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【𝙹𝚒𝚖𝚒𝚗】
「ねぇヒョン?韓国に帰ったらさ、堂々と手を繋いでデートしよう。」
べちゃっ!お箸でつかみ損ねた酢豚のお肉がお皿の上でいやぁな音を立てた。あーあ、お気に入りのフードに飛んじゃったじゃんかよ、もぉっ!
ぼくのせいでせっかくの日本遠征だというのにホテルで缶詰め状態のさなか、最悪のタイミングで3周年を迎えたぼくたちはルームサービスにてささやかなお祝いをしていた。
スケジュール上ここ日本で記念日を迎えることは分かっていたから、ジョングクはかなり前から事務所に細かいタイムスケジュールを確認したり、空き時間で行ける所をリサーチしたりして色々と計画を練ってくれていたらしい。ダメにしたのはぼく、だ。
「へ?」
「これがおれの答え。」
「...?」
答え?そう言われて過去にしたジョングクへの質問の数々を思い起こしてみたけれど。たいそうに答えを求めるようなものはなかったと思うから、やっぱり、あのことを言ってるのかな。
ナムジュニヒョンに距離を置いてほしいと頼まれた日のジョングクを思い出す。いつもならムキになって言い返すであろう言葉をググッと飲み込む音がぼくには聞こえた。
会社やメンバーに迷惑かけているのもジョングクを嫌な気持ちにさせたのもぼくに責任があるから、なおさらなんにも言ってあげられなくて。適度に距離を置いているというよりかはただ、気まずいだけの状態が続いていたぼくたち。
そんなぼくを心配してテヒョンがことあるごとに世話を焼いてくれていたけど、それでもやっぱりジョングクは何も言わなかった。あの、チョンジョングクがやきもちを妬かないなんてありえないし、ぼくはジョングクの髪がストレスで真っ白になる前に何とかしなくちゃいけなかったんだ。だけど...、
だけどね、ぼくのジョングクは本当に、知らない間にずいぶんと大人になっていた。ぼくは兄ちゃんだから、おまえの前で泣きたいのをすっごくすっごく我慢してきたけど。泣いてもいい?甘えてもいい?自分の弱さをさらけ出す場所は、どう考えたって、ぼくを丸ごと包み込んでくれるおまえの腕の中が、いい。
自分だけの居場所を誰にも奪われたくない、と言ったぼくをジョングクは朝まで離さなかった。大好きな人のまどろむ横顔を眺めながらそういえば、言ったような気がする。
ーおまえがいないと生きてけいないのはきっと、ぼくの方だよ。
その夜はセウォンからジョングクと飲んでいるとメッセージが届いた。セウォンいわく、黄金マンネが過去最高に落ちていて見ていられないと。
悪いけど愚痴を聞いてやってくれ、マンネが荒れている理由を知っているだけにそう言うしかない。「僕に乗りかえちゃえば?あーでもこいつ、ジミニヒョンがいないと死んじゃうかも」ってぶさいくなクマのスタンプとともに返ってきたメッセージについ、本気の返信をしてしまい。
その時セウォンに返信したまんまの文面をバカ正直にジョングクに言ってしまったわけだけど。そのとき、あまりに近い距離でジョングクが穴が開きそうなほど見つめるから、つらつらと方言交じりの心の声が流れ出てしまった。
ーだからヒョンの言うとおり今は距離を置くのがいいと思うんだ、誰にも分かってもらえなくてもいいそれよりぼくは...おまえを失うことの方が、怖い
よくもまぁそんな恥ずかしいセリフが言えたもんだと今頃になって思うけれど、べつに答えが欲しいとは言ってない。人知れず抱き合って眠るのも悪くない、そう心で思っていただけで。
「おれは恋人を自慢したいわけでも見せびらかしたいわけでもないけど、隠そう隠さなきゃって必要以上に距離を置くものでもないと思ってるから。」
「うんでも...、」
「二人で外食したり遊び行ったりさ、ずっと普通にやってきたじゃない、やましいことなんかひとつもないし今さらコソコソする方がよっぽどへんだよ。」
「まぁ...それはそうなんだけど、」
「これがおれが出した答えだよジミナ...怖い?」
「怖くないよ?おまえがいれば怖いものなんか、ない。」
そこは即答したぼくだけど手を繋いでっていうのはやりすぎなんじゃ?ボソボソ声で言ってみたけどスルーされたの、不安でしかない。ジョングクときたらへんなとこ石頭だから本当にやりかねないし。
些細なことで衝突したり、想いを口に出来ずにすれ違ったり、小さなちいさな嫉妬からケンカになったり。好きな気持ちが変わることはないのに、何かっていうとぶつかって。お互いに傷をつけては、その傷を舐め合って。
バカみたいに一生懸命に恋した季節をまたいで、3年も経つとぼくたちの間にはゆったりと穏やかに空気が流れるようになっていた。
それだから距離を置くといってもどうすればいいか分からず、半径2メートル以内に近づかないとか、なるべく目を合わせないようにするとか、ジョングクの写真をツイートしないとか。思いつくのはどれも幼稚なことばかり。
テンションがぶち上がって駆け寄ってくるジョングクを精一杯この控えめな目を見開いて制止して、自然に肩に回そうとする腕をすり抜けながら、ガルルルル、となんべん威嚇したことか。いつもの何倍も何十倍も、疲れるコンサートを経験した。
*
帰国後、作業室にこもるというユンギヒョン以外の全員が空港から実家に直帰した。帰省しない組のぼくとジョングクは宿舎には戻らずそのままスケートリンクへ。
