愛の行方
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「梨音、今日はどこ行ってたん?」
浮き足だった心を、氷水のバケツをぶっかける様に鎮めたのは、背中にぴったりとくっつき、顔を近づけている……暁さん。
どうして知っているのか、なんでここにいるのか。
いろいろな疑問が頭の中を埋め尽くすが、それらを全てかき消すほど、目の前の据わった瞳に本能が警告を鳴らした。
一刻も早く、この場から立ち去らなくては。
でも、逃げるための足は暁の細長い足が絡んでいて、さらに震えて力が入らなかった。
仮に暁が密着状態から離れても、腰が抜けてしまった私は這いつくばることしか出来ない。
「そんな怯えてどうしたん? それよりな、俺気付いたんよ!」
うっとりと目を細めて恍惚とした表情を浮かべる彼。
この状況、前からの言動でなんとなく察せてしまって、続きを聞きたくないと強く願えば、幸運かは分からないが意識が遠のいた。
気絶したとしても、一時しのぎにしかならないことはわかっている。
それでも、瞳の奥に確かに感じられた私への怒りを、直接ぶつけられるのが恐ろしくて。
どちらにしてもこの男からは逃げられない。 いや、“逃してくれるわけがない”といった方が正しいか。
ふらりと身体中の力が抜けた私を抱きとめた彼の姿を最後に、五感が途切れ、意識を失った。