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手は届いたよ



深い水の中でいる感覚・・・


地についていない感じとなると、やはり浮いているのだろうか?と目を閉じたままロックオンは思う。



ゆっくりと目を開けると周囲は真っ暗。
ただ自分1人だけ水の中に浮いているだけの様だ。


(刹那は・・・どこだ?)


ふと思い、辺りを見回すがやはり誰もいない。



(そうか・・・これは夢なんだな・・・)


フゥと息をつくと出ていく空気が上へと上る。
それを呆然と見ているとロックオンは気付く。


(せっ、刹那!?)


空気が上る、ちょうど真上に刹那がいた。


刹那はロックオンに気付いてないのか?ただ呆然としている。
だが彼の赤い瞳には正気が写ってないことが分かった。


(刹那、待ってろ今そっちに・・・!?)


様子が変だと言うことに気付いたロックオンは、すぐに泳ぎ刹那のもとに行こうとした。
しかし、彼の足を何か強い力が引っ張り、刹那のもとに行かせないようにしてる。


(何なんだよ!?)


焦るロックオンは懸命にもがく。
しかしもがく度に力は増し、刹那とロックオンの距離が遠くなっていった。


(刹那、刹那ああぁぁあ!!!)


手をさし伸ばしながらロックオンは刹那の名を叫んだ。








「ハァ・・・ハァ・・・」


そこでロックオンは目を覚まし、起き上がった。


「ゆっ、夢か・・・」


(にしても何つう・・・)


まだ荒れる呼吸を調えながら息をつく。


すると・・・


「大丈夫かロックオン?」


隣で眠っていた刹那が心配そうにこちらを見ていた。


「刹那・・・」


ロックオンは刹那の顔を見るなり夢での事を思いだし強く抱き締めた。


「なっ!?ロックオ「悪い刹那・・・」・・・」


彼の体から震えが伝わってくる。
それに刹那は抵抗せずただ抱き締め返した。


ロックオンは一瞬ビクッとしたがすぐにまた強く抱き締める。


「・・・ロックオン」


徐に刹那が呼ぶ。
ロックオンは顔を肩に埋めたまま耳を貸した。


「何があったか知らないが、俺はここに、ロックオンの側にずっといる・・・だから安心しろ。」


そう言うと刹那は彼の髪を優しく撫でた。


「刹那・・・あぁ」


その言葉にロックオンはホッとした。
夢で見た離ればなれになるあの光景が、今その言葉のお陰で消えて無くなった気がした。


ロックオンは"ありがとう"と言うと額にキスし、それで顔を赤くした刹那と共に再び眠りについた。




互いの手を離さないように・・・







end





あとがき↓


久々1st設定のニル刹の短編。
夢で攻めが辛い思いをし、目覚めたあとそれを心配し優しく慰めてくれる受け・・・ってのが好きで書いちゃいました(>▽<)


1度は書こうと思ってましたがどんな夢がいいか悩んだ挙句、こんな感じに(笑)
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