お隣さん同士のとある日常
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ガラァッ!!
「蒼っ!!!大丈夫か!!?」
クロの予想通り、やってきたのは真昼だった。
外から戻る途中、女子と遭遇して蒼の額にボールが直撃し気絶したのを聞いたらしい。
不安に思っていた事が現実になっていて、青ざめた真昼は、体操着のまま思わず保健室まで来たという事だ。
「ボールが頭に当たって倒れたって聞いたけど…!」
「大丈夫よ~。湿布貼ったし、今クロに包帯巻いてもらったし」
「でも気絶したんだろ?病院行った方がいいって」
「そうねえ~…うん、学校終わったら行くよ」
「絶対行くんだぞ?途中コケんなよ?」
「はーい」
オカンかっ!…そう突っ込んでしまいたくなるクロ。
思わず、はあ…とため息をついた。
「体育着、着替えないとね」立ち上がった蒼は、クロを真昼に渡した。
二人はそれぞれ更衣室で着替え、一緒にクラスへ戻っていく。
「蒼!大丈夫!?ボールに当たって気絶してたけど」
「包帯もして…そんなに酷かったの?」
「ううん。湿布貼ったから、外れない様に包帯巻いてるだけ。大丈夫よ〜」
「病院行った方がいいんじゃない?」
「うん、学校終わったら行くよ」
女子に囲まれ心配される蒼。
とても大事にされているのがよく分かる。
「でもまさか、虎雪の言った事がホントに起こるなんてな」
「オレも。心配してたんだよ?特に真昼が」
「うん、話聞いて直ぐに駆け付けたって。ごめんね?不安にさせて」
「いや、蒼が無事で良かったよ」
ほんわかと笑う蒼の笑みに、周りは癒されていく。
頭を撫でたくなる雰囲気、虎雪も女子たちも蒼の頭を撫でてあげた。
そんな様子を見る真昼とクロ、ホッとした表情で見守っていた。
そしてお昼休み。
猫姿のクロは相変わらずの人気だった。
「クロちゃーん、卵焼きあげる~♪」
「タコさんウインナーもあげるよ~♪」
チヤホヤされるクロを、真昼は面白くなさそうな表情で、蒼はニコニコしながら見守っている。
お弁当を真昼の机に広げ、龍征も隣でパンにかじりついていた。
因みに虎雪もクロに何かしらあげている。
「クロ、モテモテだね~。いいなあ…私も動物になりたいなぁ」
「蒼ならあれがいいんじゃね?雪うさぎ。ほら、よく葉っぱを耳にして赤い実を眼にしてる…」
「あーあれ!可愛いよね〜♪」
「ちょっと待て龍征、それ動物じゃないだろ」
「うさぎがついてんだから動物だろ」
「暖かくなったら溶けちゃうけどね~」
「それはそれでなんか…」
「でも私は好きだなぁ…ちょっとだけ溶けかけたアイスも美味しいし」
「でろんでろんにならねえ?」
「ホラーチックになるね~♪お化けだぞ〜!」
「怖くねえ」
「つか、お前ら何の話してんの?」
キリの良いツッコミが出た後、クロを囲んでる女子たちから蒼が呼ばれた。
「はーい」カタンと席を立ち、側に行くと被り物がいくつか並んでいた。
以前虎雪が昔飼っていた犬のお洋服を持ってきてクロに着せた事があったが、今回は被り物らしい。
うさ耳、ミッ●ー耳、シルクハット、三角頭巾、などなど。
「蒼はやっぱりうさ耳だよね!この真っ白なの」
「へ?何の話?」
「はい蒼、これ着けて♪」
「へ?は、はい」
渡されたものを受け取る。
白いうさ耳の被り物だが、犬用の為かなり小さい。
「これじゃ被れないよ?」と訴えたが、持ち主の虎雪に「大丈夫、それフリーに横へ広げられるんだあ~♪」と返された。
試しに横に広げてみると、頭の大きさに合った広さに変えられた。
何故かそれに感動した蒼は、目をキラキラさせ頭に装着した。
「凄い凄い!これ被れたよ!?」
「そっか、良かったね~」
「耳片方折るといいんじゃない?」
「え?折れるの?」
「折れるよ~」
虎雪が片方の耳を持ち、垂れ耳の様に耳を手前へ折った。
「どう?」集まっている女子たちに虎雪が言うと、キャー可愛いー!と叫び始める。
そんな声援に蒼は顔を赤くし、恥ずかしそうに下を向いた。