た道を折り返していった
こんな山の前に車が停めてあったら不自然だろうし、当たり前の行動だ
街の中でドライブでもして時間を潰すのかな?
どうであれ、こっちの任務が終わったらすぐに来ないといけないからあまり遠くには行けないだろう
遅かったらベルに何されるか分からないしね
さて、と
人の行動を観察している場合じゃない
標的の本拠地に奇襲をかけないと
でもこの山道、雨が降ったらしくひどくぬかるんでいる
跡を残すわけにもいかないから、屋敷に行くにはあの方法しかないか
私は助走をつけて近くの木に跳び移った
踏み切ったのはコンクリートから土に変わるギリギリのところ
「じゃ、お先に」
ベルをちらりと見て、私は坂道の先にある屋敷を目指した
どうせ後から追って来て、軽く私を追い抜かして行くんだろう
……ほら、来た来た
物音を立てさせないのは流石ね
きちんと気配も消している
それは私もだけど
気が付いたら隣に並んでいた
先々行っちゃうのかと思ったのに
再びさっきの車内のような沈黙が走った
しばらくして沈黙を破ったのはベルだった
「お、あれじゃね?」
森の奥を見ると立派な屋敷があった
おそらく、立派なのは屋敷だけで、人材はそれほどでもないんだろう
もう少し進んだところでベルが止まった
それに合わせて私も一時停止した
「人数だけのカスばっか、ってボスが言ってた」
「私も言われた。人数はゴミみたいに多いけど実力はカスばかり、ってね」
「2人で協力することもねーか」
「うん、そっちの方がかえって危険だと思う」
「そんじゃあ別々に暴れようぜ。あの屋敷見た感じシンメトリーだし、オレが向かって左、エルザが向かって右のぴったり半分ずつでどーよ?」
「決まりね」
役割分担が決まったのとほぼ同時にベルが動き始めた
つられて私も動く
再び止まったのは屋敷の門の前
任務開始時間の予定は0時ジャスト
まだ時間がある
ピンと張った空気の中、やはり沈黙を壊したのはまたベルだった
「そろそろカウントとるぜ。10、9、8……」
ていうかベル、腕時計とかしてないよね?
……あれ?何でカウントできるの?
もしかしたらでたらめ?
それとも王子だから?
いや、でも王子関係ないし
「4、3、2……」
任務開始2秒前にしてある映像が頭で再生された
真っ暗で、どこかから並々ならぬ気配が漂ってくる
そんな映像だった
「0」
しまった、「1」を聞き逃した
私は一瞬遅れてベルと共に奇襲をかけた
2人の分岐点は、庭の真ん中にあるあの噴水になるだろうな
こんな立派な屋敷を建てる金、を作る暇があるくらいなら、弱小からせめて中小くらいに格上げできるようにすればよかったのに
ここのボスはどうやら頭が弱いらしい
セキュリティを掻い潜り、噴水に到達した
屋敷に無事侵入できた後は生き延びるのみ
屋敷はというと、電気が所々着いている
起きている人がまだ少しいる証拠
でも裏を返せば、寝ているもしくは任務でここにいない人が多いということだ
「じゃあまた後で」
「報告書書くのめんどいから死ぬなよ」
「私に押し付ける気?」
私はベルの返事を聞けないまま別れた
絶対押し付ける気だ!
……いつものことだし、まいっか
私の担当は向かって右側、方角的には東側か
まず先に侵入口を見つけないと
防犯カメラに見つからないように侵入できそうな所を探した
屋敷を半周して、しばらく考える
あの1階の窓を蹴破って、下から攻めていこうかな
そう思ったとき、警報器が鳴り響いた
たくさんの足音が向こうへ向かっていく
ベルの仕業かな?
よし、私も仕事しますか
私は例の窓を蹴破った