好きしか知らない
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【𝙹𝚒𝚖𝚒𝚗】
ちょっとばかりうまく付き合えるようになってきたもやっとくんとの別れは突然に訪れた。
「あ、ごめん!誰かいると思わなくて。」
後回しにしていたシャワーに向かったのはすいぶん遅い時間で誰かと出くわすとは思っていなかった。その誰かがジョングクだったものだからますます居心地が悪い。
「ぼく出直すからゆっくり入れば。」
「や、ぼくもう出るんで入ってください。」
「あそう?」
濡れたまんまの髪からぽたぽたと雫を垂らすジョングクにバスタオルを投げてやって、気まずいなあと思いながら背を向けて着ていたTシャツに手をかけたとき。
「じみにひょん。」
え...。
脱ぎかけていたTシャツが首元で丸まったままぼくは驚いて振り返る。今、ジミニヒョンって言った?
初めて名前を呼ばれた気がするんだけど。え、え、え、ちょっと、嬉しい。
「ん?」
「あの、ぼく...ジミニヒョン、が、すき...、」
「は?」
ヒョンと呼ばれたことに気を良くして自分でも気持ち悪いくらい甘ったるい声で返事をしてしまい、気を抜くとでれでれしそうでぎゅっと口唇を固く結んだのに。
次いでこいつから出た言葉にぽかーんと口を開けてしまった。
「ぼ...ぼく、ジミニヒョンのことが一番好きです。ずっと言いたかったけど言えなくて、ごめんなさい。」
もしかしたら一生交わらないんじゃないかと思っていた視線はしっかりぼくを捉えて、あわあわと今さらTシャツを引っ張るぼくを見てジョングクが照れくさそうに笑う。
何これ、恥ずかしい。おまえぼくに笑いかけてくれたのなんて、初めてなんじゃないの。
「くうー、」
肩に引っかかって下りてこなかったTシャツを顔に押し当ててへんな声を出すぼくに、いひひっ、とジョングクもへんな声で笑いだすから思わずそろりと片目だけ覗かせた。
Tシャツの隙間から見えたのは垂れさがった目尻の皺とかわいい前歯。ジョングクが笑っている。え、なに、このほっこり感。
赤くなった瞳と長い睫毛が涙の雫で光っているのは見なかったことにしてやるよ。こうしてぼくはもやっとくんに別れを告げた。
ちょっとばかりうまく付き合えるようになってきたもやっとくんとの別れは突然に訪れた。
「あ、ごめん!誰かいると思わなくて。」
後回しにしていたシャワーに向かったのはすいぶん遅い時間で誰かと出くわすとは思っていなかった。その誰かがジョングクだったものだからますます居心地が悪い。
「ぼく出直すからゆっくり入れば。」
「や、ぼくもう出るんで入ってください。」
「あそう?」
濡れたまんまの髪からぽたぽたと雫を垂らすジョングクにバスタオルを投げてやって、気まずいなあと思いながら背を向けて着ていたTシャツに手をかけたとき。
「じみにひょん。」
え...。
脱ぎかけていたTシャツが首元で丸まったままぼくは驚いて振り返る。今、ジミニヒョンって言った?
初めて名前を呼ばれた気がするんだけど。え、え、え、ちょっと、嬉しい。
「ん?」
「あの、ぼく...ジミニヒョン、が、すき...、」
「は?」
ヒョンと呼ばれたことに気を良くして自分でも気持ち悪いくらい甘ったるい声で返事をしてしまい、気を抜くとでれでれしそうでぎゅっと口唇を固く結んだのに。
次いでこいつから出た言葉にぽかーんと口を開けてしまった。
「ぼ...ぼく、ジミニヒョンのことが一番好きです。ずっと言いたかったけど言えなくて、ごめんなさい。」
もしかしたら一生交わらないんじゃないかと思っていた視線はしっかりぼくを捉えて、あわあわと今さらTシャツを引っ張るぼくを見てジョングクが照れくさそうに笑う。
何これ、恥ずかしい。おまえぼくに笑いかけてくれたのなんて、初めてなんじゃないの。
「くうー、」
肩に引っかかって下りてこなかったTシャツを顔に押し当ててへんな声を出すぼくに、いひひっ、とジョングクもへんな声で笑いだすから思わずそろりと片目だけ覗かせた。
Tシャツの隙間から見えたのは垂れさがった目尻の皺とかわいい前歯。ジョングクが笑っている。え、なに、このほっこり感。
赤くなった瞳と長い睫毛が涙の雫で光っているのは見なかったことにしてやるよ。こうしてぼくはもやっとくんに別れを告げた。
