闇の中の光 まとめ読み
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
今回の任務は珍しく朝から始まり昼で終わった
いつもなら夜から始まり夜中や明け方に終わるのに
私は任務が終了したからヴァリアーのアジトに戻った
さっさとシャワーを浴びて寝よう
そう思った矢先にマーモンが話しかけてきた
「やあ、任務お疲れ様。喉渇いたろう。これでも飲みなよ」
「その見るからに怪しい液体は一体何?」
「ただのグレープジュースさ。炭酸のね」
いや明らかに違うでしょ
炭酸だと言い訳するには苦しいほどマグマみたいにぼこぼこしている
また研究の途中でおかしな副産物を作ったのか
それでもって私に試させてみようということか
こんなもの誰が騙されるんだろう
「いいから飲みなよ」
「!」
しまった!
幻覚で姿を消していたのか
マーモンは問答無用というように怪しい液体を飲ませた
それが喉を通った瞬間、目の前が真っ暗になった
目を開けているのか閉じているのかも分からないほど暗い
多分開けているはずなんだけど
やがて霧が晴れていくように周りが明るくなっていった
マーモンめ、無理やり飲ませたなんて
とりあえず一発殴らないと気がすまない
そして完全に暗闇が消えた
目が自由になった途端に私はどう反応すればいいのか分からなかった
何故なら私がいる場所が森の中だからだ
どうせ幻覚とか何かだろう
━能力発動 緑
これで草木が動かなければ幻覚だ
試しに近くにあった木の枝に動けと命令した
すると枝がざわざわと動き出した
他の草木は動いていないから風のせいではない
なら、ここは一体どこだ
━能力解除
「どこにいるのー?返事しなさーい」
ふいに後ろから声が聞こえた
どこかに身を隠す前に声の主は姿を現した
「こらローズ、勝手に行っちゃダメでしょ」
木で編み込んだかごを手にしたその女性を見て、私は言葉を失った
あり得ないことが目の前で起きている
いつも肌身離さず持っているペンダントの中にある写真に答えはあった
「お、かあ…さん……?」
「ありゃ、人違いだったか。ねぇ、この辺で小さい子ども見かけなかった?」
間違いない
この人は紛れもなくもうこの世に存在しないはずの私のお母さんだ
さっき「ローズ」と呼んでいた
私の昔の、本当の名前だ
何で?どうして?
考えられる理由はただ1つ
マーモンが私に無理やり飲ましたあの液体だろう
これ以上黙っていると怪しまれるだろうと思い、私は返事をした
「そのような子どもは見かけませんでした」
「そう、どこに行っちゃったのかしら。ところであなたはこんな場所でどうしたの?森の中でそんなに薄い格好して」
「ちょっと迷子になってしまって。ここはどこですか」
「モンティーユ村っていう村の近くの森よ。地図にも載ってない小さな村だけどね」
苦し紛れに迷子と言ったら信じてもらえたようだ
年代も聞いてみると不思議そうに答えてくれた
そのおかげで私がいるのは10年前の世界だということが分かった
ボヴィーノファミリーに伝わるという10年バズーカというものが存在するのだからタイムスリップしても何らおかしくない
ということは10年前の私、ローズはヴァリアーのアジトにいるということなのか
危険すぎるけどマーモンが事情を知っているから大丈夫だろう
マーモンのせいでこうなったのに、皮肉なものだ
とりあえず誤解を解いておかないといけない
我が子が行方不明になったら不安で仕方ないだろう
でもどうやって誤解を解く?
「その子なら大丈夫です。私がいなくなる頃には戻って来ます」
考えるよりも前に口が動いていた
私は何を言っているのだろうか
こんなことで納得できるはずが……
「ま、あの子もそんなにバカじゃないし戻って来れるでしょう。あなたは今日泊まるあてでもあるの?なかったらうちに泊まってもいいよ」
……納得してくれた
4歳児の扱いをこんな風にするもんじゃないと思うけど大丈夫かな
ま、今私がここにいるということはきっと無事に戻って来られるんだろう
「どう泊まっていく?」
「あ……、ではお言葉に甘えて」
「そういえばあなた何歳なの?」
「14です」
「それならそんなに敬語使わなくてもいいわよ。さ、行きましょう」
優しい言葉に、すっと差し出された手に、目が霞んだ
そっと差し出された手に触れたらぎゅっと握りしめられた
暖かい、お母さんの手だ
感傷に浸っていたら突然お母さんが私の方に振り返った
「肝心なこと忘れてた!」
「な、何をですか」
「名前。何ていうの?」
一瞬、何と答えればいいのか分からなかった
ローズかエルザか
ローズですと言えればどれだけ嬉しいだろう
でも、今はエルザとして暮らしている
それが偽名だとしても、私はもう「エルザ」だ
「エルザと申します。それでは、私は何と呼べばいいですか?」
「そうね、ローズがいなくなったから代わりに“お母さん”とでも呼んでくれたらいいわ。それより敬語はやめてって言ったでしょ」
「……うん、分かった」
敬語を外すとにっこりと笑ってくれた
そして私は手を引かれるままに村へと連れて行かれた
いつもなら夜から始まり夜中や明け方に終わるのに
私は任務が終了したからヴァリアーのアジトに戻った
さっさとシャワーを浴びて寝よう
そう思った矢先にマーモンが話しかけてきた
「やあ、任務お疲れ様。喉渇いたろう。これでも飲みなよ」
「その見るからに怪しい液体は一体何?」
「ただのグレープジュースさ。炭酸のね」
いや明らかに違うでしょ
炭酸だと言い訳するには苦しいほどマグマみたいにぼこぼこしている
また研究の途中でおかしな副産物を作ったのか
それでもって私に試させてみようということか
こんなもの誰が騙されるんだろう
「いいから飲みなよ」
「!」
しまった!
