闇の中の光 まとめ読み
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歩きながらリンゴを平らげ、3つの芯はゴミ箱に捨てた
あとは花を買って真の目的地に行くだけだ
この町の花屋はどこだ?
すうっと大きく息を吸った
鼻を通ったのは花の香りではなく特有の臭さを持つ排気ガスだった
昔は車なんてほとんど通っていなかったのに、10年の月日は町をこんなにも変えてしまう
ふと空を見上げた
ここの空も、いずれはもっと小さくなっていくのだろうか
別にこの町には何の思い入れもないからどうでもいいけど
そんなことより、日が暮れる前に花屋を見つけなきゃ
……こんなことのために使うのは不本意だけど、まいっか
━能力発動 緑
空気よ、下らないことで悪いけど、フラワーショップの場所を教えてくれ
心の中で念じたら、追い風が私の背中にぶつかった
このまま真っ直ぐ行けばいいのか
風の指示に従ってしばらく歩くと、お目当ての花屋が視界に入った
━能力解除
教えてくれてありがとう
心の中でひっそりとお礼を言うと、心地よい風が吹いた
花屋へと足を進めて行くと、自動ドアが開いてくれた
店内はゆったりした空間が広がっていた
それに、中々広い
この規模なら大丈夫だろうとは思うけど、なるべくたくさんありますように
半ば祈りつつ、近くにいた店員さんに話しかけた
「すみません、この店にあるラベンダー全てください」
「かしこまりました、ラベンダーを全てですね。……え?全部?それって、本気で言ってるの?」
「もちろんです。お金はいくらでもあります」
「しょ、少々お待ちください」
そう言ってその店員は店の奥に行ってしまった
しばらくすると奥の扉が開いた
フラワーショップに似つかわしい大柄の髭男が現れた
もしかして、あれが店長だったりするの?
へー、意外
人は見掛けによらないもんだね
あれ?なんだか凄い形相でこっちに来る
「お客さん」
「何でしょうか」
普通の客ならビビってしまうようなこの体格、表情
けど、ヴァリアーにはもっと凄い人がいるから別になんともない
「全部は勘弁してくれ!」
……はい?
彼がいきなり目の前に立ちはだかっと思ったら、上半身を90度に曲げた
彼が言うには、一気に花が店からなくなるとマズいらしい
仕入れも大変だし、他の客たちも困るだろうからという理由だった
見た目はこんなだけど、中身はきっと花が大好きな、心優しい人なんだろうなぁ
「じゃあ、全部じゃなくてもいいですから多めに包んでください。あ、包装は簡単なものでいいです」
「助かります!時間がかかるので少々お待ちください」
彼はもう一度ペコリとお辞儀をして、さっきの店員を連れ、行ってしまった
20分ほど待つと、両手でギリギリ持てるほどのラベンダーの花束がやって来た
本当に多い、量を考えればよかった
これじゃあ目立って目立って仕方ない
もっとも、人目につく前に、自分が素早く動けばいいだけの話だけど
この町から目的地まで……およそ30分前後といったところかな?
この町から出さえすれば、建物らしい建物(障害物)もないし余裕だ
私はラベンダーを受け取って花屋をあとにし、この町を出た
あとは花を買って真の目的地に行くだけだ
この町の花屋はどこだ?
すうっと大きく息を吸った
鼻を通ったのは花の香りではなく特有の臭さを持つ排気ガスだった
昔は車なんてほとんど通っていなかったのに、10年の月日は町をこんなにも変えてしまう
ふと空を見上げた
ここの空も、いずれはもっと小さくなっていくのだろうか
別にこの町には何の思い入れもないからどうでもいいけど
そんなことより、日が暮れる前に花屋を見つけなきゃ
……こんなことのために使うのは不本意だけど、まいっか
━能力発動 緑
空気よ、下らないことで悪いけど、フラワーショップの場所を教えてくれ
心の中で念じたら、追い風が私の背中にぶつかった
このまま真っ直ぐ行けばいいのか
風の指示に従ってしばらく歩くと、お目当ての花屋が視界に入った
━能力解除
教えてくれてありがとう
心の中でひっそりとお礼を言うと、心地よい風が吹いた
花屋へと足を進めて行くと、自動ドアが開いてくれた
店内はゆったりした空間が広がっていた
それに、中々広い
この規模なら大丈夫だろうとは思うけど、なるべくたくさんありますように
半ば祈りつつ、近くにいた店員さんに話しかけた
「すみません、この店にあるラベンダー全てください」
「かしこまりました、ラベンダーを全てですね。……え?全部?それって、本気で言ってるの?」
「もちろんです。お金はいくらでもあります」
「しょ、少々お待ちください」
そう言ってその店員は店の奥に行ってしまった
しばらくすると奥の扉が開いた
フラワーショップに似つかわしい大柄の髭男が現れた
もしかして、あれが店長だったりするの?
へー、意外
人は見掛けによらないもんだね
あれ?なんだか凄い形相でこっちに来る
「お客さん」
「何でしょうか」
普通の客ならビビってしまうようなこの体格、表情
けど、ヴァリアーにはもっと凄い人がいるから別になんともない
「全部は勘弁してくれ!」
……はい?
彼がいきなり目の前に立ちはだかっと思ったら、上半身を90度に曲げた
彼が言うには、一気に花が店からなくなるとマズいらしい
仕入れも大変だし、他の客たちも困るだろうからという理由だった
見た目はこんなだけど、中身はきっと花が大好きな、心優しい人なんだろうなぁ
「じゃあ、全部じゃなくてもいいですから多めに包んでください。あ、包装は簡単なものでいいです」
「助かります!時間がかかるので少々お待ちください」
彼はもう一度ペコリとお辞儀をして、さっきの店員を連れ、行ってしまった
20分ほど待つと、両手でギリギリ持てるほどのラベンダーの花束がやって来た
本当に多い、量を考えればよかった
これじゃあ目立って目立って仕方ない
もっとも、人目につく前に、自分が素早く動けばいいだけの話だけど
この町から目的地まで……およそ30分前後といったところかな?
この町から出さえすれば、建物らしい建物(障害物)もないし余裕だ
私はラベンダーを受け取って花屋をあとにし、この町を出た