お隣さん同士のとある日常
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そして時間は過ぎていき、授業開始。
一限目は英語、真昼は苦手で蒼は得意な教科。
教科書の英文をまず読むことに、蒼が指定された。
「夜明、ここのページを読んでくれ」
「あ、はい」
英文を読んでいく。
得意な科目故に、発音は上手だったのだが…。
先生も、周りの皆も疑問を抱いた。
「?おい夜明」
「はい?」
「そこはまだやってないだろう。ページ間違えてないか?」
「へ?」
数ページ先を読んでしまっていたのだった。
まだやってない所を読まれては、誰もが疑問を抱くだろう。
「…あ、ホントだ」
「発音はいいが、ページを間違えたらイカンぞ?」
「す、すみません…!」
苦笑しながら蒼は言った。
周りの皆も、どんま〜いと声を掛けられ、えへへと笑って今日やる所のページを読み直した。
ページは変わっても発音がいいのは変わらない。
そこは先生も褒めたい所だが、どこか抜けている部分が惜しい。
多分そういう面があるのも、魅力の一つだろう。
…だが普段はそういうミスはあまりしない。
珍しいな、と真昼は思った。
そして二限目、三限目と続き、四限目に体育が始まった。
男子は外でマラソン、女子は体育館でバレーボールといった、ごく定番な授業内容だ。
そんな中…。
「蒼、大丈夫かな…」
「何が」
マラソン中、ボソッと一言呟いた真昼に問い掛ける龍征。
隣で虎雪も聞いている。
「いや、女子は体育館でバレーボールって聞いたからさ」
「バレーボールじゃいけねーのか?」
「つか、バレーボールだけじゃないんだよ…」
「はあ?なに言ってんだお前」
「……あ、そういえば蒼って…」
虎雪には、真昼が何を言いたいのか分かったらしい。
一方で女子の方では…。
「蒼だいじょーぶ?球技系苦手なんでしょ?」
「ていうか、体育全般苦手だよね。大丈夫?」
「う~ん、頑張るよ」
「フォローするから大丈夫だよ!」
「うん、ありがとう」
チームに分かれ、それぞれの位置に着く。
試合が始まり、ボールが高く上がった。
一人、また一人とボールは人から人へ渡っていき、遂に蒼の方へ!
「蒼行ったよ!」
「はっ、はいっ!!」
ボールが頭上から蒼へと降りていく。
真剣な眼差しで手を構える蒼。
周りの皆もごくりと息を飲んだ。
先生までも目が離せない…。
そして……!
「はぁっ…!」
ゴスッ!!
「「「「「「蒼っっっ!!!!!」」」」」」
「は、はれぇ……?」
下からボールを打とうとした時に、位置が前の方へずれていた為、蒼の額に直撃した。
その衝撃で蒼はその場で卒倒してしまったのだった…開始僅か5分で。
気絶した蒼は、別のグループの女子に保健室につれて行かれた。
──────────……
「体育苦手だって言ってたよね。走るのも遅いし…」
「そう。特に球技系がまるでダメなんだよ、蒼は…」
「そんなに酷いのか?」
「サッカーをすれば蹴っても変な方向に行くし、
バスケはドリブルしても一・二回が限度だし、テニスをしてもボールは打ち返せるけどアウトばっかりだし。
野球だってキャッチボールだってドッチボールだって…何故か真下か後ろに全部落とすし。
まずフォームがおかしい。全部ロボットみたいな動きする」
「そんなにか…」
「そうなんだよ」
「蒼、バレーボールに当たって気絶してないといいけど…」
「まさか。そこまではねーだろ」
「……いや、それ、なんか不安になってきた…」
「心配し過ぎたっつーの」
「…そう、だよな…は、はは」
まさか、虎雪の言った事が既に現実に起こっていて、蒼が保健室に運ばれている事など露知らず。
保健の先生立ち会いの下、ベッドに寝かされた蒼。
額に濡れタオルを置き、カーテンで遮り、運んできてくれた女子は保健室を後にした。