愛の行方
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ワンマンを終え、本来なら余韻に浸れる時間。
だが、ある男によってそれは叶わなかった。
俺の古参ファンから相談された、暁の暴挙。
そもそもファンとの個人的連絡は禁止されている。
全員何だかんだ常識は持っているため、今まで女性関係で荒れることは無かった。
これから先も無いだろうと思っていたのに、知らぬ間に連絡先交換していた。しかも俺のファンと。
正直、メンバーの恋愛事情とかマジで興味無いし、勝手にどうぞって話なんだが今回はそうも言ってられない。
もし誰かにバレたら、ユニットを組んでる俺にも面倒事が回ってくるし、なにより暁がほぼストーカー化している。
今のうちに止めなくては、かなり厄介なことになるだろう。彼女が嫌がっていることにも気付いていないようだし。
撮影を終え、途中から関係者席に座っていた暁を探す。
スタッフに聞けば、ドアの前まで案内された。
礼を言いドアノブに手をかける。
苛立ちのままに開ければ、思った以上に力を込めていたようで、大きな音が鳴った。
ぱち、ソファに座っていた暁と目が合う。
「そんな大きな音立ててどうしたん?煩いんやけど」
平然とした様子で携帯をいじっている。
「俺のファンに手出したそうですね? 困ってましたよ、あんたのせいで。」
低く唸るような声が出る。
ライバルが自分のファンに手を出すとか、屈辱以外の何物でもない。
「は?勘違いやろ」
どうでも良さそうに吐き出された言葉。
そんなはずは無い、と補足する。
「香月さんの事を言うてるんですけど、聞き覚えないです?」
俺の言葉に操作する指を止めた。俯き気味の顔が上がり
「……なんでお前が知ってるん。え、お前のファンやないやろ」
珍しく困惑の色を含ませた声に、何かがおかしいと気付く。
あの子はずっと俺のファンだ。それも、初期の頃から応援してくれている。
暁のファンなわけないやろ。
それを口に出せば、表情が消え言葉を発さなくなる。
「聞いてます? 今後一切手出さないでください、ッ……」
ストーカーといっても過言ではない、一方的な連絡について苦言を呈し、最後の注意をしようとすれば、勢いよく立ち上がりドアに手をかけた。
話は終わってない、そう言う前に廊下全体に響くほど力任せに閉め、コツコツと鳴らして裏口の方向へ歩いていく。
……勘違いを起こしている上に、人の注意も全く聞く気がない。
これはもう手に負えないだろう。
大きく息を吐き、ユニットのリーダーである焔さんへ連絡を入れる。
内容は、暁が間違いなく何かやらかします、というもの。
ざっと経緯も話し、いざという時に揉み消す準備を頼む。
1番人気の最年長とだけあって、色々なところに繋がりを持っている。
出来れば活用する場面が来ないことを祈る。