太陽が少しだけ傾いた頃にはすでにローラはエルザに心を開いていた

そして##NAME2##ちゃんの夢は何、とエルザが聞くと恥ずかしそうに答えた




「わたしね、おそらをとんでみたいの」

「じゃあその夢叶えてあげる」




２人が遊んでいる庭を談話室の窓から眺めているのはやはりあの２人だった




「あのエルザちゃんのあんな姿見てると、何だかほのぼのするわ～。そういえば何で私の提案にのってくれたのベルちゃん。もしかしてエルザちゃんのことが好きだったりして？」

「そんなんじゃねーよ、刻むぞ？王子はあいつの不思議な力が見れるかもって思っただけ」

「不思議な力？」

「ま、見てれば分かるかもな」




ベルの言ったことは当たっていた

ローラが宙に浮いているのだ


タネを明かすと重力を強くすることができるのなら、弱めることも可能であるということだ

つまり、無重力に近い状態を作れるのだ


そして今回は能力を使う範囲を狭くしているからエルザが疲労することもない




「スゴーい！わたしういてる！」

「どう、楽しい？」

「うんっ、とりになったきぶん。ありがとうおねーちゃん」




おねーちゃん、か

兄から見た私(妹)はこんな感じだったのだろうか

エルザはぼんやりとそんなことを考えていた


ほどなくして２人は屋敷の中に戻って行った

しかし談話室に現れたのはエルザ１人だけだった




「あれ？あのガキは？」

「私の部屋で寝てる。多分遊び疲れたんだよ」

「つーかさ、何でお前あんなガキにあそこまでしてやんの？」

「私ね、昔１日くらい迷子になったことがあるの。その時なお世話になった人がすごく優しくてさ、嬉しかった」

「で？」

「見知らぬ場所で手荒に扱われるよりも優しくしてもらった方がいいじゃん。それにあの子きっと遊び足らないのよ。そういう子も含めて、子どもほっとけない。手遅れになったらどうしようもないしね」




エルザはベルとな会話を終わらせ、さっきの本の続きを読んだ