どうしてスケートなのか、という点については日本から韓国までの2時間弱、休む間もなく言い合いをした結果。今回ばかりは譲らないジョングクに隣りのホビヒョンも呆れ顔だったけど、特に反対もされなくてほっとした。
「ちょっと待って、人が多すぎるんだけど...大丈夫かな。」
「平気でしょ、誰も見てない。」
逆に人が多いほうが紛れられるなんて、たいして顔が隠れるでもない帽子を深くかぶり直して颯爽と氷上に滑り降りていったけれど、おまえってやっぱバカだな。めっちゃスマホの画面向けられてるじゃん気づけよ。
スケート選手さながらどんどんスピードに乗っていくジョングクをぼくはリンクサイドで眺めていた。まったく、いつでもどこでも何をしたって楽しめるやつだ、ほんっといい性格してる。
途中でぼくがいないことに気づいたのかキョロキョロしはじめるから、ぼくはここだよ!と両手を高く上げてひと周りしてくるジョングクをスタンディングスタートのポーズを決めて待ちかまえた。
トン、と背中を押されて前に進んだぼくは追いてかれるもんかと咄嗟に後ろからジャケットを引っぱると笑顔のジョングクが振り返る。う...なんだよ、きゅんとしちゃったじゃないか、恥ずかしい。
「競争はしないからなっ?どうせ勝てっこないもん、ぼくはのんびり滑る。」
「だったらおれが引っ張ってあげるよ。」
「なにその手...いい。」
「約束したじゃん。」
「あーーーー!?だからおまっスケートって、」
相変わらず鈍感なんだからってぼくをバカにするけど、おまえだって算数も出来ないくせにそういう計算だけは完璧だよね。
「あなたすーぐ転ぶんだからおれの手握ってたらいいの!ほらっ、」
だって、ジョングクのくせに生意気だ...いつまでも笑ってるなら手、繋いでやんないぞ!
*
「あうーーーー楽しかったぁー♪」
この大きな声を発したのは意外にも、ぼく。
リビングのソファーに倒れ込んで両手両足を投げ出すぼくを見てジョングクはニコニコしながらワインクーラーのかわりに氷を入れた鍋にワインを突き刺してる。
「おまえさぁ鍋はないんじゃないの。」
「ヒョンがワイン飲みたいってわがまま言うからでしょ、ビールと焼酎なら冷えてるって言ったのにさ。」
「はいはい、ごめんねー。」
わがまま言うヒョンも好きなくせに、と言い終える前にそこ邪魔!ひょいっと抱えあげられた。いつの間にかローテーブルの上にはワイングラスと綺麗に並んだチーズが置かれたお皿がセッティングされている。
帰りにサムギョプサルをたらふく食べながら二人でいいかげん飲んできたけれど。時間も早いし、今日は二人きりだし、家で飲みなおそうとワインを買い込んで帰ってきた。
「スケート久しぶりだったから足が痛いや。」
「競争しないってどの口が言ってんだか、真剣勝負だったじゃん。」
わざと負けてあげたんだよ、って笑いながら隣りに座ったジョングクはぼくの片足を持ちあげてごく自然にマッサージをしてくれる。そんな優しい恋人にワインを口移しで飲ませてあげた。
最初は照れていたジョングクだけど何度もおかわりと催促するから、そのうちぼくはワインよりもジョングクとのキスに夢中になってしまう。ぼくにとってはお酒なんかよりこっちのほうが甘くてほろ苦い媚薬みたいだ。
「ジミナ.....、」
「んー?」
「おれ...テヒョンイヒョンになりたいってずっと思ってた。あなたたちはいつでもどこでも寄り添って手を繋いで抱きしめ合うのに...なんでおれはダメなんだろうって...弱くてごめん、あんな風に守ってあげられなくて、ごめん。」
「気にしてないなんて言ってたくせに強がったりしてバカだな、ふふふ、ぼくの恋人はずっとそばにいてくれるし、転ばないように手だって繋いでくれるし、寒い夜は抱きしめてくれるよ?それがね、すんごくあったかいの。」
「そういうこと言ってんじゃないんだって、」
誰の目も気にしないであなたを力いっぱい抱きしめたい日もあるんだよ、って。そんなこと、おまえの目を見れば分かる。心配しないで、見えない赤い糸はちゃんと、ぼくたちを繋いでる。だからねジョングガ?
「もう一度キスして。」
少し驚いた顔をしたあと苦しそうにぎゅっと目を瞑って、背骨を折る勢いで背中に腕を回す。いつかぼくは絞め殺されちゃうんじゃないだろうか。もう筋トレはやめさせなきゃな。
「痛いよバカ、死んじゃうんんっ、」
口唇が重なってすぐ、ぬるっとジョングクの舌がぼくのなかに入ってくる。息もできないほど押し当てられた口唇の隙間から唾液が垂れてもかまわない。
「んっ、ちゅ、...すきっ、じょんぐがっ」
自分より大きな身体に覆いかぶさるようにしてキスをせがんでぼくは、ジョングクの口唇を離さなかった。ジョングクの顎をつたう唾液に舌を這わせて、口唇や舌をペロペロと舐めるぼくを猫みたいだねと笑う。
うん猫でいいよ、ぼくはおまえの猫になりたい。ジョングクのスウェットパンツに手をかけるとすでにソコは興奮していて、ぶるんと出てきたそれを両手で優しくやさしく、包み込んだ。
たったそれだけで喉を鳴らして、眉間に皺を寄せた男らしい顔のジョングクがぼくを見つめてる。猫みたいなぼくにここもペロペロしてほしい?厚ぼったい口唇で扱いて、しゃぶって、吸いつくされたいの?
