闇の中の光 まとめ読み
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ボス、失礼します」
ノックをしても、いつものことながら返事はなかった
返事くらいすればいいのに
ベル曰く、沈黙こそが肯定の返事らしいけど
気難しい人というか面倒くさい人というか……
私はそうっと扉を開けた
「遅ぇ」
人を呼びつけておいて第一声がそれですか
もう慣れっこだけど
そういえば、いつもと何かが違う
何だろうこの違和感は
「てめえの能力でこの炎を操ってみろ」
あ、机に蝋燭が置いてあるのか
とりあえずボスの言う通りにしよう
━能力発動 赤
炎よ、激しく燃えろ
そう念じたと同時に蝋燭の炎が勢いを増した
赤は火を操る能力
さらに力が湧いてきて攻撃力も上がるという特性つきだ
「分かったもういい。次はこいつだ」
すると、ボスの手からコオオォと炎が発せられた
何これ手品?
不思議に思いながら私はさっきと同じ要領で念じてみた
しかしその炎は動かない
そんなはずはない
気を取り直してもう1度命令した
やはり動かない
こんなこと初めてだ
━能力解除
「あの、一体……?」
「用はこれだけだ。もう行っていい。(死ぬ気の炎は動かせない、か)」
私は訳の分からぬまま外へ出た
ボスは何がしたかったんだ?
まあ考えたところでボスの思惑なんて分からないから無駄だけど
さて、図書館に戻るとするか
そう思った矢先、たまたま廊下を通りかかったベルが慌ててこっちへ寄ってきた
何やら焦っているようだ
「エルザ!ちょうど良かった。ちょっと付き合え」
「え。よく分からないけど無理」
「無理、じゃねーよ。ルッスーリアから逃げる口実作りに付き合って言ってんの」
よく耳を澄ませてみればどこからか『ベルちゃ~ん、この服着てみてよー』というルッスーリアの声が聞こえてきた
なるほど、着せ替え人形にされるのから逃げてきか
ナイフでも投げて撃退すればいいものを
私の自室から図書館に行くまでの慎重さが台無しだ
あの抜き足差し足忍び足は本当に無意味なものだった
「げっ、もう来た。行くぞ」
行くって……どこに行くつもりなんだろう
なんか、とばっちりをくらいそうな予感がする
あぁ、図書館で適当に手に取った未読のあの本が今になって気になり始めた
私はベルに手を引っ張られ、半強制的に晴れた空の下へ駆り出された
ノックをしても、いつものことながら返事はなかった
返事くらいすればいいのに
ベル曰く、沈黙こそが肯定の返事らしいけど
気難しい人というか面倒くさい人というか……
私はそうっと扉を開けた
「遅ぇ」
人を呼びつけておいて第一声がそれですか
もう慣れっこだけど
そういえば、いつもと何かが違う
何だろうこの違和感は
「てめえの能力でこの炎を操ってみろ」
あ、机に蝋燭が置いてあるのか
とりあえずボスの言う通りにしよう
━能力発動 赤
炎よ、激しく燃えろ
そう念じたと同時に蝋燭の炎が勢いを増した
赤は火を操る能力
さらに力が湧いてきて攻撃力も上がるという特性つきだ
「分かったもういい。次はこいつだ」
すると、ボスの手からコオオォと炎が発せられた
何これ手品?
不思議に思いながら私はさっきと同じ要領で念じてみた
しかしその炎は動かない
そんなはずはない
気を取り直してもう1度命令した
やはり動かない
こんなこと初めてだ
━能力解除
「あの、一体……?」
「用はこれだけだ。もう行っていい。(死ぬ気の炎は動かせない、か)」
私は訳の分からぬまま外へ出た
ボスは何がしたかったんだ?
まあ考えたところでボスの思惑なんて分からないから無駄だけど
さて、図書館に戻るとするか
そう思った矢先、たまたま廊下を通りかかったベルが慌ててこっちへ寄ってきた
何やら焦っているようだ
「エルザ!ちょうど良かった。ちょっと付き合え」
「え。よく分からないけど無理」
「無理、じゃねーよ。ルッスーリアから逃げる口実作りに付き合って言ってんの」
よく耳を澄ませてみればどこからか『ベルちゃ~ん、この服着てみてよー』というルッスーリアの声が聞こえてきた
なるほど、着せ替え人形にされるのから逃げてきか
ナイフでも投げて撃退すればいいものを
私の自室から図書館に行くまでの慎重さが台無しだ
あの抜き足差し足忍び足は本当に無意味なものだった
「げっ、もう来た。行くぞ」
行くって……どこに行くつもりなんだろう
なんか、とばっちりをくらいそうな予感がする
あぁ、図書館で適当に手に取った未読のあの本が今になって気になり始めた
私はベルに手を引っ張られ、半強制的に晴れた空の下へ駆り出された