闇の中の光 まとめ読み
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
会議は予想以上に早く終わった
処分らしい処分は無かったものの、大きな変化はあった
過去に私に壊された2つのファミリーに比べ、事の発端となったあの任務は「黒の狂犬」の犯行にしては軽度のものだった
建物が瓦礫になったか形を残しているか、周りの木々が折れているか生きているか、1人でやったか2人でやったかなどの差で、軽度と判断していいかどうかは明らかだ
また、一度キレたら大暴れするベルにしては珍しく、今回の件で彼はヴァリアーの屋敷に損害はほとんど出さなかった
(どちらかというと、私が壁や窓を壊してたくらいだし)
その程度で済んだのは私とベルが一緒に居たことが要因ではないか、と結論を出したボスは『1年ほどベルとコンビを組め』と言った
ガキ同士で面倒見合えって、そういうことか
これが大きな変化の1つ
ルッスーリアはきゃあきゃあ言ってて、逆にマーモンは興味なさそうだった
レヴィとスクアーロは鼻で笑ってた
大きな変化の2つ目は、私がこの屋敷で暴れて気を失ってから呪いの力が、「黒」の気配が弱くなったこと
年々強くなっていたのに、何故だか抑え込まなくてもよくなる程弱くなった
目が覚めたときの清々しさは気のせいではなかった
呪いの力だけではなく、普段任務で使ってる他の力も弱まった可能性があることを考えると、喜ばしいことなのかどうか分からない
「ここに居たのか。まーた何かごちゃごちゃ考えてんだろ」
「ベル」
「今日は本読みに行かねーの?」
「もう皆から離れていく必要なくなったし。読みたい気分になったときに行くよ」
「そのわりには独りでいんじゃん」
「ベルの言った通り、考え事してたの」
私のお気に入りの場所の1つ、あの木の上からベルを見下ろす
王子を見下すな、と言いながら彼はひょいっとこの高さまでやってきて隣に腰掛けた
見下すなって……木の下から声かけてきたのそっちでしょう?
「お前なんか少し柔らかくなったな、雰囲気が」
「そう?」
「とっつきやすくなったっつーか?ま、深く考えずにさ、ここには自分の欲望に忠実なやつしかいねーし、そんな気にする必要ないじゃん」
「ありがとう。……ベルは私と1年間コンビ組むこと、どう思ってる?」
この「処分」という言葉を使っていいのか分からない軽い処分について、ベルはどう思っているのか
プライドが高いベルにとっては屈辱的なことなのではないか、という不安があった
ベルは、顎を右手で支えて少し悩んだ
「ん…う~ん……。面倒見合うって言い方は気にくわないけど、面白そうじゃん。エルザは?」
「ベルは同業者だしコンビ組むことに問題ないと思う。それに、ベルなら死にそうにないし」
「何だそれ。ま、もしお前が襲ってきたら王子がサボテンにしてやるから安心しろよ」
「私だって、ベルが発狂して襲いかかってきたら返り討ちよ」
「ししし、言ってくれんじゃん。つーかやっぱ今の方がいい性格してんぜ」
良かった
ベルはこの状況を楽しんでいるらしい
しばらくして、彼は木から飛び降りて屋敷に戻っていった
任務一緒のときは王子が殺るから獲物譲れよー、と言い残して
私はぼんやりと空を仰いで、先程の会議のことを思い出した
利用価値がある、か
どういった形であれ、私は必要とされているらしい
忌み子として生まれ、恐れられ、疎まれてきたこんな私でも……
思考を巡らせると少し頭が痛くなった
ベルの言う通り、ごちゃごちゃ考えない方がいいのかもしれない
それにしても、短期間に色々あってまるで嵐が吹き荒れたみたい
少し疲れた、ちょっと眠ろう……
処分らしい処分は無かったものの、大きな変化はあった
過去に私に壊された2つのファミリーに比べ、事の発端となったあの任務は「黒の狂犬」の犯行にしては軽度のものだった
建物が瓦礫になったか形を残しているか、周りの木々が折れているか生きているか、1人でやったか2人でやったかなどの差で、軽度と判断していいかどうかは明らかだ
また、一度キレたら大暴れするベルにしては珍しく、今回の件で彼はヴァリアーの屋敷に損害はほとんど出さなかった
(どちらかというと、私が壁や窓を壊してたくらいだし)
その程度で済んだのは私とベルが一緒に居たことが要因ではないか、と結論を出したボスは『1年ほどベルとコンビを組め』と言った
ガキ同士で面倒見合えって、そういうことか
これが大きな変化の1つ
ルッスーリアはきゃあきゃあ言ってて、逆にマーモンは興味なさそうだった
レヴィとスクアーロは鼻で笑ってた
大きな変化の2つ目は、私がこの屋敷で暴れて気を失ってから呪いの力が、「黒」の気配が弱くなったこと
年々強くなっていたのに、何故だか抑え込まなくてもよくなる程弱くなった
目が覚めたときの清々しさは気のせいではなかった
呪いの力だけではなく、普段任務で使ってる他の力も弱まった可能性があることを考えると、喜ばしいことなのかどうか分からない
「ここに居たのか。まーた何かごちゃごちゃ考えてんだろ」
「ベル」
「今日は本読みに行かねーの?」
「もう皆から離れていく必要なくなったし。読みたい気分になったときに行くよ」
「そのわりには独りでいんじゃん」
「ベルの言った通り、考え事してたの」
私のお気に入りの場所の1つ、あの木の上からベルを見下ろす
王子を見下すな、と言いながら彼はひょいっとこの高さまでやってきて隣に腰掛けた
見下すなって……木の下から声かけてきたのそっちでしょう?
「お前なんか少し柔らかくなったな、雰囲気が」
「そう?」
「とっつきやすくなったっつーか?ま、深く考えずにさ、ここには自分の欲望に忠実なやつしかいねーし、そんな気にする必要ないじゃん」
「ありがとう。……ベルは私と1年間コンビ組むこと、どう思ってる?」
この「処分」という言葉を使っていいのか分からない軽い処分について、ベルはどう思っているのか
プライドが高いベルにとっては屈辱的なことなのではないか、という不安があった
ベルは、顎を右手で支えて少し悩んだ
「ん…う~ん……。面倒見合うって言い方は気にくわないけど、面白そうじゃん。エルザは?」
「ベルは同業者だしコンビ組むことに問題ないと思う。それに、ベルなら死にそうにないし」
「何だそれ。ま、もしお前が襲ってきたら王子がサボテンにしてやるから安心しろよ」
「私だって、ベルが発狂して襲いかかってきたら返り討ちよ」
「ししし、言ってくれんじゃん。つーかやっぱ今の方がいい性格してんぜ」
良かった
ベルはこの状況を楽しんでいるらしい
しばらくして、彼は木から飛び降りて屋敷に戻っていった
任務一緒のときは王子が殺るから獲物譲れよー、と言い残して
私はぼんやりと空を仰いで、先程の会議のことを思い出した
利用価値がある、か
どういった形であれ、私は必要とされているらしい
忌み子として生まれ、恐れられ、疎まれてきたこんな私でも……
思考を巡らせると少し頭が痛くなった
ベルの言う通り、ごちゃごちゃ考えない方がいいのかもしれない
それにしても、短期間に色々あってまるで嵐が吹き荒れたみたい
少し疲れた、ちょっと眠ろう……