「はっ、んく.....っ、ん、ん、んっ」
「っ、裏筋んとこ、そうそこジミナ、はぁ...きもちい、」
硬く膨れあがったジョングクのがぼくの口内で暴れて、ふっふっ、と鼻から息が漏れた。 だらしなく口を開いてジョングクのちんちんを頬張って、ぢゅぽっと下品な音を立てる。
そんなぼくを上から見ているジョングクに熱い視線を送って、見せつけるように出し入れしながらほっぺの内側で刺激すると、ビクビクと震えた。イクのジョングク、イっちゃうの?このまま?
くんっと硬さを増す感触を直に感じて、ぼくの身体はうずうずしてきちゃう。ジョングクのコレ、ぼくのなかに欲しいって。今日のぼくちょっと...へんだ。
「ん、じょんぐがぁ...ねぇしたい。」
ビクッ!急に立ち上がるからビックリしたじゃんか!可哀そうにあとちょっとで絶頂というところで放り出されたソレが形を変えずに目の前でぷらぷら揺れているのに。
ジョングクは片方の足首に絡まっているスウェットと下着を蹴り落としてぼくを軽々と抱きあげた。
「おれの部屋でいい?」
「おまえのマットレス硬いからやだ。」
「じゃああなたのベッドで抱く。」
ふいに幼い日の横顔を思い出す。何だって簡単にやりこなすくせに自信なさげにいつも下を向いていたジョングク。自分に厳しい弟をぼくはうんと甘やかして可愛がってやるんだと誓った。ぼくもまた、幼かったんだと思う。
そのうち到底受け止めきれない愛情を体当たりでぶつけられて狼狽えている間にぼくは、この逞しい腕にあっさりと掴まってしまった。掴まったが最後、こんな陽だまりのような心地いい場所から抜け出せるわけがない。
凛々しい眉を指でなぞってこめかみに流れる汗を拭ってあげる。大好きな丸い瞳は細められ薄く開いた口唇が愛してると何度も囁いた。ぼくのすべてを舐めつくす舌の感触と快感に導く熱い手のひらから指先まで全部が、好き。
「んぁ...っ、じょん、ぐ.....、」
んふ、はふ、と息つくまもなく口唇を吸われて舌を絡ませながら、両足を抱え上げられた。ジョングクの先っぽがそこを押し広げる瞬間が好き。
もっと、もっともっと、ジョングクが欲しくなる。好き、大好き、だから心も身体もジョングクを求めるんだ。ちゃんと...おまえにも伝わってるよね?
「じょんんぐがっ、ぁっ、ぁっ、そこだめ、いっちゃうから、ぁ、やっ、だめだめだめ、っ、んーーーっ、」
「じみな?出さないでイったの?やばい可愛い...震えてる平気?おれはめちゃくちゃ気持ちいけど。」
「ぁぅ、まま、待っ、ゃぁ...っ、ちゃう、いくっ、いくの、っ、あ、あーーー、」
「イキすぎ、っ、ほんと可愛すぎてやばい、」
たて続けになかでイかされて太股がぷるぷるしてる。さすがに快感の度が過ぎて震えが止まらない身体をジョングクは優しく抱きしめてくれた。
「今日すごい感じてない?ねぇそんなに気持ちいいの?」
「ん、」
弱々しく首を振ることしかできないくらい、感じてる。おまえが触れたところは全部、頭がおかしくなりそうなほど気持ちいい。
ガチガチに怒張したそれで擦られるのを想像しただけでかろうじて繋がったままのそこがきゅんきゅんジョングクの先っぽを締めつけた。ゾクゾクとした快感を逃がすようにしがみついたら、ずくんっ、一気に奥まで貫かれてぼくはまたイってしまった。
一瞬ガツガツと腰を揺らしたジョングクはすぐに動くのをやめて、パクパク口を動かすだけで声も出ないぼくを心配そうに覗き込んだ。んーん、違う、そうじゃないんだ、と精一杯の笑顔をつくって見せる。
「気持ちよすぎて飛んじゃいそうなのほんと...でもいいよ?もっとおくまでして...おまえにも気持ちよくなってもらいたい。」
「おれだって気持ちいいに決まってるじゃない、何より心が満たされてくのをすごく感じてる。」
「ぼくも。」
うふふふ、あははは、セックスの途中だというのにふざけて擽りっこなんかして、ムードもなんもない!って怒ったり、笑ったり。つまるところ...幸せだね、大好きだよ、なぁんて言い合うんだぼくたちは。
「ぁ、ぁ、ぁ.....ぁ、ぁん、」
くたり、と力が抜けてしまった身体を小刻みに揺さぶられて、女の子みたいに喘ぐ声を抑えられない。
グリグリ腰を押しつけられると大きさや形まで分かるみたい。身体の一番おくまでジョングクでいっぱいに満たされてる気がして嬉しくなって、また芯から熱くなる。
「ぁぁん...っ、ひぁ...、んー、」
「ねぇおれのこと好き?おれは大好き。こんなに奥まで咥えこんできゅんきゅん締めつけてエロい顔してんの...たまんないくらい好き。」
