三部・DIO
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時を止める力を手に入れただのと、阿呆なことを抜かし始めた目の前の吸血鬼に、寝起きで不細工な顔に嫌悪感丸出しの表情を追加して、ついでに冷めた視線を向けてやった。
なんだその、いやらしい漫画によくありそうな能力は。
変態にさらに磨きをかけてどうする。
普段からほぼ半裸、或いは布一枚のほぼ全裸に近い格好で屋敷をうろつき回るDIOを見てきたから、なんというか、あまり嬉しくはない報告だ。
そんなものを身につけるくらいなら、もっと有意義で、魅力ある力を身につけた方が、よっぽど世のためになったのでないだろうか。
世界を支配しようとしている奴に、世のためなんて言葉は似合わないけど。
というか、いっそのこと、ただの吸血鬼でいてくれた方がもう少し尊敬できたかもしれないのに。
嘘、ちっとも尊敬してない。
「時を支配するということは、全ての人間を支配するのと同異議だ。・・・と言ったところで、貴様のような、ちんけな脳味噌では理解出来まい。そうだろう?んン?」
頬を撫ぜてくる手の平の異様な冷たさに、背筋がぞっとする。
内心では彼のことをコケにしてはいるが、実際のところ、コケにされる側なのはわたしの方だ。
ペットで、退屈しのぎの玩具で、ついでにおやつ感覚で血を吸われる、そんな非常食のような扱いを受けている。
まるで世紀末のようだ。
どうやら、わたしは生まれる時代を間違えたらしい。
「返事をしろ」
「はい。DIO様」
「ふん・・・及第点といったところだな。まだ逆らう気力はあるとは強かな女だ。いいだろう。このDIOに対するその態度は、貴様自身の血で許してやろうじゃないか」
肉厚な唇の奥で色艶の良い舌が覗き見えた。
直後、数秒後に起こるであろう出来事が容易に想像できてしまい、恐怖で全身が身震いした。
「吸血鬼め・・・!」
憎しみを込めて罵る。
しかし、この台詞はきっと、相手にとって褒め言葉でしかないのだろう。
わたしは頭の隅で理解しながら、それでも叫ばずにいられなかった。
吸血鬼さえ、お前さえいなければ、わたしは平和な人生を送ってこれたはずなんだ。
誰が従順になってやるものか。
「フン」
だが彼は、DIOは、強者は弱者を鼻で嗤うだけだ。
「貴様ら人間のように、ましてやスタンドも使えない貧弱な生き物に、この力の素晴らしさは一生、理解できんだろうよ」
血に飢えた男ががほくそ笑んだ。
どうしてだか、鼻歌でも歌いそうな上機嫌さだ。
彼は鋭い牙を剥き出しにすると、そのまま、わたしの肩口に咬みついた。
なんだその、いやらしい漫画によくありそうな能力は。
変態にさらに磨きをかけてどうする。
普段からほぼ半裸、或いは布一枚のほぼ全裸に近い格好で屋敷をうろつき回るDIOを見てきたから、なんというか、あまり嬉しくはない報告だ。
そんなものを身につけるくらいなら、もっと有意義で、魅力ある力を身につけた方が、よっぽど世のためになったのでないだろうか。
世界を支配しようとしている奴に、世のためなんて言葉は似合わないけど。
というか、いっそのこと、ただの吸血鬼でいてくれた方がもう少し尊敬できたかもしれないのに。
嘘、ちっとも尊敬してない。
「時を支配するということは、全ての人間を支配するのと同異議だ。・・・と言ったところで、貴様のような、ちんけな脳味噌では理解出来まい。そうだろう?んン?」
頬を撫ぜてくる手の平の異様な冷たさに、背筋がぞっとする。
内心では彼のことをコケにしてはいるが、実際のところ、コケにされる側なのはわたしの方だ。
ペットで、退屈しのぎの玩具で、ついでにおやつ感覚で血を吸われる、そんな非常食のような扱いを受けている。
まるで世紀末のようだ。
どうやら、わたしは生まれる時代を間違えたらしい。
「返事をしろ」
「はい。DIO様」
「ふん・・・及第点といったところだな。まだ逆らう気力はあるとは強かな女だ。いいだろう。このDIOに対するその態度は、貴様自身の血で許してやろうじゃないか」
肉厚な唇の奥で色艶の良い舌が覗き見えた。
直後、数秒後に起こるであろう出来事が容易に想像できてしまい、恐怖で全身が身震いした。
「吸血鬼め・・・!」
憎しみを込めて罵る。
しかし、この台詞はきっと、相手にとって褒め言葉でしかないのだろう。
わたしは頭の隅で理解しながら、それでも叫ばずにいられなかった。
吸血鬼さえ、お前さえいなければ、わたしは平和な人生を送ってこれたはずなんだ。
誰が従順になってやるものか。
「フン」
だが彼は、DIOは、強者は弱者を鼻で嗤うだけだ。
「貴様ら人間のように、ましてやスタンドも使えない貧弱な生き物に、この力の素晴らしさは一生、理解できんだろうよ」
血に飢えた男ががほくそ笑んだ。
どうしてだか、鼻歌でも歌いそうな上機嫌さだ。
彼は鋭い牙を剥き出しにすると、そのまま、わたしの肩口に咬みついた。