何やかんやでようやく夜になった

後はメシ食って寝るだけだな

ったく、いつになったら元に戻るんだろ




「ベルちゃん、お風呂はどうするの？」

「風呂？」




忘れてた

けど、一緒に入らなくてもよくね？

って、お節介なことにルッスーリアがローズに「１人で入れる？」って聞いてるし

しかも、あろうことか首を横に振ってるし


一緒に入れってか？

もう入らなくてよくね？オレは入るけど




「さすがの王子も一緒に風呂は無理だぜ？そこはルッスーリアの役目だろ」

「ごめんね～、急に任務入ったのよ。もう行かなくちゃ」

「となると残りはスクアーロとベルだけだね」

「う"お"ぉい！お前とレヴィはどうしたぁ？」

「お風呂に入れさせる子どもより小さい僕じゃ無理だよ。レヴィは……なんとなく危ない」




風呂には入りたいと言うローズ、役に立たねーオカマと無益なことは頑としてやらねーチビ

これだけ揃えば残る公平な手段はただ１つ


悪夢の入浴タイムを懸けたじゃんけんは王子の負け

王子が負けるとかあり得なくね？




「残念だな王子様よぉ。約束はちゃんと守れよ」

「うっせぇよ長髪女ヤロー」




このからかい文句を使うときがこんなに早くくるなんて思わなかった

とやかく言われる前にローズを風呂に連れていった

あ、風呂入ってるときに元に戻ったらどうしよ

どっちにしろもう手遅れか


脱衣場に着いたオレはローズにバスタオルに投げた




「それ巻かねえと一緒に入ってやんねーぜ？」




ローズは嫌々ながらそうした
オレも腰にタオルを巻いた

ていうか何が嬉しくてこんなことやってんだろ


いっそのこと殺したいんだけどダメだよな

そうだ。将来、黒の狂犬として育つまで我慢しといてやろう

殺すなら楽しい方がいいしな

王子あったまいー




「さっさと出て寝んぞ」

「はーい」




そう言うと素直に返事をした

あ、服どうすんだろ

同じの着させりゃいっか


無事に入り終わり、服も着たローズはベッドにダイブしてそのまま寝た

寝んの早くね？

つーかオレのベッド占領すんな


ベッドを広々と使い寝ているガキを端に移動させてから寝転んだ

ホント、何で王子がこんなに肩身狭い思いしなきゃなんねーんだろ

こうなったのって全部マーモンのせいだよな

念写５回分はチャラにさせないと納得いかねえ

いや、このストレスの分も追加すると１０回はチャラにしてもらわねえと割りに合わない


オレは気づかない間に夢の世界に意識を飛ばした