闇の中の光 まとめ読み
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満月に近かった月は隠れ、太陽が顔を出した
私は朝ご飯の準備を手伝った
といっても一緒に食料を捕ってくるだけだが
「エルザって魚捕れる?」
「捕れま……捕れるよ」
「じゃあお願いしていいかな。私は山で何か採ってくるから」
川までは一緒に行って、その後は別行動というわけだ
並んで歩いていると、お母さんがある1本の木の前で止まった
何だろうと思い根元に目をやると、そこだけ土が盛り上がっていた
「あの子たちね、ここに宝物を埋めてるらしいのよ」
そういえばそんなこともしていた気がする
すっかり忘れていた
「秘密らしいんだけどバレバレね。……私の宝物はライトとローズよ。英語で光とバラっていう意味なの」
「そうなんだ」
「そう。光のように明るく眩しい子、バラのように艶やかで可愛らしい子になるように名付けたの」
お喋りはここまでにして朝ご飯の食料を捕(採)ろう、この言葉で2人は別行動に移った
順調に魚をかごの中に入れながら名前の由来を思い返した
光とバラ、か
そのバラは自身の棘で光と自分の親を刺すことにだろう
謝っても謝っても償いきれない
そんなことを考えつつ、魚を6匹捕まえたところで目の前が真っ暗になった
ここにやって来たときと同じ現象だ
ふわりと宙に浮いたような感覚の後、見慣れた景色が目に写った
「ここは、ヴァリアーの、アジト……?」
「ししし、やーっと元に戻った」
「ベル……」
ベルだけじゃない
ルッスーリアもスクアーロもレヴィもいる
何だか安心した
やっぱり私の居場所はここだ
っとと、こんなことを考えてる場合じゃない
私はある人物を探した
その人物は呑気にレモネードを飲んでいた
つかつかと机に向かって歩いた
「ム、もう元に戻ったのかい」
「本当なら一発殴ってるところだけど……」
私は作った握りこぶしをふっと緩めた
「ありがとう」
みんな唖然としてるだろうな
マーモンの実験台にされてありがとうと言うのはいささかおかしな話だ
でも、このタイミングで過去に戻れて本当に良かった
もし戻らなかったらお兄ちゃんは雷で死んでいた
これは偶然なのか必然なのかは分からない
神なんて信じていないけど、運命の神様のいたずらといったところかな
不本意だけどマーモンに感謝だね
「感謝されるということは何かいいことがあったんだね。というわけでAランク報酬の……」
「それとこれとは話が別よ」
あーあ、台無しだよ
でもこれから生きていくのにほんの少しだけ迷いがなくなった気がする
今この瞬間は、私は生まれてきてもよかったんだと思える
別れるときにお母さんとお兄ちゃんにありがとうと言えなかったのが心残りだけど、満足だ
さて、部屋に帰って昨日の任務の報告書でも書くとするか
私は朝ご飯の準備を手伝った
といっても一緒に食料を捕ってくるだけだが
「エルザって魚捕れる?」
「捕れま……捕れるよ」
「じゃあお願いしていいかな。私は山で何か採ってくるから」
川までは一緒に行って、その後は別行動というわけだ
並んで歩いていると、お母さんがある1本の木の前で止まった
何だろうと思い根元に目をやると、そこだけ土が盛り上がっていた
「あの子たちね、ここに宝物を埋めてるらしいのよ」
そういえばそんなこともしていた気がする
すっかり忘れていた
「秘密らしいんだけどバレバレね。……私の宝物はライトとローズよ。英語で光とバラっていう意味なの」
「そうなんだ」
「そう。光のように明るく眩しい子、バラのように艶やかで可愛らしい子になるように名付けたの」
お喋りはここまでにして朝ご飯の食料を捕(採)ろう、この言葉で2人は別行動に移った
順調に魚をかごの中に入れながら名前の由来を思い返した
光とバラ、か
そのバラは自身の棘で光と自分の親を刺すことにだろう
謝っても謝っても償いきれない
そんなことを考えつつ、魚を6匹捕まえたところで目の前が真っ暗になった
ここにやって来たときと同じ現象だ
ふわりと宙に浮いたような感覚の後、見慣れた景色が目に写った
「ここは、ヴァリアーの、アジト……?」
「ししし、やーっと元に戻った」
「ベル……」
ベルだけじゃない
ルッスーリアもスクアーロもレヴィもいる
何だか安心した
やっぱり私の居場所はここだ
っとと、こんなことを考えてる場合じゃない
私はある人物を探した
その人物は呑気にレモネードを飲んでいた
つかつかと机に向かって歩いた
「ム、もう元に戻ったのかい」
「本当なら一発殴ってるところだけど……」
私は作った握りこぶしをふっと緩めた
「ありがとう」
みんな唖然としてるだろうな
マーモンの実験台にされてありがとうと言うのはいささかおかしな話だ
でも、このタイミングで過去に戻れて本当に良かった
もし戻らなかったらお兄ちゃんは雷で死んでいた
これは偶然なのか必然なのかは分からない
神なんて信じていないけど、運命の神様のいたずらといったところかな
不本意だけどマーモンに感謝だね
「感謝されるということは何かいいことがあったんだね。というわけでAランク報酬の……」
「それとこれとは話が別よ」
あーあ、台無しだよ
でもこれから生きていくのにほんの少しだけ迷いがなくなった気がする
今この瞬間は、私は生まれてきてもよかったんだと思える
別れるときにお母さんとお兄ちゃんにありがとうと言えなかったのが心残りだけど、満足だ
さて、部屋に帰って昨日の任務の報告書でも書くとするか