闇の中の光 番外編
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「おきておきて」
「ん……?」
んだよ朝からうっせえな
王子の睡眠邪魔していいと思ってんのか?
オレは条件反射でナイフを取り出し、投げた
投げられた3本のナイフは壁に突き刺さった
そういえばガキがいたんだっけ
忘れてた
咄嗟に思い出さなかったら今ごろ死んでただろうな
こいつ相当運いいな
オレはささっと着替えて談話室に行った
「あらベルちゃん、(珍しく)早いわね」
「こいつに起こされた。つーかお前も早くね?」
「任務明けなのよ」
そっか、そういえばこいつ任務だったな
よく任務明けで起きてられるよな
オレならそっこー寝るけど
ふいにツンツンと服の裾を引っ張られた
「おなかすいた」
「だってさ。何か作ってやれよ」
「じゃあエルザちゃんの真似して、一緒にサンドイッチでも作る?」
「うんっ。おにーちゃんはいっしょに」
「作らねえよ。パス1」
これでちょっとの間だけ1人でのんびりいられる
ルッスーリアたちは厨房へと姿を消した
その内他のメンバーも集まってきた
もちろんマーモンも
あ、今の内に言っとかねえと
「マーモン、ツケがたまってる念写3回分とこれからの念写7回分チャラな」
「ダメだよ。ちゃんと払わないと二度とやってあげないよ」
「お前のせいであいつの世話するはめになったんだ。それくらいの報酬は当然じゃね?」
「ムム、ツケが溜まってる3回分のチャラは認めてあげるけどこれ以上は妥協できないね」
「しゃあねえな、それで勘弁しといてやるよ」
とは言ったものの、念写3回分はかなり大きい
言ってみるもんだな
「できたわよ~。皆の分もあるわよ」
ルッスーリアの声が談話室に響いた
皿に盛られたサンドイッチと共に姿を現したのだ
そこにあったサンドイッチは形がきれいなものといびつなものがあった
どっちが作ったのは明白だった
もちろん王子が食べるのはきれいな方なわけで
「ちょっとベルちゃん。ローズちゃんが作ったやつも食べなさいよ。あんたの為に作ったようなもんよ」
「王子があんなもん食べるわけないだろ」
「泣いちゃったらあやすのはベルちゃんよ。最後まで責任持って世話しないとね」
……こいつに説教とかマジであり得ねえし
オレはいびつなサンドイッチを1つ取って食べた
(感情を込めずに)うまいと言えばローズはにぱっと笑った
また作ってあげるね、などとほざいてる
オレは部屋に戻ろうとした
「どこいくの?」
「来んな」
オレが一般人にも分かるような殺気を出すとローズの動きが固まった
いつまでも優しくされると思ったら大間違いだ
さすがのオレも我慢の限界っつーもんがあるんだよ
むしろ今まで我慢してきた方がすげえよな
オレは部屋に戻りベッドに寝転んだ
早くに起こされた分ゆっくり寝たい
しかも散々振り回されてたからな
いざ寝ようとしたら扉からノック音が聞こえた
『ベルちゃん、ローズちゃんが言いたいことがあるんだって』
「知るかよ」
『そんなこと言わないの。さ、ローズちゃん』
無視かよ
王子に拒否権なしとかあり得なくね?
そのまま寝ようとしたら扉越しに弱々しい声
『おにーちゃんごめんなさい。きらいに、ならないで』
「……。別に嫌いになんかならねえよ」
好きじゃなかったのをどうやって嫌いになれと?
そんな意味も込めてそう返すと泣き声が聞こえてきた
どうせまた嘘泣きとかだろ?
