何故私がベルが寝ている部屋の外の木で休息をとっているのか

その理由は数時間前に遡る


ベルと私で任務のためにこの町へやって来た

そこがまたド田舎な場所だからベルが文句をたらたら並べるわけで

ひとまず宿で一休みしようということで行ってみると、そこは予想を裏切らない小ささだった

ヴァリアーで贅沢な生活を送って、尚且つプライドの高いベルが一気に不機嫌になるのも仕方ない


そんな中、問題が起きた




「どういうことだよスクアーロ」

『だから手違いだっつってんだろぉ』

「こんな時代遅れな町じゃオレのカード使えねえんだよ。エルザも金持ってねえし」

『どうにかしやがれぇ。じゃあ切るからな』




予約されていた宿の部屋数がなんと１つだけだったのだ

しかもベルが言った通り、カードが対応しておらず使えないのだ


私は無一文だしなす術がない


ベルが文句を言うためスクアーロに電話をかけるものの、すぐに切られてしまった


ただでさえ狭い部屋で２人で過ごすなどベルには耐えられないことだ

そこで冒頭に戻る

元々部屋で寝るのがあまり好きではない私が外で寝ることを名乗り出たのだ


空にはもうすっかり月と星が輝いている

さて、私も明日から始まる任務に備えて休もう

田舎独特の心地よい風と空気が最高の子守唄を奏で、私を眠りに誘う


いい夢を見れる

なんとなくそんな気がする

眠るこの瞬間だけは血生臭いことを忘れることができる

私はすぐに夢の世界に意識を飛ばした