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sugar

 俺は人と関わるのが得意ではなかった。別に人自体が嫌いとゆう訳ではない。昔から感情を表に出すことが苦手だった。そのせいで中学の時に付き合っていた彼女からは
 「どうせ私のことなんて好きじゃないんでしょ!」
 とふられ、その後に付き合った子には
 「思ってたのと違った、もっと優しいのかと思ってたのに」
 とふられてしまった。自分的には優しくしていたつもりだし、ちゃんと好きだった、かと問われればそうでもなかったかもしれない。正直告白されて付き合ったのはバイを隠すためだったし。ちょうどいいと思った事もあった。自業自得だったのかもしれない。
 俺、谷崎歩は今言ったとおりバイだ。しかしその事は家族にも友達にも言った事はない。
 そして俺にはずっと片思い中の相手がいる。同じクラスの蒲原壮一。頭が良くてテストでは常に上位をキープしていて容姿端麗。女の子との噂は常に絶えず学校の人気者だ。俺みたいな陰キャ眼鏡とは正反対で、あいつが主人公だったら俺は名前さえ出てこないモブ。
 俺だって中学まではなかなかモテていたほうだと思う。ラブレターは毎日貰っていたし(男含む)告白だって毎日されていた(男含む)。バレンタインチョコだって沢山貰っていたのだ(男含む)。それなのに、高校に入ってからはパタリとやんでしまった。告白は時々されるが、してくれた子は次の日には学校に来なくなると言う事が何度もあった。朝登校してくるときも、挨拶しても皆固まって挨拶を返してくれない。歩いていたらなぜか皆よけるのだ。
 今日だって、蒲原壮一に勇気を出して挨拶したら睨まれてしまった。やっぱり嫌われているのだろうか。
 時々視線が合うが、蒲原にはすぐに目をそらされてしまう。夢の中でなら挨拶なんて毎日笑顔でできた。一緒に登校して、手だって繋げる。現実では、挨拶だって命懸けだ。
 教室でいきなり話しかけられた。マジで心臓止まるかと思った。どうやら生徒会の資料を届けてくれたようだ。ありがとうとお礼を言うと、いきなり固まってしまった。しばらくしてさっきの事を謝られた。なんだか嬉しくて笑って大丈夫だと言うと走って逃げてしまった。でも、話せて嬉しかったな~…。そう思ってフフッと笑うと周りから叫び声が聞こえたけど、きっと気のせいだと思う。
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