「んぁぁっ、ぁっぁっぁっぁっ、」
「乳首もちんこもどこもかも硬くして...ぐちょぐちょに濡らして好き、じみな、なんでこんな可愛いの、」
「ひっ...、ぁっ、 ぁー...っ」
逞しい腕で腰を深く抱かれてガツガツと突き上げられた。だめ、もう身体がもたない。ぐちゅん、ぬちゃ、ずちゅっ、繋がった場所から耳を塞ぎたくなるようなエッチな音がしている。
「ぁぁぅ...、も、ゃだ、やだぁ...そこ、そんなにしないで、ぐちゅぐちゅしちゃだめっ、あん、だめぇ、」
「ダメじゃないでしょう?くっ...痛いくらい締めつけてる、お尻でめちゃくちゃ感じてるじゃない。」
さっきからエッチなことばっか言ってぼくをドキドキさせて、なんなの。おまえだってエロい顔でぼくを見てるじゃんか、息遣いだって荒いくせに、なんでぼくを恥ずかしくさせるんだよ、バカ。
いやらしい身体だね、と、その言葉にすらも感じてしまう。やだ、ぼくの身体、いやらしいんだって。ジョングクのおっきいのをお尻のおくのおくまで埋められてこんなに感じて、ゾクゾクする快感に震えてる。
ぢゅぷぢゅぷと強く激しく揺さぶられながらジョングクの熱い息を口唇で受け止めて、よかった、ジョングクもぼくに興奮してくれてるんだって嬉しくて。ぎゅっとしがみついた背中に爪をたてた。
「じょ...ぐ、がぁ...あっあっ、んぐ、ぐがぐがぐがっ、」
「可愛い、ジミナ...おれのじみなっ、はぁ、はぁ、」
「ぼ、く、イっ、っちゃ...ぁぁっ、イっくぅん...んーっ、」
「ジミナおれもっ、おれもイクよ?うくっ...イクっ...っっ、」
愛してるジミナ、低く呻くような声が噛まれた耳朶から沁み入ってくるみたいに身体中に広がっていく。ジョングクとぼくの身体がピッタリと重なって鼓動がひとつになった。
「このままもう一回...いい?」
「うえっ?!やだ、ぁ...なんっ、でぇ...」
「嘘つき。こんなやらしい身体して。」
おれを夢中にさせるあなたが悪い、なんてよく言う。ぼくをこんないやらしい身体にしたのはおまえじゃないか。
おまえがいなかったら知らないままだったんだ。好きで、好きで、ただ好きなだけで、泣きたい日があるなんて。おまえと肌を重ねるたび幸せという名前の薄桃色の粉が降ってくるなんてことも。
こうして抱き合えば分かっちゃうんだね、ぼくたち。どれくらい愛し愛されているのか、どれほど必要とし必要とされているか。どんなにかけがえのない存在かということ。二度とはぐれてしまわないようにぼくは、触れた手のひらに指を絡めた。
*
「今何時?」
「んー?...もう2時過ぎてる。」
これからがおれたちの時間だね、ってその有り余る体力はどこからくるんだ?ぼくはもう、うつ伏せたままの体勢でピクリとも動けないというのに。
ジョングクはそんなぼくの髪を指で梳かしながらこめかみにキスを落とすから、また始められたら大変だと慌てて顔を反対側に向けた。ベッドから視線を落とした先に投げ捨てられた使用済みゴムの切ない光景。
「何回したの?」
「2回?」
「見えてるだけでも3個使ってるけど?」
「あー3回?だったかな。」
こいつ、いつの間にコンドームつけ替えてんだろ。一番最初につけるときはちゃんと見ているのにいつもそのあとの記憶が曖昧で、セックス中のぼくはちゃんと意識を保てているのか心配になってしまう。
夜中の2時すぎに真っ裸で正座をして、自分の精液入りのゴムの口を慎重に結ぶ広い背中に向かって思ったままに問いかけた。
「ジョングクはさ、なかに出したいとか思わないの?」
2個目の残骸を拾いあげながら無言で振り返ったジョングクにじーっとりと睨まれた。そっか...生でしたいし、なかにも出したいんだね。
「これ以上あなたの身体に負担になることはしたくないからおれ、そこにはこだわってないよ。」
「出したやつあとで掻き出して綺麗にしたら大丈夫だって、何かで見た気がするんだけど。ちょっと検索してみる?」
「そんなことはおれも知ってんの!あなたそれ、おれにやらしてくれるわけ?お尻の穴拡げて奥まで指突っ込んで精液掻き出すんだよ?一回じゃなくて何回も。しかもおれめっちゃ近くで見るけど?いい?」
「...だめ。」
「でしょ。」
そんな人生を諦めたみたいな顔しなくったっていいじゃん。もちろん相性がいいのは十分すぎるほど分かっているけれど、もっとジョングクを喜ばせたいと思うのは悪いことじゃないよね。
「結婚したら中出しさせてあげる。」
そう言ったときのこの子の表情ったら、ない。
想像できるでしょう?
