みの恭
「いやー、急に降られちゃったね……」
商店街からの帰り道、見事な夕立に遭ってしまった。傘もなく、雨宿りをするところもなかったので、やや諦め気味の恭二の手を引きながら全速力で目的地へと向かった。
「そ、そんな走らなくても……。どう頑張ったって濡れるの確定だったじゃないっすか」
肩で息をするほどではないが、不本意に走らされ疲れた様子の家主が家のドアを開ける。
「いやぁ……つい、ノリで」と言うと、元気っすね、と十一も年下の男に笑われてしまった。
びしょ濡れの靴下を脱ぎながら、家主に手渡されたバスタオルを受け取る。
「逆にさ、恭二が元気なさすぎなんじゃない? そんなんじゃ、すぐおじさんになっちゃうよ」
からかって言ったつもりだったが、何故か恭二は満更でもない表情をしていた。
「みのりさんにちょっとでも近づけるなら、まぁ、それもありっすね。 守られてばっかりじゃ嫌なんで」
「うっ…………今の、恭二のファンだったら膝から崩れ落ちてたよ」
「はぁ?」
雨に濡れて頬に貼りつく髪の毛、気怠げな表情、体力を消耗したあとの少し掠れた声。イケメンにそんなことを言われて落ちない方が、人としてどうかしている。
「だけど、今の俺は、恭二のファンじゃなくて恋人だからさ……」
近づき、濡れた髪の毛をくしゃりと掻き混ぜる。
「かっこいい恭二も、可愛い恭二も、全部。俺にも守らせてほしいな」
ありがとうの気持ちをこめて、冷えた唇にキスを落とせば「可愛い恭二」が出来上がっていた。
商店街からの帰り道、見事な夕立に遭ってしまった。傘もなく、雨宿りをするところもなかったので、やや諦め気味の恭二の手を引きながら全速力で目的地へと向かった。
「そ、そんな走らなくても……。どう頑張ったって濡れるの確定だったじゃないっすか」
肩で息をするほどではないが、不本意に走らされ疲れた様子の家主が家のドアを開ける。
「いやぁ……つい、ノリで」と言うと、元気っすね、と十一も年下の男に笑われてしまった。
びしょ濡れの靴下を脱ぎながら、家主に手渡されたバスタオルを受け取る。
「逆にさ、恭二が元気なさすぎなんじゃない? そんなんじゃ、すぐおじさんになっちゃうよ」
からかって言ったつもりだったが、何故か恭二は満更でもない表情をしていた。
「みのりさんにちょっとでも近づけるなら、まぁ、それもありっすね。 守られてばっかりじゃ嫌なんで」
「うっ…………今の、恭二のファンだったら膝から崩れ落ちてたよ」
「はぁ?」
雨に濡れて頬に貼りつく髪の毛、気怠げな表情、体力を消耗したあとの少し掠れた声。イケメンにそんなことを言われて落ちない方が、人としてどうかしている。
「だけど、今の俺は、恭二のファンじゃなくて恋人だからさ……」
近づき、濡れた髪の毛をくしゃりと掻き混ぜる。
「かっこいい恭二も、可愛い恭二も、全部。俺にも守らせてほしいな」
ありがとうの気持ちをこめて、冷えた唇にキスを落とせば「可愛い恭二」が出来上がっていた。
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