闇の中の光 まとめ読み
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森から抜け出して村に続く橋を渡った
橋の下を流れる川や空気が澄んでいて清々しい
懐かしさのあまりキョロキョロと村の様子を見ていたら家に着いた
「どうぞ我が家へ」
「お邪魔しま……」
「おかえり、おかーさん!あれ、その人だーれ?」
「紹介するわ。ライトっていうのよ。ローズのお兄ちゃんなの。ライト、この人は今日遊びに来たエルザよ」
「ふーん……。ローズは?」
「もうすぐ帰って来るわよ。さ、お昼にしましょう。遊んでらっしゃい」
そういうとライト、私のお兄ちゃんは外へと走り出した
お母さんはというとあのかごからキノコやオリーブみたいなものを取り出した
さっき森で採って来たのか
そのキノコやオリーブをフライパンに入れた
そして茶色だったお母さんの目が赤色になった
その途端に手から炎が出てきた
その炎で調理しているのだ
「ああ、ごめんごめん。びっくりしたでしょ?ここの村人は特別な能力を1つ使えるのよ。水や電気を操ったり色々とあるの」
「で、あなた……お母さんは火を操れるというわけね」
「そうその通り。私、火をつけるのが面倒くさくてね」
そう言いながら手に隠し持っていた火種を見せてくれた
痛いほどに知ってることなのに知らないふりしないといけない
知らんぷりも中々しんどいな
そんなことを思いながらふとフライパンに目をやると水によって炎が消された
その水は水がめに入っていたものだ
地図にも載ってない小さな小さな村
ガスも水道も電気すらも通っていないのだ
「へへーんだ」
「こらライト!いたずらばっかりしてたら昼ご飯抜きにするよ」
お母さんの言うことを最後まで聞かずにまた走って行った
それも6歳児の子どもとは思えないほどのスピードで
言うまでもなく、火を消した犯人は彼だ
「ライトは水を操ったりスピードがとても速くなる能力を持っているのよ。ローズはまだ能力に開花してないからどんな風にになるのか楽しみだわ」
お兄ちゃんは「青」、お母さんは「赤」なのか
普通は1人につき1つの能力なのだが、私は忌み子だから全ての能力を使える
「もしも自分の子どものせいで死んでしまったらどうする?」
「え?」
あれ
私、なんてことを聞いているんだろう
でも止まらない
「例えば崖から落ちそうなところを助けたが故に自分が死んでしまうとしたらどうする?」
「絶対に助けるわよ。何十回も何百回も何千回だって」
「そのせいで自分が死んだら後悔すると思う?」
「きっとしないわ。大切な私の子どもだもん。助けなかった方が後悔するわ」
「っ……、こんなこと聞いてごめんなさい。頭を冷やしてきます」
『絶対に助けるわよ』
『助けなかった方が後悔するわ』
このお母さんの言葉に涙が出そうになった
頭を冷やしてくるとは言ったけど、溢れそうな涙を隠す為でもあった
一直線に昔遊んでいた川に行った
さらさらと流れ行く水に手を入れた
ロシアの山の雪解け水はひんやりしていて気持ちいい
言い忘れていたかもしれないがモンティーユ村はロシアにある
って誰に言っているんだろう
やっぱり頭を冷やさないと
手にすくった水を顔に打ち付けた
気がすむまで何度も何度も
気がつけば空は雲に覆われていて雨まで降ってきた
「風邪ひくよ」
後ろを向くと傘を3本持っているお母さんがいた
1本は自分の為に使い、1本は私の頭の上にある
もう1本はたたんである状態だ
「悪いんだけどライトを迎いに行ってほしいの。多分森で遊んでると思うから。私に心配かけた罰よ」
「はい。迷惑をかけてすみませんでした」
こんなに軽い罰は他にないだろう
私はたたんである傘を受け取って森へと走った
雲行きが急に怪しくなったせいか分からないけど、何故だか胸がざわざわする
急がないと取り返しがつかなくなることが起きそうな気がしてならない
数分走っていると雨が強くなり、雷も決して遠くない場所で轟いている
胸のざわめきが強くなった
嫌な予感がする
ようやく森へと続く橋にたどり着いた
5分くらいしか走ってないと思うけどとても長く感じた
ライトは、お兄ちゃんはどこにいる?