あの怪力でぎゅうぎゅうに抱きしめて、撫で回された髪はぐちゃぐちゃで、ジミナ、おれのジミナ、と名前を呼んで。それから、やさしいキスをする。ぼくが眠りにつくまで。
ーーー 𝙴𝚗𝚍 ーーー
「ねぇヒョン?韓国に帰ったらさ、堂々と手を繋いでデートしよう。」
べちゃっ!お箸でつかみ損ねた酢豚のお肉がお皿の上でいやぁな音を立てた。あーあ、お気に入りのフードに飛んじゃったじゃんかよ、もぉっ!
ぼくのせいでせっかくの日本遠征だというのにホテルで缶詰め状態のさなか、最悪のタイミングで3周年を迎えたぼくたちはルームサービスにてささやかなお祝いをしていた。
スケジュール上ここ日本で記念日を迎えることは分かっていたから、ジョングクはかなり前から事務所に細かいタイムスケジュールを確認したり、空き時間で行ける所をリサーチしたりして色々と計画を練ってくれていたらしい。ダメにしたのはぼく、だ。
「へ?」
「これがおれの答え。」
「...?」
答え?そう言われて過去にしたジョングクへの質問の数々を思い起こしてみたけれど。たいそうに答えを求めるようなものはなかったと思うから、やっぱり、あのことを言ってるのかな。
ナムジュニヒョンに距離を置いてほしいと頼まれた日のジョングクを思い出す。いつもならムキになって言い返すであろう言葉をググッと飲み込む音がぼくには聞こえた。
会社やメンバーに迷惑かけているのもジョングクを嫌な気持ちにさせたのもぼくに責任があるから、なおさらなんにも言ってあげられなくて。適度に距離を置いているというよりかはただ、気まずいだけの状態が続いていたぼくたち。
そんなぼくを心配してテヒョンがことあるごとに世話を焼いてくれていたけど、それでもやっぱりジョングクは何も言わなかった。あの、チョンジョングクがやきもちを妬かないなんてありえないし、ぼくはジョングクの髪がストレスで真っ白になる前に何とかしなくちゃいけなかったんだ。だけど...、
だけどね、ぼくのジョングクは本当に、知らない間にずいぶんと大人になっていた。ぼくは兄ちゃんだから、おまえの前で泣きたいのをすっごくすっごく我慢してきたけど。泣いてもいい?甘えてもいい?自分の弱さをさらけ出す場所は、どう考えたって、ぼくを丸ごと包み込んでくれるおまえの腕の中が、いい。
自分だけの居場所を誰にも奪われたくない、と言ったぼくをジョングクは朝まで離さなかった。大好きな人のまどろむ横顔を眺めながらそういえば、言ったような気がする。
ーおまえがいないと生きてけいないのはきっと、ぼくの方だよ。
その夜はセウォンからジョングクと飲んでいるとメッセージが届いた。セウォンいわく、黄金マンネが過去最高に落ちていて見ていられないと。
悪いけど愚痴を聞いてやってくれ、マンネが荒れている理由を知っているだけにそう言うしかない。「僕に乗りかえちゃえば?あーでもこいつ、ジミニヒョンがいないと死んじゃうかも」ってぶさいくなクマのスタンプとともに返ってきたメッセージについ、本気の返信をしてしまい。
その時セウォンに返信したまんまの文面をバカ正直にジョングクに言ってしまったわけだけど。そのとき、あまりに近い距離でジョングクが穴が開きそうなほど見つめるから、つらつらと方言交じりの心の声が流れ出てしまった。
ーだからヒョンの言うとおり今は距離を置くのがいいと思うんだ、誰にも分かってもらえなくてもいいそれよりぼくは...おまえを失うことの方が、怖い
よくもまぁそんな恥ずかしいセリフが言えたもんだと今頃になって思うけれど、べつに答えが欲しいとは言ってない。人知れず抱き合って眠るのも悪くない、そう心で思っていただけで。
「おれは恋人を自慢したいわけでも見せびらかしたいわけでもないけど、隠そう隠さなきゃって必要以上に距離を置くものでもないと思ってるから。」
「うんでも...、」
「二人で外食したり遊び行ったりさ、ずっと普通にやってきたじゃない、やましいことなんかひとつもないし今さらコソコソする方がよっぽどへんだよ。」
「まぁ...それはそうなんだけど、」
「これがおれが出した答えだよジミナ...怖い?」
「怖くないよ?おまえがいれば怖いものなんか、ない。」
そこは即答したぼくだけど手を繋いでっていうのはやりすぎなんじゃ?ボソボソ声で言ってみたけどスルーされたの、不安でしかない。ジョングクときたらへんなとこ石頭だから本当にやりかねないし。
些細なことで衝突したり、想いを口に出来ずにすれ違ったり、小さなちいさな嫉妬からケンカになったり。好きな気持ちが変わることはないのに、何かっていうとぶつかって。お互いに傷をつけては、その傷を舐め合って。
バカみたいに一生懸命に恋した季節をまたいで、3年も経つとぼくたちの間にはゆったりと穏やかに空気が流れるようになっていた。
それだから距離を置くといってもどうすればいいか分からず、半径2メートル以内に近づかないとか、なるべく目を合わせないようにするとか、ジョングクの写真をツイートしないとか。思いつくのはどれも幼稚なことばかり。
テンションがぶち上がって駆け寄ってくるジョングクを精一杯この控えめな目を見開いて制止して、自然に肩に回そうとする腕をすり抜けながら、ガルルルル、となんべん威嚇したことか。いつもの何倍も何十倍も、疲れるコンサートを経験した。
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帰国後、作業室にこもるというユンギヒョン以外の全員が空港から実家に直帰した。帰省しない組のぼくとジョングクは宿舎には戻らずそのままスケートリンクへ。
