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名前変換設定
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__深く沈んでいた意識がふわり、浮かんでくる。
重い瞼が薄く開けば、白い天井が見える。
腹がズキズキと傷んでいる。寝惚けた意識を起こし記憶を手繰り寄せれば、刺されたのだと思い出した。
横から起きた?と声がかかり目をやれば、痛みの原因、刺した張本人がこちらを見ていた。という事は、二人とも生きているのか。
身体を起き上がらせようとすれば、男は脇の下に腕を入れてくる。抵抗する間もなくズルズルと引き寄せられ、腕の中に閉じ込められた。
「とりあえず、名前を確認してもよろしいですか?」
恐る恐るといった様子で控えめに声を出す看護師さん。
助けて欲しい、視線を送ればそっと逸らされる。どうやら後ろで鋭く睨んでいる男が原因のよう。
戸惑う私をよそにコクリと頷く。
「翠川朔さん、香月 梨音さんでお間違いないでしょうか」
翠川さん、というのか。再び頷いたのを見て、私も間違いないです、と返事する。
重い沈黙が流れる。それを破ったのはガラガラと扉が開かれる音だった。
「少しいいか」
見るからに偉い立場であろう人がやってきて、看護師に退席を促す。
3人だけになれば、翠川さんの方を見つめ話を切り出す。
「お前は今身寄りがないだろう、特殊な仕事となるが俺の所で面倒を見ようと思う、詳しく説明するぞ」
いつの間にか私の手に指を絡めながら鋭い目付きを向ける。
話された詳細はとても現実味がない事だったが、刺された辺りからずっと夢の中にいるような心地で、そんな状況だから妙に納得できた。
“特殊な仕事”というのは人を殺す仕事らしい。 ここはファンタジーの世界なのかと思ったが、説明する顔つきはいたって真剣だ。
ひとまず話が区切られ、深く考え込む翠川さん。
「梨音さんと一緒に居られるんですか」
顔を上げしっかりとした口調で聞いた事は、思いもよらぬ事だった。
「本来許されないがお前の成績しだいだ。」
驚いた。私の意思はないのか。
それを聞いて納得したようにこくこくと頷くと、口角を上げ、「これからよろしくお願いします」と声を出した。
「あぁ、こちらこそよろしく頼む」
この先私の生活はどうなるのか……。