愛の行方
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新鮮な体験をした、推し以外との初接触イベント。
頼まれていた暁さんの様子レポートも書き終え、送信ボタンを押す。
既読が付き数分経った頃、感謝の言葉と、先日発表された追加公演に行って欲しい、という文が送られてきた。
聞いてみれば、会社の方で急遽仕事が入ったそう。
長い間仲良くしている、というのもあるし、チケットも用意してあるそうなので潔く引き受ける。
もう話すことはないと思っていたが、わりとすぐ接触の機会が出来た。
まあ、たまには推し以外のライブに行くのも気分転換になる。
*
__あっという間に当日を迎えた。
先日、仕事が入ったことに対する上司への恨みつらみ、それに混じった暁さんにどれだけ会いたいか、という推し語りを散々聞かされて寝不足だが、語られた愛はきっちり伝えなくては。
寝不足の頭でぼーっとしているものの、全体的にノリのいい曲が多くて、とても楽しめた。
終演後の握手会のアナウンスがされる。
事前に有人から渡されていた参加券を持ち、列に並ぶ。
順番が来るまでの間、暁さんの服装、セトリ、演出などを書き留めていく。
全てを思い出すのに苦戦していれば、前の人が終わり、私の番になる。
「あ!」
仕切りの中に入った途端、ぱちりと目が合う。
瞬間、花が咲くような笑顔をみせてくれる。
まだ2回目なのにこの反応。暁さんのファンが多い理由がわかった気がする。
「また来てくれたんやな!」
軽く挨拶をし、友人からお願いされた手紙を渡す。
丁寧に両手で受け取る姿に、感心する。
ステージングは強気な感じなのに、ファンとの接触はとても丁寧。
そのギャップもまた人気のひとつなんだろう。
「今日のライブどうやった?」
暁さんの方から話が振られ、少し慌てる。
前回と違って、友人自身の感想は書きようがなかったため、私の感想になってしまう。
黎くんと暁さんはライバル関係に近いため、わざわざいう必要もないだろう、と代理であることは伝えていない。
友人と私の感想を混ぜて伝えていいものなのか……
だが、目の前で聞く気満々の彼がいる以上、何も言わないわけには行かない。
「とても素敵なライブでした。楽しかったです!」
無難な感想になってしまったが、嘘はついていない。
「ありがとう、また絶対来てな?」
間に挟まれたテーブルから身を乗り出して、ぐっと顔が近づく。
鼻が触れるまで1センチ、という距離に息が止まった私を見て、ハハハ、と低い笑い声を響かせる。
完っ全に油断していた……。
一気に熱くなった身体を冷ますように、駆け足で会場を出た。
すっごいデジャヴを感じる。