どうしてスケートなのか、という点については日本から韓国までの2時間弱、休む間もなく言い合いをした結果。今回ばかりは譲らないジョングクに隣りのホビヒョンも呆れ顔だったけど、特に反対もされなくてほっとした。
「ちょっと待って、人が多すぎるんだけど...大丈夫かな。」
「平気でしょ、誰も見てない。」
逆に人が多いほうが紛れられるなんて、たいして顔が隠れるでもない帽子を深くかぶり直して颯爽と氷上に滑り降りていったけれど、おまえってやっぱバカだな。めっちゃスマホの画面向けられてるじゃん気づけよ。
スケート選手さながらどんどんスピードに乗っていくジョングクをぼくはリンクサイドで眺めていた。まったく、いつでもどこでも何をしたって楽しめるやつだ、ほんっといい性格してる。
途中でぼくがいないことに気づいたのかキョロキョロしはじめるから、ぼくはここだよ!と両手を高く上げてひと周りしてくるジョングクをスタンディングスタートのポーズを決めて待ちかまえた。
トン、と背中を押されて前に進んだぼくは追いてかれるもんかと咄嗟に後ろからジャケットを引っぱると笑顔のジョングクが振り返る。う...なんだよ、きゅんとしちゃったじゃないか、恥ずかしい。
「競争はしないからなっ?どうせ勝てっこないもん、ぼくはのんびり滑る。」
「だったらおれが引っ張ってあげるよ。」
「なにその手...いい。」
「約束したじゃん。」
「あーーーー!?だからおまっスケートって、」
相変わらず鈍感なんだからってぼくをバカにするけど、おまえだって算数も出来ないくせにそういう計算だけは完璧だよね。
「あなたすーぐ転ぶんだからおれの手握ってたらいいの!ほらっ、」
だって、ジョングクのくせに生意気だ...いつまでも笑ってるなら手、繋いでやんないぞ!
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「あうーーーー楽しかったぁー♪」
この大きな声を発したのは意外にも、ぼく。
リビングのソファーに倒れ込んで両手両足を投げ出すぼくを見てジョングクはニコニコしながらワインクーラーのかわりに氷を入れた鍋にワインを突き刺してる。
「おまえさぁ鍋はないんじゃないの。」
「ヒョンがワイン飲みたいってわがまま言うからでしょ、ビールと焼酎なら冷えてるって言ったのにさ。」
「はいはい、ごめんねー。」
わがまま言うヒョンも好きなくせに、と言い終える前にそこ邪魔!ひょいっと抱えあげられた。いつの間にかローテーブルの上にはワイングラスと綺麗に並んだチーズが置かれたお皿がセッティングされている。
帰りにサムギョプサルをたらふく食べながら二人でいいかげん飲んできたけれど。時間も早いし、今日は二人きりだし、家で飲みなおそうとワインを買い込んで帰ってきた。
「スケート久しぶりだったから足が痛いや。」
「競争しないってどの口が言ってんだか、真剣勝負だったじゃん。」
わざと負けてあげたんだよ、って笑いながら隣りに座ったジョングクはぼくの片足を持ちあげてごく自然にマッサージをしてくれる。そんな優しい恋人にワインを口移しで飲ませてあげた。
最初は照れていたジョングクだけど何度もおかわりと催促するから、そのうちぼくはワインよりもジョングクとのキスに夢中になってしまう。ぼくにとってはお酒なんかよりこっちのほうが甘くてほろ苦い媚薬みたいだ。
「ジミナ.....、」
「んー?」
「おれ...テヒョンイヒョンになりたいってずっと思ってた。あなたたちはいつでもどこでも寄り添って手を繋いで抱きしめ合うのに...なんでおれはダメなんだろうって...弱くてごめん、あんな風に守ってあげられなくて、ごめん。」
「気にしてないなんて言ってたくせに強がったりしてバカだな、ふふふ、ぼくの恋人はずっとそばにいてくれるし、転ばないように手だって繋いでくれるし、寒い夜は抱きしめてくれるよ?それがね、すんごくあったかいの。」
「そういうこと言ってんじゃないんだって、」
誰の目も気にしないであなたを力いっぱい抱きしめたい日もあるんだよ、って。そんなこと、おまえの目を見れば分かる。心配しないで、見えない赤い糸はちゃんと、ぼくたちを繋いでる。だからねジョングガ?
「もう一度キスして。」
少し驚いた顔をしたあと苦しそうにぎゅっと目を瞑って、背骨を折る勢いで背中に腕を回す。いつかぼくは絞め殺されちゃうんじゃないだろうか。もう筋トレはやめさせなきゃな。
「痛いよバカ、死んじゃうんんっ、」
口唇が重なってすぐ、ぬるっとジョングクの舌がぼくのなかに入ってくる。息もできないほど押し当てられた口唇の隙間から唾液が垂れてもかまわない。
「んっ、ちゅ、...すきっ、じょんぐがっ」
自分より大きな身体に覆いかぶさるようにしてキスをせがんでぼくは、ジョングクの口唇を離さなかった。ジョングクの顎をつたう唾液に舌を這わせて、口唇や舌をペロペロと舐めるぼくを猫みたいだねと笑う。
うん猫でいいよ、ぼくはおまえの猫になりたい。ジョングクのスウェットパンツに手をかけるとすでにソコは興奮していて、ぶるんと出てきたそれを両手で優しくやさしく、包み込んだ。
たったそれだけで喉を鳴らして、眉間に皺を寄せた男らしい顔のジョングクがぼくを見つめてる。猫みたいなぼくにここもペロペロしてほしい?厚ぼったい口唇で扱いて、しゃぶって、吸いつくされたいの?
