援交少女と一目惚れして堕ちていく彼
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そういえば、彼はどうしたのかな。
私を組み敷いてギシギシとスプリングの音を鳴らす、
大して知らない男をぼんやりと眺め、私に声をかけた彼の事を思い出す。
確か名前は翔と言っていた。
普段私を抱く男の名前は覚えていない。けれど、あの人だけは本当に優しく触れてくれて、私のことを救おうと必死になっていた姿が印象的で覚えていた。
……もう、私に飽きたのかな。
最後に会った時には、なにかに取り憑かれたようにやつれていたが、今はどうなんだろう。
宣言通り大金を持ってきたり、なんて可能性も考えたが、こっち見ろ、と乱暴に奥を突いて注意されたため、考えるのをやめた。
早く終わらないかな。
お金のため仕方ないけど、好きでもない男に抱かれるのは苦痛でしかない。
多めにくれるが、乱暴な男。
徐々にヒートアップしてきたため、そろそろ止めなくては、と考えていれば、玄関から大きな音がした。
激しい動きが止み、音のした方を見る。
そこには、ギリギリ判別出来る程、ボロボロになり変わり果てた翔が居た。
私の上に跨る男を睨んでいて、それに怯えたのか情けない悲鳴をあげ、ドアから出ていった。
大きな音を立てて閉まった扉。2人だけになれば、重い沈黙が流れる。
「そんなに足りないんですか?……俺以外に抱かれなきゃいけないほど、足りないんですか?」
泣きそうに顔を歪めて吐き出されたのは、きっと気遣われて今まで言われなかった言葉。
疲れ切った顔の彼から発せられた言葉は、本当は気づいていた真実と向き合わなければいけない、と言っている気がした。
__もう、お金なんてものはいらなかった。
ただ愛が欲しくて、褒められたくて、そのためにお金を稼いでたはずなのに、いつまで経っても愛はもらえない。
変わりにもらうのは「もっと稼いで来て」という言葉。
ずっと気付かないフリをしていた。
それでも、問いかけられれば私はただの都合のいい存在だったという事に向き合う。
もう、すべてどうでもいい。
不幸中の幸いとでもいえばいいのか、目の前にいる彼は私のことを愛してくれる。
お金なんていらない。愛をくれる彼さえいてくれればいい。
「ねえ、翔。貴方は私を愛してくれる?」
「……もちろん。俺は梨音の事を愛してます。一生、愛してますから」
愛を求めた2人が行き着いたのは、決して幸せな結末ではなかった。
だが、2人はそれ以外の幸せなど分からなかった。
彼女の目の前には彼しかいなくて、彼の目の前には彼女しかいない。
危害を加えないし、愛してくれる。それ以上の幸せなんて存在しないのだ。
彼女は世界を知らなすぎた。
彼は周りが見えなくなってしまった。
周りから見たら歪だろう。それでも、彼女らにとっては立派な愛の形だ。
__翔が梨音を抱き締めた。腕の中で涙を流す彼女は、”愛”を手に入れたのだ。