昨日のことを考えれば考えるほど眠れない。
モンモンとした気分が風船のように膨れて上がる。

そうしている内に太陽が顔を出していた。
今日は談話室にいたくないけど、部屋にもいたくない。

そうだ、あそこに行こう。
たまたま見つけたあの木の元へと。

そこに行くと目に映ったのは前と変わらない、ラベンダーが咲き誇っていた。
風が吹き、心地よい香りが舞い上がる。
無意識の内に木の枝に座り睡眠不足を解消すべく眠りについた。

































目を開けると太陽は真上より西へと傾いていた。
だいたい14時くらいかな。思ってたより寝ちゃってた。

お腹も空いてきたし、一度戻ろう。

そう思い木から飛び降りた。
地面に着地するときに少しだけふらついた。

あれ、おかしいな。
いつもならそんなことない筈なのに。

そんなことよりも体が食糧を求めている。
ふらついたことは気にせずに足を運んだ。
が、足元が安定しない。ふらふらな状態で屋敷の扉を開ける。


「あら、エルザちゃん。どこにいたの？」


この屋敷に30人はいるんではないかと思うくらいに遭遇率が高い。
そう思っていたら本当に2、3人に見えてきた。


「ちょっと、大丈夫？」


私の異変に気付いたのか、右手を私の額に当ててきた。
すると、ルッスーリアはとても驚いた表情を作った。


「すごい熱じゃないのよ！今すぐ横にならないと」

「いい、大丈夫」


額にあるルッスーリアの右手を払い除けた。
その直後、ごめんねという言葉が聞こえると同時にお腹に衝撃が走った。

おそらく噂のメタル・ニーという鋼の左足だろう。
どんどんと意識が遠のいていった。