メイドパニック!
⑥東郷リクヤ
「全く、何をしているんですか貴方は・・・」
そこにいたのは第3小隊隊長のリクヤだった。
リクヤはため息を吐くと、呆れた表情でアラタを見る。
それに対しアラタは、顔だけ振り向かせると苦笑いを浮かべた。
「ハハッ・・・いや、俺だってまさか・・・こんな事になるなんて・・・」
「・・・まぁ、そうですね。《貴方》は自身の体質の事なんて分からないですよね。」
『はぁ』と態とらしくため息を吐けば『何だよそれ!』と先程の言葉を嫌味と取ったアラタが憤慨する。
それに三度ため息を吐いた後、掴んでいた腕を自分の方に寄せた。
「うわっ!?」
「アラタ君。」
突如引っ張られたアラタは思わず声を上げた。
するとリクヤは手を離して、そのまま彼の肩に置き、真剣な表情で名前を呼ぶ。
「リクヤ?」
先程までとは違う表情にアラタは怒りを忘れ、キョトンとした瞳でリクヤを見れば、リクヤはゆっくりと口を開いた。
「もう言いましょう。」
「えっ!?ちょっと待てよ!そしたらリクヤが・・・」
「僕は前々から『大丈夫』と言っているでしょう。」
「でも・・・」
「良いんですよ。貴方が僕のためを思ってくれるだけで、僕は・・・。」
ニコリと笑うリクヤにアラタは困惑していた様子から、納得したのか、渋々と言ったものへと様子を変えた。
それを見て理解すると『ありがとうございます』と礼をして、ハルキ達の方を向いた。
「では言います。今までの会話を聞いて気付いた方もいるとは思いますが、僕と瀬名アラタ君は付き合っています。」
『はぁ!?』
「ですので、今後、彼に恋愛目的で手を出すのは止めていただきたい。もちろん発言も。」
驚く面々を尻目にキッパリと言い放つと、そのままリクヤはアラタの手を引っ張り『行きましょう』と外に出る。
その後ろでロイ達第3小隊の面々が『行ってらっしゃい隊長』と手を振っていた。
「リクヤ、本当に良いのか?」
「さっきの事ですか?それは良いと言ったでしょう。」
「そうじゃなくて!その俺なんかで良いのかな・・・って。」
手を掴まれたまま俯いた表情で問う。
それをリクヤは黙って聞く。
「俺男だし、リクヤみたいな総理大臣の息子でも無いし、頭悪いし、いつも周りの奴ら巻き込んじゃうし・・・」
「・・・」
「だから、時々思うんだ。俺なんかよりリクヤにはお似合いの人がいるんじゃないか、って。」
俯かせていた顔を上げ、苦笑いを浮かべるアラタに対し、リクヤは今日何度目か分からないため息を吐いた。
「全く。貴方って人は・・・何を言い出すかと思ったらくだらない。」
「なっ!?何だよ!俺は真剣に・・・」
「それがくだらないと言うんですよ。僕は貴方が好きだから、自分の意思で選んだんです。アラタ君、君を・・・」
「・・・」
「もし嫌いなのであれば、こうやって自ら手を繋ぐことも況してや、あぁやって沢山の人達に囲まれている姿に、嫉妬することもありません。」
「!?」
その言葉に思わず目を見開き、改めて彼を見れば苦笑いをしつつ、その顔は赤に染まっている。
「リク、ヤ・・・」
「それとも、アラタ君はこんな僕が嫌いですか?」
「そんなことあるわけ・・・」
「ならこれで、その話しはおしまいです。行きましょう、校内限定ですがデートでも。」
「あぁ!」
アラタが満面の微笑みで返事をすれば、リクヤは更に顔を赤くさせつつ、エスコートする。
それに照れながらも、されるがままのアラタ自身も、『リクヤの事が好きだ』と改めて強く思うのであった。
(ところで、さっき言っていた《体質》ってどう言うことだ?)
