愛の結晶
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暁が俺のファンに手を出してから、慌ただしい毎日を送っていた。
関係各所に焔と挨拶、というか圧力をかけて、その間もファンにバレないよう、いつも通りの振る舞いでいるように気をつける毎日。
女の子は同性の影にとても敏感だから、察して離れる子もいた。
同じアイドルで面識のある人には真偽を聞かれ、そのたびに話題を変え、はぐらかしていた。
軽率に偽ってはもしバレた時に信用が急降下してしまう。
唯一安心出来る楽屋に戻るたび、溜め息が漏れた。
「めんどくさすぎるやろ……」
呟いた言葉は、焔に拾われる。
「まさか暁が女の子に入れ込むとはね。正直予想外だったわ」
同じく疲れた声を出す彼。
それでもステージ上のパフォーマンスの質は全く変わっていなくて、それがリーダーたる所以なのかと思う。
__『dawn』のリーダーは実力で決められている。
半年に1回投票を行い、票数が多い奴から順位が付けられる。
2位になったメンバーは、次の投票まで半年間順位をキープ出来ればリーダー交代候補となる。
……こんなややこしいシステムになっている理由は、焔にある。
結成当初はそもそも暁も俺もアイドルとして活動したことは無く、ソロで活動していた焔が成り行きでリーダーとなった。
そのあと、「リーダーやんのめんどい」という一言で交代になりかけたが、焔が圧倒的人気、そして純粋に人を率いるのが上手く、他ではリーダーの務めを果たすことが出来なかった。
結果、「一応現リーダーとして実力も人気もないやつに任せるわけにはいかないし、1年間人気をキープ出来たやつがリーダーな」
「どうせ1位になるのは俺だから2位のやつで」
ひたすら癇に障る言い方だったが、実際に今まで暁と俺は1位になれていない。
毎回、圧倒的な票差。
それだけ、カリスマ性に溢れている焔。
追い抜くために努力を積み重ねるほど、その完璧さに気付く。
とにかく隙がないのだ。
それに一位どころか、2位をキープするのも簡単な話ではない。
今まで半年ごとに順位が逆転して、暁を追い越し追い越されのまま。
だが、前回の投票では俺が2位だった。そして、今は暁が女の子に夢中になっている。
これをチャンスと言わずなんという。
邪道かもしれないが、暁が中途半端に活動を続ける以上、手段としてはアリやろ。
滅多にない機会、逃すわけにはいかない。
暁を越えて、焔も――
「そんな睨んだところで意味無いけど?」
煽るような口調で指摘され、いつのまにか目元に力が入っていたことに気づく。
「どうでしょうね、余裕でいられるのも今のうちやと思いますよ」
パチリと目が合い、火花が散る。
席を立ち、準備に向かった焔の姿は挑発しているようで苛立つ。
__絶対、追い越したるからな。