このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

この手の中に



指揮官などの高官を観察しながら、刹那は怪しまれないように会場にいる人々と話す。



「是非今度エスコートさせていただきたい。」


「私もだ。是非。」


「分かりました。機会があれば。」


刹那の美貌に魅力された男達が話しかける。
刹那はそれをトレミーでMsスメラギにみっちりと仕込まれた笑顔と言葉で交していく。


そんな時、突然『ゾクリ』と背筋に冷や汗が伝った。


それと同時に人々が別のとこに視線を向ける。


(なっ、なんだ・・・?)

冷や汗が伝ったのも気になるがとりあえず刹那も視線を向ける。


視線の先には柔らかい黄緑色いや、若葉色の髪を持った青年がいた。
上質できらびやかな刺繍が施された上着を着て、穏やかな笑みを周囲に振るまいてる。



「あれって主催者のアルマークじゃないか?」


「あれがあの有名なリボンズ・アルマークか。若いなぁ。」


(リボンズ・・・アルマーク・・・)


心の中で変わった名前だと思い復唱する刹那。


リボンズ・アルマークと呼ばれる青年はニコニコと、微笑みながら真っ直ぐ刹那の元へやって来た。


「こんばんはお嬢さん。パーティ楽しんでいただけてますか?」


その問いに刹那は微笑みを浮かべながら返す。

「はいとても。こんな素敵なパーティ私初めてです。」


「それは良かった。それでお嬢さん、突然なんですが、僕と一曲踊って頂けないでしょうか?」


リボンズのダンスの誘いに任務中の刹那は困惑する。

「あっ、ですが私はダンスは踊れなくて・・・それに、貴方の様な高貴なお方と私の様な者が踊るなんて・・・」


一生懸命断る刹那に対し、リボンズは刹那の髪に口づけをしながら小声で言った。


「アロウズの機密情報・・・知りたくないですか?」


「えっ・・・」


その一言に刹那は思わず目を見開く。


リボンズは髪から離れるとニコリと笑い、手を差しのべた。


「大丈夫。僕がちゃんと何もかもリードしてあげますから。それに、貴方は僕が見付けて連れてきた方何ですから、そんな事気にしないでください。」


「はっ・・・はい。」


刹那は暫し呆然としたまま差しのべられた手をとった。
2/5ページ
スキ