お隣さん同士のとある日常
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時間が経ち、もうすぐ四限目が終わりそうな頃…。
「……ん………あ、れ…?」
「おう、起きたか?」
「……クロ…?」
蒼が目を覚ますと、隣には人間姿のクロが椅子に座ってゲームをしていた。
占いが気になり、蒼の様子を見に行ったら案の定ボールが額に直撃し、倒れたと。
先生が呼ばれて留守になったところをこっそり入ってきたということだ。
「頭、痛むか?」
「…ちょっと。でもじんじんするだけで、多分直ぐに良くなるよ」
「直ぐにって…ボールがでこに当たった反動で、後ろにぶっ倒れたんだぞ?」
汗を垂らしながら返した。
そんな思いっきり直撃して直ぐに良くなるとは到底思えない、とでも付け足したい様な呆れた表情のクロ。
あはは~…としか誤魔化しようがなかった。
蒼は起き上がり、置いてあった濡れタオルが毛布の上に落ちる。
それを見た蒼はふと思った。
「クロ、今何時?」
「ん?…えーと…」
ゲームの画面に出てる時計の表示をパッと見てみる。
時間は11時40分、そう伝えるともう四限目が終わりそうな事に気が付いた。
「戻らなきゃ…!」慌て始める蒼に、クロは「まぁ落ち着け…」となだめる。
「つーか、そのまんまで戻るのか?」
「ううん、一旦更衣室行かなきゃ」
「違ぇーよ。それ、ぶつけたとこ。…結構腫れてるぞ?」
「へ?」
カーテンを開けて、鏡の方へ向かう蒼。
前髪を上げて見てみると、額は思った以上に膨れ、真っ赤に腫れていた。
「あちゃ~…結構酷いなぁ…」と思い悩み、「これは~…」と呟いたところへ、クロが横から鏡を覗き込んだ。
「湿布貼って包帯巻いとけばいいだろ」
「う〜…でもでも、そんな大袈裟に包帯なんか巻いたら、真昼くんや皆に心配掛けちゃうよ」
「じゃあそのままで行くのか?」
「う……ん〜…」
「真昼はともかく、女子は全員知ってんだろ?今更隠すモンでもねーし」
「う………分かった…」
断念した蒼は「失礼しま~す」と言って冷蔵庫を開けた。
(ただの冷蔵庫なのに…)と思うクロを余所に、冷蔵庫から湿布を取り出す。
引き出しから包帯も取り出して、鏡の前で湿布を貼った。
「クロ、ズレてない?平気?」
「おー…熱がある病人みたいに見えるぞ〜…」
「いや〜!それ言っちゃダメなやつ〜!」
そのまま鏡の前で包帯を巻こうとするが…。
「う~…上手くできない~、ズレるよ~…うあ~…これは〜ダメよぉ~…」
「……はあ~…」
失敗するケースが多い。
う〜だのあ〜だの唸る蒼を見て、めんどくさそうにため息をつくクロは蒼の名前を呼んだ。
「蒼」
「ふえ~?」
「……座れ。巻いてやるから」
「…あ、ありがと~」
「…つか、頼めばいいだろ。一人じゃねーんだから…」
「そ、そうだよね。ちゃんと巻こうと思ったら集中しちゃって…忘れてたぁ〜…」
「…はあ…」
泣きそうな声で言う蒼は、近くにあった椅子に座り、包帯をクロに渡して「お願いします」と言った。
「ん…」ただそれだけ返して包帯を受け取り綺麗に巻いていく。
巻いている間に四限目終了のチャイムが響いた。
少ししてバタバタ走る音が保健室に向かってくるのが聞こえた。
誰か来たと思い、蒼はあたふたするがクロは落ち着いた声で、「大丈夫だ…多分アイツだから」と、のそのそ包帯の端を留めてあげる。
けれど念のためクロには猫の姿に戻ってもらい、膝の上に乗せた。