「はっ、んく.....っ、ん、ん、んっ」
「っ、裏筋んとこ、そうそこジミナ、はぁ...きもちい、」
硬く膨れあがったジョングクのがぼくの口内で暴れて、ふっふっ、と鼻から息が漏れた。 だらしなく口を開いてジョングクのちんちんを頬張って、ぢゅぽっと下品な音を立てる。
そんなぼくを上から見ているジョングクに熱い視線を送って、見せつけるように出し入れしながらほっぺの内側で刺激すると、ビクビクと震えた。イクのジョングク、イっちゃうの?このまま?
くんっと硬さを増す感触を直に感じて、ぼくの身体はうずうずしてきちゃう。ジョングクのコレ、ぼくのなかに欲しいって。今日のぼくちょっと...へんだ。
「ん、じょんぐがぁ...ねぇしたい。」
ビクッ!急に立ち上がるからビックリしたじゃんか!可哀そうにあとちょっとで絶頂というところで放り出されたソレが形を変えずに目の前でぷらぷら揺れているのに。
ジョングクは片方の足首に絡まっているスウェットと下着を蹴り落としてぼくを軽々と抱きあげた。
「おれの部屋でいい?」
「おまえのマットレス硬いからやだ。」
「じゃああなたのベッドで抱く。」
ふいに幼い日の横顔を思い出す。何だって簡単にやりこなすくせに自信なさげにいつも下を向いていたジョングク。自分に厳しい弟をぼくはうんと甘やかして可愛がってやるんだと誓った。ぼくもまた、幼かったんだと思う。
そのうち到底受け止めきれない愛情を体当たりでぶつけられて狼狽えている間にぼくは、この逞しい腕にあっさりと掴まってしまった。掴まったが最後、こんな陽だまりのような心地いい場所から抜け出せるわけがない。
凛々しい眉を指でなぞってこめかみに流れる汗を拭ってあげる。大好きな丸い瞳は細められ薄く開いた口唇が愛してると何度も囁いた。ぼくのすべてを舐めつくす舌の感触と快感に導く熱い手のひらから指先まで全部が、好き。
「んぁ...っ、じょん、ぐ.....、」
んふ、はふ、と息つくまもなく口唇を吸われて舌を絡ませながら、両足を抱え上げられた。ジョングクの先っぽがそこを押し広げる瞬間が好き。
もっと、もっともっと、ジョングクが欲しくなる。好き、大好き、だから心も身体もジョングクを求めるんだ。ちゃんと...おまえにも伝わってるよね?
「じょんんぐがっ、ぁっ、ぁっ、そこだめ、いっちゃうから、ぁ、やっ、だめだめだめ、っ、んーーーっ、」
「じみな?出さないでイったの?やばい可愛い...震えてる平気?おれはめちゃくちゃ気持ちいけど。」
「ぁぅ、まま、待っ、ゃぁ...っ、ちゃう、いくっ、いくの、っ、あ、あーーー、」
「イキすぎ、っ、ほんと可愛すぎてやばい、」
たて続けになかでイかされて太股がぷるぷるしてる。さすがに快感の度が過ぎて震えが止まらない身体をジョングクは優しく抱きしめてくれた。
「今日すごい感じてない?ねぇそんなに気持ちいいの?」
「ん、」
弱々しく首を振ることしかできないくらい、感じてる。おまえが触れたところは全部、頭がおかしくなりそうなほど気持ちいい。
ガチガチに怒張したそれで擦られるのを想像しただけでかろうじて繋がったままのそこがきゅんきゅんジョングクの先っぽを締めつけた。ゾクゾクとした快感を逃がすようにしがみついたら、ずくんっ、一気に奥まで貫かれてぼくはまたイってしまった。
一瞬ガツガツと腰を揺らしたジョングクはすぐに動くのをやめて、パクパク口を動かすだけで声も出ないぼくを心配そうに覗き込んだ。んーん、違う、そうじゃないんだ、と精一杯の笑顔をつくって見せる。
「気持ちよすぎて飛んじゃいそうなのほんと...でもいいよ?もっとおくまでして...おまえにも気持ちよくなってもらいたい。」
「おれだって気持ちいいに決まってるじゃない、何より心が満たされてくのをすごく感じてる。」
「ぼくも。」
うふふふ、あははは、セックスの途中だというのにふざけて擽りっこなんかして、ムードもなんもない!って怒ったり、笑ったり。つまるところ...幸せだね、大好きだよ、なぁんて言い合うんだぼくたちは。
「ぁ、ぁ、ぁ.....ぁ、ぁん、」
くたり、と力が抜けてしまった身体を小刻みに揺さぶられて、女の子みたいに喘ぐ声を抑えられない。
グリグリ腰を押しつけられると大きさや形まで分かるみたい。身体の一番おくまでジョングクでいっぱいに満たされてる気がして嬉しくなって、また芯から熱くなる。
「ぁぁん...っ、ひぁ...、んー、」
「ねぇおれのこと好き?おれは大好き。こんなに奥まで咥えこんできゅんきゅん締めつけてエロい顔してんの...たまんないくらい好き。」
「んぁぁっ、ぁっぁっぁっぁっ、」
「乳首もちんこもどこもかも硬くして...ぐちょぐちょに濡らして好き、じみな、なんでこんな可愛いの、」