私を焦らすかのように雷が近くで落ちた
早く見つけないと、と思っている矢先に小さな人影が見えた
間違いない。私が探している人物だ
高い木の下で雨宿りしている
見つけたはいいけどここからだとまだ遠い
……ん?ちょっと待って
高い木の下?
雷は高い建物や木に落ちやすいはず
ということは、私のお兄ちゃんものすごく危険だということ?
私の悪い予感は当たっていた
空高くの雷雲が光った
その場所は、あの高い木のちょうど真上
もしこのまま雷が落ちたらお兄ちゃんは感電死する
何としてでも止めないといけないけど連れ帰るにはまだ遠い
こんなことシチュエーション前にもあった気がする、ってこんなこと考えてる場合じゃない!
ピシャアァッ
嫌な音が空に響いた
ばっと上を見ると、今まで落ちてきた雷よりも大きい雷が空を駆けていた
━能力発動 黄
お願い、間に合って!
すると、大きな雷は私が思い描いた通りに高い木に落ちずに数十メートル離れた木に落ちた
━能力変化 青
元々の身体能力とこの力を合わせると結構なスピードになる
急いでお兄ちゃんの元へと行き、ぎゅっと抱き締めた
「お兄ちゃん大丈夫?怪我はない!?」
「あ、さっきのおねーちゃんだ。むかえにきてくれてありがとう」
にっこり笑っている顔を見た瞬間、安心して全身の力が抜けた
それにしても、8歳年下の男の子をお兄ちゃんと呼ぶなんて滑稽だ
軽く息をはいて体の調子を元に戻した
「帰ろっか。お母さんがお昼ご飯を作って待ってるよ」
「うんっ」
私たちはどしゃ降りの中を歩いた
橋の下を流れる川や空気が澄んでいて清々しい
懐かしさのあまりキョロキョロと村の様子を見ていたら家に着いた
「どうぞ我が家へ」
「お邪魔しま……」
「おかえり、おかーさん!あれ、その人だーれ?」
「紹介するわ。ライトっていうのよ。ローズのお兄ちゃんなの。ライト、この人は今日遊びに来たエルザよ」
「ふーん……。ローズは?」
「もうすぐ帰って来るわよ。さ、お昼にしましょう。遊んでらっしゃい」
そういうとライト、私のお兄ちゃんは外へと走り出した
お母さんはというとあのかごからキノコやオリーブみたいなものを取り出した
さっき森で採って来たのか
そのキノコやオリーブをフライパンに入れた
そして茶色だったお母さんの目が赤色になった
その途端に手から炎が出てきた
その炎で調理しているのだ
「ああ、ごめんごめん。びっくりしたでしょ?ここの村人は特別な能力を1つ使えるのよ。水や電気を操ったり色々とあるの」
「で、あなた……お母さんは火を操れるというわけね」
「そうその通り。私、火をつけるのが面倒くさくてね」
そう言いながら手に隠し持っていた火種を見せてくれた
痛いほどに知ってることなのに知らないふりしないといけない
知らんぷりも中々しんどいな
そんなことを思いながらふとフライパンに目をやると水によって炎が消された
その水は水がめに入っていたものだ
地図にも載ってない小さな小さな村
ガスも水道も電気すらも通っていないのだ
「へへーんだ」
「こらライト!いたずらばっかりしてたら昼ご飯抜きにするよ」
お母さんの言うことを最後まで聞かずにまた走って行った
それも6歳児の子どもとは思えないほどのスピードで
言うまでもなく、火を消した犯人は彼だ
「ライトは水を操ったりスピードがとても速くなる能力を持っているのよ。ローズはまだ能力に開花してないからどんな風にになるのか楽しみだわ」
お兄ちゃんは「青」、お母さんは「赤」なのか
普通は1人につき1つの能力なのだが、私は忌み子だから全ての能力を使える