(それは自分で考えてください。と言っても考えつくくらいならあんな事にはなりませんか。)
(?)
end
「全く、何をしているんですか貴方は・・・」
そこにいたのは第3小隊隊長のリクヤだった。
リクヤはため息を吐くと、呆れた表情でアラタを見る。
それに対しアラタは、顔だけ振り向かせると苦笑いを浮かべた。
「ハハッ・・・いや、俺だってまさか・・・こんな事になるなんて・・・」
「・・・まぁ、そうですね。《貴方》は自身の体質の事なんて分からないですよね。」
『はぁ』と態とらしくため息を吐けば『何だよそれ!』と先程の言葉を嫌味と取ったアラタが憤慨する。
それに三度ため息を吐いた後、掴んでいた腕を自分の方に寄せた。
「うわっ!?」
「アラタ君。」
突如引っ張られたアラタは思わず声を上げた。
するとリクヤは手を離して、そのまま彼の肩に置き、真剣な表情で名前を呼ぶ。
「リクヤ?」
先程までとは違う表情にアラタは怒りを忘れ、キョトンとした瞳でリクヤを見れば、リクヤはゆっくりと口を開いた。
「もう言いましょう。」
「えっ!?ちょっと待てよ!そしたらリクヤが・・・」
「僕は前々から『大丈夫』と言っているでしょう。」
「でも・・・」
「良いんですよ。貴方が僕のためを思ってくれるだけで、僕は・・・。」
ニコリと笑うリクヤにアラタは困惑していた様子から、納得したのか、渋々と言ったものへと様子を変えた。
それを見て理解すると『ありがとうございます』と礼をして、ハルキ達の方を向いた。
「では言います。今までの会話を聞いて気付いた方もいるとは思いますが、僕と瀬名アラタ君は付き合っています。」
『はぁ!?』
「ですので、今後、彼に恋愛目的で手を出すのは止めていただきたい。もちろん発言も。」
驚く面々を尻目にキッパリと言い放つと、そのままリクヤはアラタの手を引っ張り『行きましょう』と外に出る。
その後ろでロイ達第3小隊の面々が『行ってらっしゃい隊長』と手を振っていた。
「リクヤ、本当に良いのか?」
「さっきの事ですか?それは良いと言ったでしょう。」
「そうじゃなくて!その俺なんかで良いのかな・・・って。」
手を掴まれたまま俯いた表情で問う。
それをリクヤは黙って聞く。
「俺男だし、リクヤみたいな総理大臣の息子でも無いし、頭悪いし、いつも周りの奴ら巻き込んじゃうし・・・」
「・・・」
「だから、時々思うんだ。俺なんかよりリクヤにはお似合いの人がいるんじゃないか、って。」
俯かせていた顔を上げ、苦笑いを浮かべるアラタに対し、リクヤは今日何度目か分からないため息を吐いた。
「全く。貴方って人は・・・何を言い出すかと思ったらくだらない。」
「なっ!?何だよ!俺は真剣に・・・」
「それがくだらないと言うんですよ。僕は貴方が好きだから、自分の意思で選んだんです。アラタ君、君を・・・」
「・・・」
「もし嫌いなのであれば、こうやって自ら手を繋ぐことも況してや、あぁやって沢山の人達に囲まれている姿に、嫉妬することもありません。」
「!?」
その言葉に思わず目を見開き、改めて彼を見れば苦笑いをしつつ、その顔は赤に染まっている。
「リク、ヤ・・・」
「それとも、アラタ君はこんな僕が嫌いですか?」
「そんなことあるわけ・・・」
「ならこれで、その話しはおしまいです。行きましょう、校内限定ですがデートでも。」
「あぁ!」
アラタが満面の微笑みで返事をすれば、リクヤは更に顔を赤くさせつつ、エスコートする。
それに照れながらも、されるがままのアラタ自身も、『リクヤの事が好きだ』と改めて強く思うのであった。
(ところで、さっき言っていた《体質》ってどう言うことだ?)
(それは自分で考えてください。と言っても考えつくくらいならあんな事にはなりませんか。)
(?)
end