「ひっ...、ぁっ、 ぁー...っ」
逞しい腕で腰を深く抱かれてガツガツと突き上げられた。だめ、もう身体がもたない。ぐちゅん、ぬちゃ、ずちゅっ、繋がった場所から耳を塞ぎたくなるようなエッチな音がしている。
「ぁぁぅ...、も、ゃだ、やだぁ...そこ、そんなにしないで、ぐちゅぐちゅしちゃだめっ、あん、だめぇ、」
「ダメじゃないでしょう?くっ...痛いくらい締めつけてる、お尻でめちゃくちゃ感じてるじゃない。」
さっきからエッチなことばっか言ってぼくをドキドキさせて、なんなの。おまえだってエロい顔でぼくを見てるじゃんか、息遣いだって荒いくせに、なんでぼくを恥ずかしくさせるんだよ、バカ。
いやらしい身体だね、と、その言葉にすらも感じてしまう。やだ、ぼくの身体、いやらしいんだって。ジョングクのおっきいのをお尻のおくのおくまで埋められてこんなに感じて、ゾクゾクする快感に震えてる。
ぢゅぷぢゅぷと強く激しく揺さぶられながらジョングクの熱い息を口唇で受け止めて、よかった、ジョングクもぼくに興奮してくれてるんだって嬉しくて。ぎゅっとしがみついた背中に爪をたてた。
「じょ...ぐ、がぁ...あっあっ、んぐ、ぐがぐがぐがっ、」
「可愛い、ジミナ...おれのじみなっ、はぁ、はぁ、」
「ぼ、く、イっ、っちゃ...ぁぁっ、イっくぅん...んーっ、」
「ジミナおれもっ、おれもイクよ?うくっ...イクっ...っっ、」
愛してるジミナ、低く呻くような声が噛まれた耳朶から沁み入ってくるみたいに身体中に広がっていく。ジョングクとぼくの身体がピッタリと重なって鼓動がひとつになった。
「このままもう一回...いい?」
「うえっ?!やだ、ぁ...なんっ、でぇ...」
「嘘つき。こんなやらしい身体して。」
おれを夢中にさせるあなたが悪い、なんてよく言う。ぼくをこんないやらしい身体にしたのはおまえじゃないか。
おまえがいなかったら知らないままだったんだ。好きで、好きで、ただ好きなだけで、泣きたい日があるなんて。おまえと肌を重ねるたび幸せという名前の薄桃色の粉が降ってくるなんてことも。
こうして抱き合えば分かっちゃうんだね、ぼくたち。どれくらい愛し愛されているのか、どれほど必要とし必要とされているか。どんなにかけがえのない存在かということ。二度とはぐれてしまわないようにぼくは、触れた手のひらに指を絡めた。
*
「今何時?」
「んー?...もう2時過ぎてる。」
これからがおれたちの時間だね、ってその有り余る体力はどこからくるんだ?ぼくはもう、うつ伏せたままの体勢でピクリとも動けないというのに。
ジョングクはそんなぼくの髪を指で梳かしながらこめかみにキスを落とすから、また始められたら大変だと慌てて顔を反対側に向けた。ベッドから視線を落とした先に投げ捨てられた使用済みゴムの切ない光景。
「何回したの?」
「2回?」
「見えてるだけでも3個使ってるけど?」
「あー3回?だったかな。」
こいつ、いつの間にコンドームつけ替えてんだろ。一番最初につけるときはちゃんと見ているのにいつもそのあとの記憶が曖昧で、セックス中のぼくはちゃんと意識を保てているのか心配になってしまう。
夜中の2時すぎに真っ裸で正座をして、自分の精液入りのゴムの口を慎重に結ぶ広い背中に向かって思ったままに問いかけた。
「ジョングクはさ、なかに出したいとか思わないの?」
2個目の残骸を拾いあげながら無言で振り返ったジョングクにじーっとりと睨まれた。そっか...生でしたいし、なかにも出したいんだね。
「これ以上あなたの身体に負担になることはしたくないからおれ、そこにはこだわってないよ。」
「出したやつあとで掻き出して綺麗にしたら大丈夫だって、何かで見た気がするんだけど。ちょっと検索してみる?」
「そんなことはおれも知ってんの!あなたそれ、おれにやらしてくれるわけ?お尻の穴拡げて奥まで指突っ込んで精液掻き出すんだよ?一回じゃなくて何回も。しかもおれめっちゃ近くで見るけど?いい?」
「...だめ。」
「でしょ。」
そんな人生を諦めたみたいな顔しなくったっていいじゃん。もちろん相性がいいのは十分すぎるほど分かっているけれど、もっとジョングクを喜ばせたいと思うのは悪いことじゃないよね。
「結婚したら中出しさせてあげる。」
そう言ったときのこの子の表情ったら、ない。
想像できるでしょう?
あの怪力でぎゅうぎゅうに抱きしめて、撫で回された髪はぐちゃぐちゃで、ジミナ、おれのジミナ、と名前を呼んで。それから、やさしいキスをする。ぼくが眠りにつくまで。
ーーー 𝙴𝚗𝚍 ーーー
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