「leader！ここにいたのですね！」

走りながら探していたためハアハア、と息を切らせながらleaderと呼ばれた少女のもとへ近づく少年の名は【朱桜司】

そしてleaderと呼ばれた少女の名は【月永リカ】
現在二人のいる場所は学院からそう遠くはない浜辺
休日にknightsで集まって次のライブ企画を練ろうという話になっていたのだが

『ああ～霊感（インスピレーション）があ……。スオーのせいでぇ！……あれ何でスオーがここにいるの？

あっ！待って言わないで妄想するから！』

案の定すっかり忘れているknightsのリーダーに朱桜はハア……、と一つ溜め息をついた。

「leader、お兄様方が待っております。
さあ行きましょう……。」

お手をどうぞ、と座り込んで妄想をしている月永に紳士的に手を差し出す朱桜

『やだやだっ！だって今もうちょっとで何か霊感（インスピレーション）が湧きそうなんだ！もうちょっとだけ待っててよ！』

幼子のように駄々をこねる彼女に仕方なく折れるしかない朱桜
少しだけですよ、と彼もはしたないかな？と思いつつ隣に腰をおろした

「ああ……これは戻ったらお兄様方に怒られる感じですね……。」

『セナはいっっつも怒ってるよね！あはは！面白い奴だなあ！』

「笑い事ではありません！」

『ねえ、スオー？
ふと思ったんだけどさ。あんたっていつも私を探す役割を引き受けているよね。
前までいつもセナだったのに、何でなの？』

本当に思い付きで疑問を朱桜にぶつける月永

「それは私が探しますとお兄様方に進言しているからですよ。
私は騎士ですから、ladyを護るのが騎士の役目です。

リカ先輩は私が護ります……！」

その言葉に続けて朱桜は月永にそろそろ瀬名達の所へ戻るように促す

『はあ、しょうがないなあ……さよなら霊感（インスピレーション）。……よっとっ。』

衣服から砂をはたきながらやっと立ち上がる月永
彼女にお手をどうぞleader、ともう一度手を差し出す朱桜

今度はちゃんと差し出された手をとる

「先輩方のもとへescortさせていただきます。」

『あ～なんかこういう扱い慣れてないからなあ……まあよろしくスオー。』

お任せを！頼られたと張り切る朱桜に少し笑みを溢しながら、あからさまに女の子扱いされるのも悪くないと思う月永だった









その後、案の定瀬名に遅い！と怒られた二人
鳴上は月永が朱桜にエスコートされていたのを見ると何故か感動しており、凛月に至っては見守るような優しい眼差しで二人を見ていた






－－いつも三人称の文章は名字で書くのですが、朔間兄弟、葵双子などの場合名字だと被るので弟の方を名前入力にしています－－