幻覚で姿を消していたのか
マーモンは問答無用というように怪しい液体を飲ませた
それが喉を通った瞬間、目の前が真っ暗になった
目を開けているのか閉じているのかも分からないほど暗い
多分開けているはずなんだけど
やがて霧が晴れていくように周りが明るくなっていった
マーモンめ、無理やり飲ませたなんて
とりあえず一発殴らないと気がすまない
そして完全に暗闇が消えた
目が自由になった途端に私はどう反応すればいいのか分からなかった
何故なら私がいる場所が森の中だからだ
どうせ幻覚とか何かだろう
━能力発動 緑
これで草木が動かなければ幻覚だ
試しに近くにあった木の枝に動けと命令した
すると枝がざわざわと動き出した
他の草木は動いていないから風のせいではない
なら、ここは一体どこだ
━能力解除
「どこにいるのー?返事しなさーい」
ふいに後ろから声が聞こえた
どこかに身を隠す前に声の主は姿を現した
「こらローズ、勝手に行っちゃダメでしょ」
木で編み込んだかごを手にしたその女性を見て、私は言葉を失った
あり得ないことが目の前で起きている
いつも肌身離さず持っているペンダントの中にある写真に答えはあった
「お、かあ…さん……?」
「ありゃ、人違いだったか。ねぇ、この辺で小さい子ども見かけなかった?」
間違いない
この人は紛れもなくもうこの世に存在しないはずの私のお母さんだ
さっき「ローズ」と呼んでいた
私の昔の、本当の名前だ
何で?どうして?
考えられる理由はただ1つ
マーモンが私に無理やり飲ましたあの液体だろう
これ以上黙っていると怪しまれるだろうと思い、私は返事をした
「そのような子どもは見かけませんでした」
「そう、どこに行っちゃったのかしら。ところであなたはこんな場所でどうしたの?森の中でそんなに薄い格好して」
「ちょっと迷子になってしまって。ここはどこですか」
「モンティーユ村っていう村の近くの森よ。地図にも載ってない小さな村だけどね」
苦し紛れに迷子と言ったら信じてもらえたようだ
年代も聞いてみると不思議そうに答えてくれた
そのおかげで私がいるのは10年前の世界だということが分かった
ボヴィーノファミリーに伝わるという10年バズーカというものが存在するのだからタイムスリップしても何らおかしくない
ということは10年前の私、ローズはヴァリアーのアジトにいるということなのか
危険すぎるけどマーモンが事情を知っているから大丈夫だろう
マーモンのせいでこうなったのに、皮肉なものだ
とりあえず誤解を解いておかないといけない
我が子が行方不明になったら不安で仕方ないだろう
でもどうやって誤解を解く?
「その子なら大丈夫です。私がいなくなる頃には戻って来ます」
考えるよりも前に口が動いていた
私は何を言っているのだろうか
こんなことで納得できるはずが……
「ま、あの子もそんなにバカじゃないし戻って来れるでしょう。あなたは今日泊まるあてでもあるの?なかったらうちに泊まってもいいよ」
……納得してくれた
4歳児の扱いをこんな風にするもんじゃないと思うけど大丈夫かな
ま、今私がここにいるということはきっと無事に戻って来られるんだろう
「どう泊まっていく?」
「あ……、ではお言葉に甘えて」
「そういえばあなた何歳なの?」
「14です」
「それならそんなに敬語使わなくてもいいわよ。さ、行きましょう」
優しい言葉に、すっと差し出された手に、目が霞んだ
そっと差し出された手に触れたらぎゅっと握りしめられた
暖かい、お母さんの手だ
感傷に浸っていたら突然お母さんが私の方に振り返った
「肝心なこと忘れてた!」
「な、何をですか」
「名前。何ていうの?」
一瞬、何と答えればいいのか分からなかった
ローズかエルザか
ローズですと言えればどれだけ嬉しいだろう
でも、今はエルザとして暮らしている
それが偽名だとしても、私はもう「エルザ」だ
「エルザと申します。それでは、私は何と呼べばいいですか?」
「そうね、ローズがいなくなったから代わりに“お母さん”とでも呼んでくれたらいいわ。それより敬語はやめてって言ったでしょ」
「……うん、分かった」
敬語を外すとにっこりと笑ってくれた
そして私は手を引かれるままに村へと連れて行かれた