でもルッスーリアの言葉とか雰囲気からすると嘘泣きじゃなさそうだ
何で泣いてんだろ
やっぱガキは理解できねえな
『ローズちゃんがエルザちゃんになる前に姿見せてあげなさいよ~』
返事はしなかった
さて、邪魔なやつらはいなくなったし寝るか
……やっぱ寝れねえな
もう昼か。エルザの代わりにローズになってちょうど丸1日、か
そういえばエルザって昔1日くらい迷子になったことあるんだっけ
今回のとピッタリ当てはまんじゃん
あいつは過去のエルザで間違いなさそうだな(名前は違うけど)
やっべ、超気になってきた
オレはベッドから下りて談話室に行った
談話室にはしょんぼりしたローズがいた
が、オレを見ると顔が明るくなった
「あ、おにーちゃ……」
これがオレたちが聞いたローズの最後の言葉だった
辺りは煙りに包まれ、それが晴れたときにいたのはエルザだった
「ここは、ヴァリアーの、アジト……?」
「ししし、やーっと元に戻った」
「ベル……」
エルザはキョロっと談話室を見渡した
そして一瞬安心したような表情をした後、レモネードをのんでいるマーモンの元へつかつかと歩いていった
「ム、もう元に戻ったのかい」
「本当なら一発殴ってるところだけど……」
握りこぶしを作ったエルザの手が緩まった
つーか元に戻ったこと普通に知ってんのに、今知りましたみたいな感じに演じてるマーモンがなんかムカつく
「ありがとう」
……は?
ちょっと待てよ
何でマーモンが感謝されてんだよ
誰が過去のお前を世話してやったと思ってんだよ
「感謝されるということは何かいいことがあったんだね。というわけでAランク報酬の……」
「それとこれとは話が別よ」
お前は何もしてねーだろ、マーモン
いつか絶対殺す
その前に“黒の狂犬”と手合わせしてみたいもんだな
その黒の狂犬、もといエルザは半ば呆れた顔をしながらもどこか嬉しそうに談話室を去っていった
そういえばあいつ、「迷子になったときにお世話になった人たちが優しかった」とか言ってたけど……
あれは本当のことか記憶が曖昧だったのか分かんねえな
ま、どうでもいっか
念写も3回分チャラになったのに免じて、今回は色々と見逃してやろーっと
でも、手合わせだけは譲れないから機会があったら無理やりにでもやらせよっと
そのときはもちろん本気でな
「ん……?」
んだよ朝からうっせえな
王子の睡眠邪魔していいと思ってんのか?
オレは条件反射でナイフを取り出し、投げた
投げられた3本のナイフは壁に突き刺さった
そういえばガキがいたんだっけ
忘れてた
咄嗟に思い出さなかったら今ごろ死んでただろうな
こいつ相当運いいな
オレはささっと着替えて談話室に行った
「あらベルちゃん、(珍しく)早いわね」
「こいつに起こされた。つーかお前も早くね?」
「任務明けなのよ」
そっか、そういえばこいつ任務だったな
よく任務明けで起きてられるよな
オレならそっこー寝るけど
ふいにツンツンと服の裾を引っ張られた
「おなかすいた」
「だってさ。何か作ってやれよ」
「じゃあエルザちゃんの真似して、一緒にサンドイッチでも作る?」
「うんっ。おにーちゃんはいっしょに」
「作らねえよ。パス1」
これでちょっとの間だけ1人でのんびりいられる
ルッスーリアたちは厨房へと姿を消した
その内他のメンバーも集まってきた
もちろんマーモンも
あ、今の内に言っとかねえと
「マーモン、ツケがたまってる念写3回分とこれからの念写7回分チャラな」
「ダメだよ。ちゃんと払わないと二度とやってあげないよ」
「お前のせいであいつの世話するはめになったんだ。それくらいの報酬は当然じゃね?」
「ムム、ツケが溜まってる3回分のチャラは認めてあげるけどこれ以上は妥協できないね」
「しゃあねえな、それで勘弁しといてやるよ」
とは言ったものの、念写3回分はかなり大きい
言ってみるもんだな
「できたわよ~。皆の分もあるわよ」
ルッスーリアの声が談話室に響いた
皿に盛られたサンドイッチと共に姿を現したのだ
