太陽が街を真っ赤に染める頃、ついに小さな来客者のお迎えがやってきた

昼と同じスーツ姿の男だ




「さぁ帰りますよ」

「いや！わたし、まだおねーちゃんとあそびたい」




ローラは帰るように促されたのを拒み、エルザの足にしがみついた

エルザはちょっと待っててねと言い、コップを持ってきた

そのコップには水が入っていた



━能力発動 青



コップの中の水がたちどころに２、３羽の蝶に姿を変えた

その透明な蝶を見てローラは息をのんだ




「スゴいでしょ？」

「うんっ！」




目を輝かせながら答える彼女にエルザはぎゅっと抱きついた




「ほら、家族が待ってるよ。また遊びに来なね」




ついに、小さく頷くローラに別れを告げた


帰る間際、エルザは迎えに来た男を呼んだ




「はい、何でしょうか」

「あなたのファミリーのボス、つまりあの子の親とあの子はきちんと遊んでいるの？」

「いえ。しかし、遊び相手は用意してあります」

「ファミリーを預かる者として忙しいのは分かるけど、親として接する時間は少しでも長くした方がいいよ。どっちかが死んだり殺されたりしたらもう手遅れなんだから」

「はぁ……分かりました。そう伝えておきます」




彼は頭を深く下げ、小さな客人と共に去って行った


ヴァリアーにしてみたら一味違った異質な１日が終わった