お隣さん同士の助け合い
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「はーい」
「真昼くん?入っていいかな?」
「おう」
ガチャッとドアが開き「大丈夫?」と言いながら入ってきた。
お盆の上には白いタオル、湯気が立っている。
「じゃあ真昼くん、後ろ向いて?」
「は?後ろ?」
訳が分からないまま蒼に背中を向ける。
……そして…。
「服、脱いでくれるかな?」
「はああああっ!?」
まさかの脱衣願望。
いやいやそうではない、ちゃんと理由があるのだ。
真昼も突然の言葉にパニックになっている。
「蒼っ…ちょ……ま、えっ……お、俺っ」
「?どうしたの?」
「い、いや……どうしたのじゃなくて…っ……そ、その…」
「?…蒸しタオル用意したから、背中拭いてあげようと思ったんだけど」
「へ……?…………む、蒸し……タ…?」
「うん。背中、自分で出来ないでしょう?拭いてあげるよ」
「あ、ああ……そういうことか…」
変なことを考えてしまった自分が恥ずかしい。
赤い顔が更に真っ赤になるのが分かる。
背中向けておいて良かったと、真昼はホッとしていた。
ドキドキと鼓動を動かしながら、着ているものを脱ぐ真昼。
上半身を裸にすると、蒼は「拭いてくよー」と断り片方の手を真昼の肩に置き、タオルで少し強めに拭いていく。
「タオル熱くない?」と聞く蒼に、しどろもどろになりながら「だ、大丈夫…」と答える真昼。
(蒼の手、やわらけー……って!!何考えてんだよ俺は!!)
「よいしょ…っと。……はい、終わり。前もやってあげようか?」
「い、いや!!だ、大丈夫だっ……じ、じじ…自分でやるから…」
「そう?じゃあ、はい」
後ろからタオルを受け取る真昼。
恥ずかし過ぎて蒼の方を見ることが出来ない…。
一方で蒼はタオルを渡すと「家事はやっておくから、ゆっくり寝てて?」と残してドアの方へ向かった。
それにすかさず真昼は反応する。
「い、いいって!そこまでしなくても…!」
「ダメ。クロもいるんだし、そのままにしてたら溜まっちゃうもの。ね?」
「う……」
「タオルは拭き終わったら置いといていいからね。後で持っていくから」
「あ、ああ……」
結局押しきられ、蒼は真昼の部屋を出てパタンとドアを閉めた。
「……はあ~……」緊張がほどけたように溜め息をつく真昼。
身体を拭き、服を着直してようやく布団に潜り込めた。
マジ情けね~…弱々しく呟き、いつの間にか瞼も重くなり目を閉じた。
──────────……
『…真昼』
誰だ……?
『真昼』
聞き覚えがある……
『大丈夫?真昼』
……この声……
…………母さん……?
『大丈夫?』
ああ、そうか……昔の……
小さい頃、俺が風邪引いた時の……
隣にいて、お粥持ってきてくれて……
舌を火傷したっけ…
水を渡してくれたんだけど…
薬飲む分だったから、もう一回入れに行ってたっけな…
懐かしいな……
『真昼…』
…………母さん……
…………母さん…………