お隣さん同士のとある日常
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「なんかさー、真昼と蒼いつも一緒にいるから、揃ってると兄妹みたいだよねー」
「「え?」」
「顔とか性格は全然似てねーけどな」
突発的に言う虎雪の発言に声が重なる二人の後に龍征がズパッと言った。
嬉しいのと同時に、どこか納得出来ないような、そんな表情の真昼。
そんな真昼を余所に「そうだったら良かったのにね~」と苦笑する蒼。
「でもそうなったら、真昼が大変だよね」
「どうして?家事なら私も手伝うよ?」
「う~ん…そういうことじゃないんだけど」
「??」
((可愛くてモテる事を自覚してないんだな…))
虎雪の言葉にイマイチ理解が出来ない蒼。
真昼と龍征が同時に同じことを思った事など露知らず。
そう、蒼は持ち前の優しさとほんわかした癒し系オーラで、かなりモテる。
それ以外にも理由は多々あるが、キリがないのでそれは一先ず置いておこう。
学校の門を通り、同じクラスメイトとも挨拶を交わした。
女子同士、蒼にピッタリくっつき歩いたり、男子からしたら、なんともまぁ羨ましいことで。
そんな時、コロコロとボールが足下に転がってきた。
ふと止まり、それを拾い上げる。
「野球ボール…?」
「野球部のかなぁ…」
「でしょ!朝練してるし」
女子達がそう言っていると「すみませーん!」と叫ぶ声が聞こえた。
予想通り、野球部の制服を着た一人の男子がこちら側へ走ってくる。
ボールを地に転がし、相手の方へ。
相手もグローブで構えてが来るのを待つ。
…だが次の瞬間!
コンッコロコロコロ~
「「あっ」」
「待って!」
思わずそう言う蒼はボールを追い掛ける。
登校中の生徒にボールを蹴られてしまったのだ。
コロコロ転がるボールのスピードが落ちていき、ゆっくり止まろうとしていた。
ホッとする蒼…だったが?
「野球ボール?」
「あっ、それ…」
別の生徒がボールを拾った。
そこへ野球部の人が拾ってくれた人の所へ受け取りに行く光景を目にし、蒼は思わず立ち止まった。
受け取った後、先輩と思われる野球部の人がその人を呼び、颯爽と去っていってしまった。
自分がやろうとしていた事を他の人がしてしまい、蒼はただ呆然と立ち尽くしてしまった。
「蒼ー、だいじょーぶ?」
「他の人が渡してたね」
二人の女子が蒼に近付いてそう言うと、ハッと気付いた蒼は苦笑した。
「そうね、無駄足だったなあ…」
「だよねー!せっかく渡そうと思ったのに」
「あはは…でも、取ってもらえたから良かったよ」
「そっかそっか」
ポムポムと、あやす様に蒼の頭を叩いてあげる。
「授業遅れちゃうから、行こう」
二人の手を取り、正面玄関へと歩き始める蒼。
そんな様子を見る真昼ら三人、そしてリュックの後ろから先程の様子を見ていたクロ。
クロは今朝の占いを思い出しながら、まさかな…と小さく息を吐いた。
「せっかく蒼が取ろうと思ったのにねー」
「ああも立場無くすとなあ、どうしていいか分かんなくなるよな」
「確かに」
そんなことを話しつつ、三人も正面玄関へ向かっていった。