愛の行方
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背中に感じる温もりに、浮ついていた頭がサッと冷えていく。
視界に映る私の手足は震えていて、心を支配する恐怖を表しているよう。
「どうしたん?そんなに怯えて」
他人事のような調子で話しかける彼に、本能が”逃げ出せ“と警告を鳴らしている。
「_________。」
ーーーーーーーー
今日来たのは、『dawn』という3人組ユニットの1人、暁さんワンマンライブ。
本来、行くはずではなかった。
何故なら私は、『dawn』もう1人のメンバーである黎くん推し。
だが、暁さん推しの友人に誘われ、私が断ればぼっち参戦になってしまうと嘆いていたため、この場に来ている。
まぁ、予定もなかったし。
友人とのランチタイム。
夕方から始まるライブについて、ひたすら楽しみだと語っている。
声が大きくなってきていたので注意しつつ、美味しいスパゲッティを味わっていれば、友人の携帯が着信を知らせる。
話を中断し、画面に目を向けた彼女は数秒固まり、抑揚のない声でちょっと出てくる、と外に向かった。
察してしまった。
ふらつきながら帰ってきた彼女。
あきらかにテンションが下がっていて、内容を聞きづらい。
恐らく、仕事が入ったのだろう。
私の予想は合っていて、
「仕事、20時までにオフィスに着いてなきゃ……」
と、地を這うような声で呟いた。
何といえば良いのやら。
時間はギリギリになってしまうが、一応ライブ本編は参加出来るとのこと。
問題はアンコールと、終演後の握手会。
その時間には新幹線に乗っていなければいけない。彼女は地方住みなため、行き来が大変なのだ。
さらに急に仕事が入ることも多い。絶対辞めてやる、とよく言っているが、実現するのはまだ先だろう。
とにかく、今回の握手会は絶対行きたかったそうで。
どうにかして手紙だけでも……と唸っていた彼女が思いついたのは、私に代理を任せるということだった。
ライブの感想も移動中にメッセージで送れるし、最適だと閃いたよう。
まあ、断る理由は特にないし、何より目の前の彼女が可哀想で引き受けた。