そこにあったサンドイッチは形がきれいなものといびつなものがあった
どっちが作ったのは明白だった
もちろん王子が食べるのはきれいな方なわけで
「ちょっとベルちゃん。ローズちゃんが作ったやつも食べなさいよ。あんたの為に作ったようなもんよ」
「王子があんなもん食べるわけないだろ」
「泣いちゃったらあやすのはベルちゃんよ。最後まで責任持って世話しないとね」
……こいつに説教とかマジであり得ねえし
オレはいびつなサンドイッチを1つ取って食べた
(感情を込めずに)うまいと言えばローズはにぱっと笑った
また作ってあげるね、などとほざいてる
オレは部屋に戻ろうとした
「どこいくの?」
「来んな」
オレが一般人にも分かるような殺気を出すとローズの動きが固まった
いつまでも優しくされると思ったら大間違いだ
さすがのオレも我慢の限界っつーもんがあるんだよ
むしろ今まで我慢してきた方がすげえよな
オレは部屋に戻りベッドに寝転んだ
早くに起こされた分ゆっくり寝たい
しかも散々振り回されてたからな
いざ寝ようとしたら扉からノック音が聞こえた
『ベルちゃん、ローズちゃんが言いたいことがあるんだって』
「知るかよ」
『そんなこと言わないの。さ、ローズちゃん』
無視かよ
王子に拒否権なしとかあり得なくね?
そのまま寝ようとしたら扉越しに弱々しい声
『おにーちゃんごめんなさい。きらいに、ならないで』
「……。別に嫌いになんかならねえよ」
好きじゃなかったのをどうやって嫌いになれと?
そんな意味も込めてそう返すと泣き声が聞こえてきた
どうせまた嘘泣きとかだろ?
でもルッスーリアの言葉とか雰囲気からすると嘘泣きじゃなさそうだ
何で泣いてんだろ
やっぱガキは理解できねえな
『ローズちゃんがエルザちゃんになる前に姿見せてあげなさいよ~』
返事はしなかった
さて、邪魔なやつらはいなくなったし寝るか
……やっぱ寝れねえな
もう昼か。エルザの代わりにローズになってちょうど丸1日、か
そういえばエルザって昔1日くらい迷子になったことあるんだっけ
今回のとピッタリ当てはまんじゃん
あいつは過去のエルザで間違いなさそうだな(名前は違うけど)
やっべ、超気になってきた
オレはベッドから下りて談話室に行った
談話室にはしょんぼりしたローズがいた
が、オレを見ると顔が明るくなった
「あ、おにーちゃ……」
これがオレたちが聞いたローズの最後の言葉だった
辺りは煙りに包まれ、それが晴れたときにいたのはエルザだった
「ここは、ヴァリアーの、アジト……?」
「ししし、やーっと元に戻った」
「ベル……」
エルザはキョロっと談話室を見渡した
そして一瞬安心したような表情をした後、レモネードをのんでいるマーモンの元へつかつかと歩いていった
「ム、もう元に戻ったのかい」
「本当なら一発殴ってるところだけど……」
握りこぶしを作ったエルザの手が緩まった
つーか元に戻ったこと普通に知ってんのに、今知りましたみたいな感じに演じてるマーモンがなんかムカつく
「ありがとう」
……は?
ちょっと待てよ
何でマーモンが感謝されてんだよ
誰が過去のお前を世話してやったと思ってんだよ
「感謝されるということは何かいいことがあったんだね。というわけでAランク報酬の……」
「それとこれとは話が別よ」
お前は何もしてねーだろ、マーモン
いつか絶対殺す
その前に“黒の狂犬”と手合わせしてみたいもんだな
その黒の狂犬、もといエルザは半ば呆れた顔をしながらもどこか嬉しそうに談話室を去っていった
そういえばあいつ、「迷子になったときにお世話になった人たちが優しかった」とか言ってたけど……
あれは本当のことか記憶が曖昧だったのか分かんねえな
ま、どうでもいっか
念写も3回分チャラになったのに免じて、今回は色々と見逃してやろーっと
でも、手合わせだけは譲れないから機会があったら無理やりにでもやらせよっと
そのときはもちろん本気でな
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