「もしも自分の子どものせいで死んでしまったらどうする?」
「え?」
あれ
私、なんてことを聞いているんだろう
でも止まらない
「例えば崖から落ちそうなところを助けたが故に自分が死んでしまうとしたらどうする?」
「絶対に助けるわよ。何十回も何百回も何千回だって」
「そのせいで自分が死んだら後悔すると思う?」
「きっとしないわ。大切な私の子どもだもん。助けなかった方が後悔するわ」
「っ……、こんなこと聞いてごめんなさい。頭を冷やしてきます」
『絶対に助けるわよ』
『助けなかった方が後悔するわ』
このお母さんの言葉に涙が出そうになった
頭を冷やしてくるとは言ったけど、溢れそうな涙を隠す為でもあった
一直線に昔遊んでいた川に行った
さらさらと流れ行く水に手を入れた
ロシアの山の雪解け水はひんやりしていて気持ちいい
言い忘れていたかもしれないがモンティーユ村はロシアにある
って誰に言っているんだろう
やっぱり頭を冷やさないと
手にすくった水を顔に打ち付けた
気がすむまで何度も何度も
気がつけば空は雲に覆われていて雨まで降ってきた
「風邪ひくよ」
後ろを向くと傘を3本持っているお母さんがいた
1本は自分の為に使い、1本は私の頭の上にある
もう1本はたたんである状態だ
「悪いんだけどライトを迎いに行ってほしいの。多分森で遊んでると思うから。私に心配かけた罰よ」
「はい。迷惑をかけてすみませんでした」
こんなに軽い罰は他にないだろう
私はたたんである傘を受け取って森へと走った
雲行きが急に怪しくなったせいか分からないけど、何故だか胸がざわざわする
急がないと取り返しがつかなくなることが起きそうな気がしてならない
数分走っていると雨が強くなり、雷も決して遠くない場所で轟いている
胸のざわめきが強くなった
嫌な予感がする
ようやく森へと続く橋にたどり着いた
5分くらいしか走ってないと思うけどとても長く感じた
ライトは、お兄ちゃんはどこにいる?
私を焦らすかのように雷が近くで落ちた
早く見つけないと、と思っている矢先に小さな人影が見えた
間違いない。私が探している人物だ
高い木の下で雨宿りしている
見つけたはいいけどここからだとまだ遠い
……ん?ちょっと待って
高い木の下?
雷は高い建物や木に落ちやすいはず
ということは、私のお兄ちゃんものすごく危険だということ?
私の悪い予感は当たっていた
空高くの雷雲が光った
その場所は、あの高い木のちょうど真上
もしこのまま雷が落ちたらお兄ちゃんは感電死する
何としてでも止めないといけないけど連れ帰るにはまだ遠い
こんなことシチュエーション前にもあった気がする、ってこんなこと考えてる場合じゃない!
ピシャアァッ
嫌な音が空に響いた
ばっと上を見ると、今まで落ちてきた雷よりも大きい雷が空を駆けていた
━能力発動 黄
お願い、間に合って!
すると、大きな雷は私が思い描いた通りに高い木に落ちずに数十メートル離れた木に落ちた
━能力変化 青
元々の身体能力とこの力を合わせると結構なスピードになる
急いでお兄ちゃんの元へと行き、ぎゅっと抱き締めた
「お兄ちゃん大丈夫?怪我はない!?」
「あ、さっきのおねーちゃんだ。むかえにきてくれてありがとう」
にっこり笑っている顔を見た瞬間、安心して全身の力が抜けた
それにしても、8歳年下の男の子をお兄ちゃんと呼ぶなんて滑稽だ
軽く息をはいて体の調子を元に戻した
「帰ろっか。お母さんがお昼ご飯を作って待ってるよ」
「うんっ」
私たちはどしゃ降りの中を歩いた