The Joint Investigation
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ゴーユーエアラインG−654便。
CII銀行本店調査の為、二人は飛行機でニューヨークに向かっていた。
「CIIの不正疑惑はずっと長い間持ち上がっていたのだけれど、私が今回捜査に加わったのは、有力な証言ができるという人物が現れたから。……でもその証人と接触した同僚は事故死してしまった。証人の消息を探しているけれど、今だに手がかりはない状態ね」
「亡くなったという君の同僚は、事故直前に証言者と会っていたのか」
機内は明かりが落とされ、読書灯だけが灯っていた。
周りはすっかり寝静まっており、時折エンジンの音が聞こえるだけだ。御剣は更に声を落とした。
「本当にただの事故だったのだろうか、他殺の可能性は?」
「状況から考えて、その可能性も否定できない。被疑者は逮捕されたけど、CIIとの接点はなかったの。」
言音から調書のコピーを受け取り、目を通す。詳しい現場の状況に加えて、被疑者の住所や勤務先、家族構成などの個人情報が記載されてある。
「人通りの少ない交差点で被害者が飛び出してきたところを、被疑者の運転していた乗用車が轢いた、か」
「被疑者の通報により駆けつけた警察に逮捕されて、全面的に罪を認めているそうよ……でも、同僚の事故も気になるけど、証言者の保護もしなくてはならないからCIIに対して今回の事件は追求できないでしょうね。あなたは日本支店と本店の繋がりを捜査したいのでしょう?」
「うむ、日本支店の不正融資の資金のルートを調べる予定だ。どうも背任は招井の意思ではないようなのだ。」
逮捕されてからというもの、CII銀行日本支店支店長の招井は犯行の自供を始めていたが、上部から融資の指示があったことをを仄めかしていた。
「いずれにせよ、明日ね。」
※
「御剣検事」
言音に突然名前を呼ばれ、読んでいた資料から目を上げた。
「?なんだろうか」
「ううん、呼んでみただけ。ほんとに検事さんなんだなって思って」
彼女はそうしみじみと呟くと俯いた。さらさらとした髪が彼女の顔を隠し、表情は見えない。
「君は、やはり刑事になったのだな」
「日本の警察じゃあ、ないんだけどね」
脳裏には子供の頃の事が蘇った。お互いに父親の影響もあり、将来弁護士と刑事になりたいと思っていたのは遠い日々のことだ。しかし今、彼女は国際警察、御剣は検事として突然再会した。あまりにも突然すぎて、御剣は言音と離れてからの過去を語る準備ができていなかった。
「……随分、私は変わってしまっていて驚いただろう」
「うん。でもね、怜侍くんと一緒に事件の捜査ができるなんて夢にも思わなかったから、正直に言うとね、ちょっと嬉しい」
「……言音、」
ふと笑顔を向けられて虚を突かれた。その表情は鮮やかで曇りがない。
何も言えず、そのまま暫く見つめ合う。
先に照れたように目を逸らしたのは彼女の方だった。心なしか顔が赤い。
「わ、私もう寝るね」
「ああ、おやすみ」
「起きたら夢だったりして。」
彼女はいたずらっぽく笑うと、ブランケットを口元まで引っ張り上げた。
夢、か。
(この夢なら覚めないで欲しいと思うのは、身勝手だろうか。)
CII銀行本店調査の為、二人は飛行機でニューヨークに向かっていた。
「CIIの不正疑惑はずっと長い間持ち上がっていたのだけれど、私が今回捜査に加わったのは、有力な証言ができるという人物が現れたから。……でもその証人と接触した同僚は事故死してしまった。証人の消息を探しているけれど、今だに手がかりはない状態ね」
「亡くなったという君の同僚は、事故直前に証言者と会っていたのか」
機内は明かりが落とされ、読書灯だけが灯っていた。
周りはすっかり寝静まっており、時折エンジンの音が聞こえるだけだ。御剣は更に声を落とした。
「本当にただの事故だったのだろうか、他殺の可能性は?」
「状況から考えて、その可能性も否定できない。被疑者は逮捕されたけど、CIIとの接点はなかったの。」
言音から調書のコピーを受け取り、目を通す。詳しい現場の状況に加えて、被疑者の住所や勤務先、家族構成などの個人情報が記載されてある。
「人通りの少ない交差点で被害者が飛び出してきたところを、被疑者の運転していた乗用車が轢いた、か」
「被疑者の通報により駆けつけた警察に逮捕されて、全面的に罪を認めているそうよ……でも、同僚の事故も気になるけど、証言者の保護もしなくてはならないからCIIに対して今回の事件は追求できないでしょうね。あなたは日本支店と本店の繋がりを捜査したいのでしょう?」
「うむ、日本支店の不正融資の資金のルートを調べる予定だ。どうも背任は招井の意思ではないようなのだ。」
逮捕されてからというもの、CII銀行日本支店支店長の招井は犯行の自供を始めていたが、上部から融資の指示があったことをを仄めかしていた。
「いずれにせよ、明日ね。」
※
「御剣検事」
言音に突然名前を呼ばれ、読んでいた資料から目を上げた。
「?なんだろうか」
「ううん、呼んでみただけ。ほんとに検事さんなんだなって思って」
彼女はそうしみじみと呟くと俯いた。さらさらとした髪が彼女の顔を隠し、表情は見えない。
「君は、やはり刑事になったのだな」
「日本の警察じゃあ、ないんだけどね」
脳裏には子供の頃の事が蘇った。お互いに父親の影響もあり、将来弁護士と刑事になりたいと思っていたのは遠い日々のことだ。しかし今、彼女は国際警察、御剣は検事として突然再会した。あまりにも突然すぎて、御剣は言音と離れてからの過去を語る準備ができていなかった。
「……随分、私は変わってしまっていて驚いただろう」
「うん。でもね、怜侍くんと一緒に事件の捜査ができるなんて夢にも思わなかったから、正直に言うとね、ちょっと嬉しい」
「……言音、」
ふと笑顔を向けられて虚を突かれた。その表情は鮮やかで曇りがない。
何も言えず、そのまま暫く見つめ合う。
先に照れたように目を逸らしたのは彼女の方だった。心なしか顔が赤い。
「わ、私もう寝るね」
「ああ、おやすみ」
「起きたら夢だったりして。」
彼女はいたずらっぽく笑うと、ブランケットを口元まで引っ張り上げた。
夢、か。
(この夢なら覚めないで欲しいと思うのは、身勝手だろうか。)
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